司馬遷|『史記』を書いた漢の最大の歴史家

司馬遷

司馬遷(前145頃~前86頃)は、前漢、武帝時代の歴史家である。父の後を継いで史官となる。前99年匈奴に捕らえられた将軍李陵(りりょう)を弁護して、武帝の怒りにふれ宮刑に処せられたが、以後、全力を傾けて『史記』130巻を完成した。

『史記』

『史記』は、中国最初の紀伝体の通史(全130巻)である。司馬遷が前104年頃着手し、10余年後に完成させた。黄帝より武帝(前122年)までを記した。12本紀・10年表・8書・30世家・70列伝に分かれる。慎重な記述と人間理解の深さは、史書の最高峰とされる。

散文

『史記』の多くの優れた散文が使われ、では、賦と呼ばれる美文体が成立した。また、文字も代の篆書に替わって、今日の漢字に通じる筆写に便利な隷書が普及することになる。

紀伝体

『史記』は紀伝体とよばれる特定の文体で書かれており、班固の『漢書』100巻と並んで中国正史の代表作である。

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