寸法線
寸法線は、指示する長さ、または角度を測定する方向に平行に引き、線の両端には端末記号をつける。
寸法の引き方
寸法線は、矢印、黒丸、スラッシュで表す。基本的には矢印であるが、狭いところでは黒丸やスラッシュで表すことが多い。狭い場所の寸法記入は、引出線を用いて、寸法線から斜め方向に引き出して、寸法数値を記入する。もしくは、寸法線を延長して、延長した寸法線の上側に記入する。寸法補助線の間隔が狭い場合、矢印の代わりに黒丸(あるいは斜線)を用いる。どうしても書けない場合、部分拡大図を描く。
並列寸法と累進寸法
段差がある場合の形体間の寸法記入は、並列寸法か累進寸法で記入する。累進寸法の場合は、一方の形体側に起点記号(〇)を、他方の形体側に矢印を指示する。ただし、これらの方法は公差が蓄積されるというデメリットがある。
座標寸法
寸法線が複雑になる場合は、座標で割り振る座標寸法記入法がある。
辺、弦、弧、角度
辺の長さ
辺の長さは下記で表される。
弧の長さ
弧の長さは下記で表される。
角度寸法
角度寸法を記入するための寸法線は、角度を構成する二辺、あるいは寸法補助線の交点を中心として、それらの間に描いた円弧で表す。また、形体の二平面のなす角、あるいは相対する円すい表面の母線のなす角の間は下記のような円弧で示す。
工具・加工方法の指示
工具や加工方法を指示する場合は、その工具径も指示するとよい。穴加工のドリル径、リーマ径、平面加工のフライスカッタ径、溝加工のブローチサイズなどがそれらに当たる。
対称中心線
対称の図形で対称中心線の片側だけを表した図では、寸法線はその中心線を越えて適切な長さに延長する。この場合、延長した寸法線の端には、端末記号をつけない。なお、対称の図形で数多くの径の寸法を記入する場合は、寸法線の長さをさらに短くして、数段に分けて記入する。