分析哲学|言語の分析の哲学,ラッセル,ウィトゲンシュタイン

分析哲学  Analytic philosophy

分析哲学は現代の英米哲学で発展した20世紀の哲学運動。抽象的な観念によって思想体系を構築する従来の哲学を批判し、言語活動や哲学における命題を分析し、その命題が何を意味しているのかを明らかにすることによって問題の所在を明確にし、問題そのものを解消しようとする立場である。たとえば、「物はある」という命題について、物の実在を議論するのではなく、その命題がどのような意味で語られているのかを分析し、日常生活でその命題が持つ意味を明らかにする。イギリスのムーア、ウィトゲンシュタイン、ラッセルらなどから始まった。

ウィトゲンシュタイン
ウィトゲンシュタイン

目次

フレーゲ

19世紀に活躍した論理学者のフレーゲは、『概念記法』(1879)において、論理学に量化子と変数を導入し、量化理論を体系的に提示した。従来の論理学はアリストテレスが説いた論理学から大きな変化は見られなかったが、フレーゲの成果により、近代哲学で扱われた多くの問題にたいし、論理学という言語を分析する哲学が先行する学問として認識されるようになった。

ラッセル

ラッセルは数理哲学者として分析哲学の基礎を作った。『数学の原理』(1903)にて、イタリアの数学者ペアノの論理学体系から出発し、独力で論理学を創出し、純粋数学のすべての定理や概念は、論理学から導出できると主張した。

ラッセル
ラッセル

ウィトゲンシュタイン

ウィトゲンシュタインは、ラッセルの下で学んだ哲学者であるが、『論理哲学論考』(1911年)において哲学を言語研究するものだと主張し、言語は世界の像であるという写像理論を展開した。これはウィトゲンシュタインの前期の立場であるが、ウィトゲンシュタインの意味のある命題とは、世界の像である自然科学の命題だけであり、これまで哲学で扱われてきた神、倫理、宗教といった、形而上学的な命題は無意味な命題であった。『論理哲学論考』有名な「語り得ないものについては、沈黙しなければならない」という言葉で締めくられている。

ウィトゲンシュタイン
ウィトゲンシュタイン

論理実証主義

ラッセルやウィトゲンシュタインなどの分析哲学は当時の知識層に大きな衝撃を与えた。1920年のウィーンで科学によって世界をとらえようとする論理実証主義が勃興する。その中でもシュリック、カルナップ、ノイラート、ライヘンバッハ、ファイグルらが属するウィーン学団は、哲学の仕事は意味の分析であり、新たな事実の発見や世界全体について説明することではないと提唱し、分析哲学において多大なる成果を残した。

アメリカの分析哲学

アメリカでは、1940年代のオックスフォード大学でライル、オースティン、ストローソンといった分析哲学者が日常言語分析を展開し、大きな影響をおよぼした。かれらに続くように、ハーバード大学では、クワインやグッドマンが、ウィーン学団の影響下に言語の論理分析とアメリカ独自色の強いプラグマティズムとを結びつけた。彼らによって言語と存在論との関係についてのさまざまな刺激的な見解が提出された。


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