力
力とは、物体の運動の状態を変化させる原因である。力による運動状態の変化は、加えられた力の大きさと向き(方向)と作用した点(着力点)によって決まるベクトル量である。単位はNもしくはkgf。
力の単位
力の単位は、SI単位系でN(ニュートン)を用いる.1[N]は質量1[kg] の物体が1[m/s]の加速度で運動するように作用する力と定義される。もしくは、工学の分野では質量1 [kg] の重量1 [kgf] と表記することもある。(1kgf=9.8N)。
力の三要素
力は、ベクトル量のため力の大きさ、方向、着力点によって表されるが、これらの三要素を力の三要素という。力の作用した方向に直線を引き、その直線上に力の大きさと比例した長さを示し、矢印で方向を表す。
力のつり合い
物体が静止しているとき、外部からの力は働いていない。人が荷物を引くとき、荷重には摩擦力fが働くが、人が引く力Fが摩擦力fを超えるとき物体が動き出す。
合力
力はベクトル量のため、F1とF2の二つの力らが同時に働くとベクトルの和をとることができる。これを合力となる。
モーメント
モーメントとは、物体を回転させようとする能力のことである。単位はmN.「(力)×(力に直角な腕の長さ)」で表される。スパナでボルトを回すとき、スパナからのモーメントと、めねじの内面との間の摩擦力によるモーメントを受ける。この2つのモーメントが等しければ、ボルトは回転せず、スパナから受けるモーメントが摩擦によるモーメントより大きくなった時にボルトは回しだす。摩擦によるモーメントが大きいとき、腕の長さを長くすれば、スパナからのモーメントが大きくなり、ボルトを容易に回すことができる 。