功利主義|倫理学,ベンサム,J.S.ミル

功利主義 utilitarianism

功利主義とは、行為の善悪の判断を、その行為が快楽や幸福をもたらすか否かに求める倫理観。功利とは、利益・快楽・善・幸福を拡大させることに役立ち、損・苦痛・悪・不幸を減少させることをいう。功利主義は、最大多数の最大幸福を掲げたベンサムや「満足した豚よりも不満足な人間のほうがいい」としたJ.S.ミルによって体系化された。なお、古代ストア派や中国の一部の思想家なども功利主義に近い考え方で知られる。

功利主義

功利主義

目次

功利主義における幸福と不幸

功利主義において正しい行為とは幸福を最大化することであり、正しくない行為とは社会全体の幸福を減らすことである。

幸福:快楽がある状態
不幸:快楽がない状態、苦痛のある状態。

帰結主義

行為の正しさを評価するには、行為の帰結を評価することに重点を置く。帰結主義では、その行為の結果を予測して導かれる結果により、その行為の正しさを問う。

幸福主義

行為が人々の幸福に与える影響こそが倫理的に重要な帰結として評価される。

総和最大化

功利主義では、一個人の幸福を最大化することを考慮し、人々の幸福の総和を最大になるように努める。各人を一人として数え、誰もそれ以上には数えない。

ベンサムの功利主義

ベンサムは、すべての人問が快楽と苦痛に支配されているという自然的な感情から出発して思索し、快楽や幸福を増大させる行為を是認し、苦痛や不幸をもたらす行為を否認する功利の原理を、道徳的判断の基準とした。

J.S.ミルの質的功利主義

J.S.ミルは、快楽には,低級なものと高級なものとの質的な差があるとする質的功利主義を説いた。ミルは、快楽を数量に計算するベンサムの量的功利主義を修正し、快楽に質的な差があることを認め、感覚的な快楽だけでなく、人間の尊厳や品位の感情にふさわしい高い快楽を求めるべきだという、質的功利主義を説いた。ミルの「満足した豚よりも不満足な人間のほうがいい」という言葉が有名である。