品質保証活動|品質基準を満たすための体系的なプロセス

品質保証活動

品質保証活動は、品質保証を実施する活動である。製品やサービスが規定された品質基準を満たすことを確実にするための体系的なプロセスといえ、製造部門や開発部門だけでなく経営部門、営業部門、保守部門など品質に関わる社内全部門で品質保証活動を行うことが重要である。社内全体で品質保証活動を行うことで問題が発生する前に予防し、顧客満足度を向上させ、企業の信頼性を高めるために不可欠な活動といえる。

品質保証活動の役割

品質保証活動の役割は、製品やサービスが設計段階から出荷まで一貫して、狙いの品質が達成されていることを確認することである。

品質保証活動のプロセス

品質保証活動は、計画、品質確保、品質確認、保守管理、情報共有の5つの活動で構成される。まず、品質基準や品質目標を設定し、それに基づいて製造プロセスを計画する。計画に基づき製造部門での工程について品質を追求する。できた製品は顧客との契約のもと品質を保守管理保証した上で、最後に関係者に情報伝達する。

計画

品質保証活動は計画を立てることから始まる。品質とは、顧客満足を達成することであり、計画する上で、顧客が要求する品質を把握し、製品コンセプトに盛り込む必要がある。また、製品コンセプトに基づき、具体的な製品の品質目標を定めて、仕様書や設計図に盛り込んでいく。もっとも重要なフェーズともいえ、企画部門、営業部門、開発部門、製造部門、保守管理部門など関わるすべての部門で共有しながら進めていくのが望ましい。

品質管理全体の計画

品質を計画する活動には、個々の製品やプロジェクトの開発計画以外に品質管理活動全体の計画がある。品質方針の策定や品質保証のシステム作りを行う。

品質確保

品質確保とは、顧客が求める品質を確保する活動である。製造工程で求める品質を満たす、資材や原料の調達、部品、製造装置、検査装置、洗浄、サプライヤーの品品質など、製造工程でのすべてのファクターでa href=”/品質”>品質の作り込みを行う必要がある。

品質確認

品質確認は、製造された製品やサービスの品質が満たされているかを確認する工程である。品質確認の主な手段として検査と調査がある。検査は、加工・組み立てそれぞれの工程で行われ、仕様書通りの品質が確保されているかどうかを確認する。調査は、顧客の立場に立った品質確認で、顧客に譲渡されたときの状態や顧客満足度・クレームを調査する。

保守管理

保守管理とは、顧客との保守契約に基づき、製品やサービスに関する補償をすることである。顧客に製品が入ってしまうと品質不全をおこしたときはすべて顧客の手に渡った時である。仕様に比べて製品が大きく劣っていたり、安全上の問題がある場合は、修理などの保守管理やクレーム対応が求められる。

情報共有

情報共有とは、品質保証に関する様々な情報を処理し、関係する部署に共有することである。たとえば製造部門で加工・組立困難があったときは開発部門と共有する、保守部門で製造不備があったときは製造部門との間で共有する、顧客の営業部門で顧客からの新しい要望や不満があったときは開発部門と共有する。定期的に部門をまたいだ検証とフィードバックを行い、改善点を見つけて対応していく。

DR

品質に関するデザインレビュー(DR)は、設計根拠を明確にして不良品を造らないことを目的とする。開発部門や製造部門を中心に品質に関する不具合品を検討する。議論する具体的な事項は、開発目標、開発・設計方針、基本設計・詳細設計、機能性能、安全性、信頼性、進捗確認を行う。DRにコストをかけることで未然に品質不全を防ぎ、後に発生するより大きなコストをゼロにする。

品質保証会議

品質保証会議は、品質問題の残存をゼロにし、品質不具合品を流出させないための会議である。品質保証のあり方や納入の可否についての議論を行う。DRより広い関係者で行われ、DRに比べて経営に関わる要素が大きい。

品質保証と品質管理の違い

品質保証は、品質の問題が発生する前に防ぐためのプロセス全体の管理を意味する。一方、品質管理は、製品やサービスが基準を満たしているかどうかを検査し、問題を発見・修正する活動である。それぞれの違いを意識して、対応を進める必要がある。

品質保証の重要性

品質保証活動は、製品やサービスの信頼性を高め、顧客満足度を向上させるだけでなく、コスト削減やリスク管理の効果も持つ。問題の早期発見と予防により、後工程での修正やリコールのリスクが低減される。

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