共感 symphaty|情動的共感,認知的共感,アダム・スミス

共感 symphaty

共感とは、他人の幸福や不幸を共に感じ、自己と他者とを結びつける社会的な共同感情で、同情とも呼ばれる。感情の読心能力ともいえ、人間関係を円滑に築くための基礎的な能力である。進化の過程で生まれた性質だと考えられるが、猫や犬などその他の動物にまで共感の概念が適応されるかは議論が分かれる。

共感

共感

目次

情動的共感

情動的共感とは、喜び、受容・愛情、怒り、恐れ、嫌悪の情動、もしくは痛
み、苦しみ、悲しみといった感情に関連した共感である。幼児が母親の言葉や表情から母親の喜びや愛情、もしくは不安や恐怖を読み取り共感する。また相手の表情や仕草を模倣することにより共感を呼ぶミラーリングなどが情動的共感に当たる。

認知的共感

認知的共感は状況によるもので、そのひとの背景や状況に反響して感じる共感である。病気や災害で苦しむ人に対する湧き上がる共感、一方で犯罪者に対して同情心が湧き上がらない感情を認知的共感という。

アダム・スミスの共感

資本主義経済の父であるアダム・スミスは、利己心に基づく自由な経済活動を推奨した一方で、共感・同情を道徳的判断の根本原理とする道徳感情論をとなえている。共感とは他人の悲しみを想い、自分も悲しくなるような道徳感情のことである。アダム・スミスは、各人の利己心を認めたが、第三者の立場にある公平な観察者の共感を得られる枠の内で行動する限りでのみ、利己的な行為が是認されるとした。そして、道徳の原理となる共感・同情をもとに、自由な経済活動の源泉となる利己心と社会正義と秩序を調和させた。

第三者の立場から、人びとの行動を眺める無私の見物人を、公平な観察者(impartial inspector)という。アダム・スミスが道徳的判断の基準としたもので、公平な観察者の立場に自分を置き、その公平な第三者からみても共感を得られる範囲の内で、利己心による利益の追求が足認される。公平な観察者の共感・同情が、その行為を是認する道徳的判断の基礎である、とした。