安全率

安全率

安全率とは、機械や構造物を安全に使うための基準である。どんなに厳密に計算しても、誤差や予想もつかない使い方、厳しい使用環境などで、予想外の負担を機械や構造物に強いることが起こりうる。機械や構造物の設計は、安全設計を目指す必要があるが、必要以上に安全率が高くなると、過剰設計となるため重量やコストなど負の部分が大きくなる。

安全率

安全率とは、基準応力を許容応力で割った次式で表される。

許容応力

許容応力とは、その材料に生じる応力の中で、許容できる最大の応力である。基準応力は、ガラスやセラミックスなどの脆性材料では引張り強度、鋼などの延性材料では、降伏強度や耐力を参考にすることが多い。また、繰り返し荷重を受ける箇所で使われる場合は、疲労限度、高温で使う場合は、クリープ限度など様々なファクターを考慮する必要がある。

基準応力

基準応力とは、許容応力を決める基準となる応力である。材料の性質、使用環境、部品、リスク、それぞれの見積誤差など様々な状況を考慮して決められる。

安全率の目安

安全率の決定は、たとえば、「人を支えるものは10、物を支えるものは6」とされることもあるが、実際の設計では、人の経験によるものが大きい。一部法令で決まっているものもある。一般的には、クレーンの安全率は8―10に対して、自動車や飛行機の一般構造部分は軽量化が必要なため、1.5-2.0程度が目安とされる。薬の安全率は100と大きくとられている。

コスト

高い安全率をとると、コストに跳ね上がっていく。小さなコスト高が積み重なると価格に反映されるため、注意が必要である。

検討事項例

  • 荷重(静荷重、繰り返し荷重、衝撃荷重)
  • 材料(延性材料、脆性材料)
  • 応力(複合応力、穴、溝、切欠き)
  • 加工精度(表面の仕上程度、表面処理、誤差範囲)
  • 使用条件(温度、腐食性、ガス、流体)
  • 保守点検・メンテナンス

具体例

材料A(引張強さ:600、降伏応力:400)がある。引張強さを基準として安全率4、降伏応力を基準として3とする場合を考える。