品質保証システム|品質管理の予防と改善に注力するシステム

品質保証システム

品質保証システムとは、製品やサービスの品質を一定の水準で維持・向上させ、品質問題を絶対発生させないためのシステムである。会社の各部門は、製品の企画設計、開発、製造、出荷、アフターサービスに至るすべての段階で、品質保証活動を実施するが、品質保証活動を組織的・効果的に実行できるように各部門の果たす役割を目的にする。

品質保証システムの概論

品質保証システムの基本原則は「予防」と「一貫性」にある。品質の問題を発生させる前に防ぐことを重視し、製品やサービスの品質が常に一定の水準を保つように管理する。品質保証システムによって、製品のライフサイクルである『調査・企画』『試作・設計』『生産準備(工程の計画・開発)』『生産』『販売・サービス』『販売後の活動』『廃棄リサイクル』の各段階で行われる品質保証活動を組織的に実施することを可能にする。

品質保証システムの実施

たとえば、企画部門・営業部門が「調査・企画」を終え、その記録を品質保証システムに残す。開発部門や量産部門はその品質保証システムを確認してから、製品の「試作・設計」を行い、その記録を品質保証システムに残す。次の『生産(工程の計画・開発)』で、また品質管理を確認し、記録を残す。保守段階でもそれを行い情報を共有する。

品質保証システムの構成要素

品質保証システムは、いくつかの主要な構成要素から成り立っている。まず、品質方針と品質目標の設定が必要である。これらは企業のビジョンや戦略に基づき、全社的に共有されるべきものである。また、品質マニュアルや作業手順書の作成、品質監査や内部監査の実施、教育訓練の提供なども重要な要素である。さらに、顧客からのフィードバックの収集と分析を通じて、継続的な改善を行うプロセスも含まれる。

品質保証体系図

品質保証体系図とは、品質保証システムを図で表示したもので、品質保証体系図を作りこむことによって品質保証システムを進めていく手法である。一例をあげると、縦方向に品質保証のステップ(または、製品やサービスのライフサイクル)を配置し、横方向には各部門を配置したマトリックスで表される。マトリックスの内部には、各ステップで、各部門が実施する業務が明記され、品質保証体系図は、品質クレームが発生した際に、品質保証システムそのものの欠陥を究明するのに役立つ。

ISO 9001と品質保証システム

品質保証システムの国際的な標準として、ISO 9001が広く採用されている。ISO 9001は、品質管理システムの要件を定めた国際規格であり、組織が効率的な品質管理を行うための枠組みを提供する。この規格に準拠することで、企業は顧客満足度の向上、リスクの低減、業務プロセスの最適化を図ることができる。

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