六角ボルト|基本と概要

六角ボルト

六角ボルトとは、頭が六角形の形をしたねじである。大きく呼び径六角ボルト、有効径六角ボルト、全ねじ六角ボルトに分けられる。スパナやレンチで締めることができる。建設分野や大型の機械に使用される。

六角ボルト

呼び径六角ボルト

呼び径六角ボルトとは、ボルトの軸部がねじ部と円筒部からなっており、円筒部の径がほぼ、呼び径に等しい。

有効径六角ボルト

ボルトの軸部の円筒部の径がほぼ有効径に等しいボルトである。

全ねじ六角ボルト

ボルトの軸部がすべてねじが切られているボルトである。

ワッシャー組み込みボルト

ワッシャー(座金)やスプリングワッシャー(ばね座金)が組み込まれているボルトで、組み立てが容易になり落下防止になる。

フランジ付きボルト

フランジ付きの六角ボルトは鋳造の段階で座金部分も合わせて作られているボルトである。ワッシャー組み込みボルトと同様、ワッシャーの落下防止に役立つ。

部品等級

部品等級とは、JIS B 1021(締結用部品の公差)に規定され、その精度によってA、B、Cの三つに分けている。

並目 細目 軸部および座面の公差 その他の公差
部品等級 A M1.6~M24 M8~24 呼び長さが10dまたは150mm以下 精(6.3a) 精(6.3a)
部品等級 B M27~M64 呼び長さが10dまたは150mmのいずれかをこえる 精(6.3a) 粗(12.5a)
部品等級 C M 5~M64 呼び長さが10dまたは150mmのいずれかをこえる 粗(12.5a) 粗(12.5a)

有効径六角ボルトの場合は、部品等級BのみでM3~M20である。
()は表面粗さを表す。

強度区分

材質は、鋼、ステンレス、非鉄金属などがある。

鋼の強度区分

ボルトの種類 部品等級 ねじの呼び
強度区分
呼び径ボルト
全ねじボルト
A・B d<3
3≦d≦39
d>39
5.6
8.8
9.8
10.9
呼び径ボルト
全ねじボルト
d≦39
d>39
4.6
4.8
有効径ボルト すべてのサイズ 5.8
6.8
8.8

ステンレス鋼の強度区分

ボルトの種類 部品等級 ねじの呼び
強度区分
呼び径ボルト
全ねじボルト
A・B d≦24
24<d≦39
d>39
A2-70
A4-70
A2-50
A4-50
有効径ボルト B すべてのサイズ A2-70

非鉄金属の強度区分

ボルトの種類 部品等級 ねじの呼び
強度区分
呼び径ボルト
全ねじボルト
A・B すべてのサイズ JIS B 1057
による
有効径ボルト B すべてのサイズ 同上

部品等級の公差

項目および形体 部品等級に対する公差
A B C
軸部および座面 精(close) 精(close) 粗(wide)
それ以外の形体 精(close) 粗(wide) 粗(wide)

おねじの公差

項目および形体 部品等級に対する公差
A B C
6g 6g 8g強度区分8.8以上に対しては,6gとする.

頭部の形体

項目および形体 部品等級に対する公差
A B C
①二面幅 s≦30…h13
s>30…h14
s≦18…h14
18<s≦60…h15
60<s≦180…h16
s>180…h17
②対角距離 e min=1.13s min
ただし、フランジ付きのボルト、ねじ、ならびにトリミングをしない冷間加工によるものの頭部には、次の値を適用する。e min=1.12s min

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