ロゴス|言葉,論理,理性

ロゴス logos 言葉・定義・命題・論

ロゴスは、言葉、論理、理性、理論的説明、定義、命題などをあらわすギリシア語。ミュトス(神話)による世界の説明が確かめられないことに対して、ロゴス(理性)は物事を論理によって考え、真理を論証することにより、古代ギリシアの哲学者はロゴスによって説明することを好んだ。古代ギリシア人は、世界はカオス(混沌)ではなく、法則が支配する秩序あるコスモス(宇宙・調和)と考えた。世界を支配する法則であるロゴスを、人間にそなわる内なるロゴス(理性)によって把握し、世界を統一的・合理的に理解しようとする営みから哲学が生まれた。

目次

ロゴスとは

  • 「拾い集める」という意味のギリシャ語の動詞legeinの名詞であるロゴスlogos。「秩序」や「比例関係」を示す。
  • ロゴスlogos「言葉」。monolog(独白)、dialog(対話)
  • 論理
  • (論理を理解するための)理性
  • (神話ミュトス対する)理論的説明

ヘラクレイトス

ヘラクレイトスにとって、宇宙は常に生成流動し、生と死、快と苦、昼と夜といった対立に支配されているが、ロゴスはそれを貫き、それらを結合し、調和へともたらす根源的な力である。

  • 「万物はロゴスに従って生じる。」
  • 「いっさいがロゴスに従って生ずるにもかかわらず、(人々はそれを理解しない)」
  • 「ロゴスは公共のものであるのに、たいていの者どもは各自の思惑に閉じこもって生きる」
  • 「わたしにではなくロゴスに耳を傾けて、ひとつのものが万物をあらしめていること(ヘン・パンタ)をそのままに認める(ホモロゲイン)ことが知というものだ。」

ストア派のロゴス

ストア派にとってロゴスは万物生成の原理となる。根源的実在である「気息」がそれぞれに分かれて「種子的ロゴス(logos spermatikos)」となり、万物に生命と秩序を与えるが、それは人間の魂の内にも宿る。そして人間にとっての正義は宇宙を貫くに従って生きるところにある。

『ヨハネ福音書』

「はじめにロゴスがあった。ロゴスは神とともにあった。ロゴスは神であった。・・・そしてロゴスは肉体となり、私達のうちに宿った。」

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