モバイルクラッシャ|高機動・高生産の移動破砕機

モバイルクラッシャ

モバイルクラッシャは、自走式あるいは牽引式の架台に一次破砕機・ふるい・搬送設備・発電/油圧ユニットを一体搭載した現場向け粉砕設備である。解体がれきや岩石を現場で破砕し、その場で再資源化骨材を得られるため、運搬コストの削減、工期短縮、CO2排出の低減に寄与する。近年はハイブリッド駆動や粉じん抑制機構を備え、都市部やトンネル坑口など制約の厳しい環境でも運用できる。

構成と作動原理

モバイルクラッシャは、原料受けのホッパとグリズリフィーダ、破砕機本体、再循環可能なスクリーン、排出用のベルトコンベヤ、そしてディーゼル/電動の動力源で構成される。フィーダが供給量と偏析をならし、破砕室で圧縮・衝撃・剪断が作用してサイズダウンする。スクリーンで粒度を選別し、過大粒は破砕機へ戻し、適粒は製品として排出する。

  • ホッパ/フィーダ:安定供給と金属除去(マグネット)
  • 破砕部:ジョー・コーン・インパクトの各形式
  • 分級部:単段または2デッキ以上の振動スクリーン
  • 動力部:ディーゼル直駆/電動化/ディーゼル-エレクトリック

方式の種類

ジョークラッシャは固定顎と動顎で岩石を圧縮破砕し、一次破砕に適する。コーンクラッシャは円錐状ライナ間で連続圧縮し、硬質岩の二次~三次破砕に強い。インパクトクラッシャはロータのブローバーで衝撃破砕し、角ばりの少ない立方状粒形を得やすい。現場の原料硬度、含水、最大塊径、要求粒度により形式を選定する。

破砕段の役割

一次破砕は大塊の受け入れと粗粒化、二次は粒度の整形、三次は最終粒度の追い込みを担う。移動式では一体機で二段を賄う構成が一般的で、再循環により過大粒の残存を抑える。

走行方式と機動性

クローラ走行は不整地での自走設置に優れ、ホイール/牽引式は公道移動と設置の簡便さに強みがある。輸送時の全幅・全高・総重量、道路法令、搬入経路のRや傾斜を事前に確認する。リモート操作や自動レベリングは安全な据付に有効である。搬入補助としてブルドーザやショベルカーと併用し、安定した供給床と安全通路を確保する。

設置時の留意点

地耐力と傾斜、落石・転落リスク、退避動線、夜間照明、近隣への騒音伝搬を評価する。支持マットや防音パネル、消火器配置、非常停止系の点検を標準化する。

処理能力と主要仕様

処理能力は一般に50~500 t/h程度で、原料と設定条件に依存する。重要仕様は給入口寸法、ロータ径/ストローク、スクリーン面積、排出口設定(CSS/開度)、シャーシ重量、燃費、電源インターフェースである。ディーゼル-エレクトリック方式は外部電源や蓄電と組み合わせて燃費と応答性を両立できる。

  • 最大受入粒径:~600~1000 mm(形式による)
  • CSS(closed side setting):製品上限粒径の主要因
  • スクリーン:メッシュ選定で粒度分布と歩留まりを制御

機種選定の指標

  1. 原料の硬度・磨耗性・含水・泥分
  2. 要求粒度と粒形(立方状/フラット比)
  3. 現場制約(騒音、粉じん、電源、搬入規制)
  4. メンテ体制(消耗品納期、交換容易性、工具/ボルト規格)

品質管理と分級

製品の粒度分布はスクリーン開口と破砕設定の相互作用で決まる。再循環率を最適化し、過粉砕を抑えつつ目標通過率を満たす。鉄筋混入材ではプリスクリーンとマグネットで金属分を除去し、ロータ損傷と火花を防ぐ。骨材としての利用時はコンクリートアスファルト配合規格に照らして品質確認を行う。

粉じん・騒音対策

散水ノズルと微霧、エンクロージャ、負圧ダクトで粉じんを抑制し、投入点/落差点にはスkirtingを設ける。ライナ衝撃音は充填率の適正化とライナ形状で低減できる。近隣対策として運転時間帯、仮設遮音、走行路整備を合わせて実施する。

メンテナンスと消耗品

ジョープレート、ブローバー、ハンマー、コンケーブ/マントル、スクリーンメッシュ、コンベヤベルトは代表的な交換部品である。締結の緩み、ライナ摩耗、油脂・油圧の状態監視を日常点検に組み込み、予防保全で停止ロスを抑える。部品の標準化と在庫最適化はライフサイクルコストを左右する。

  • 日常:目視点検、異音/振動、漏油、ボルト増し締め
  • 週次:フィーダ/スクリーンのクリアランス、チェーン/ベルト張り
  • 定期:ライナ摩耗限、軸受グリース、油圧フィルタ交換

安全と運用の要点

投入ホッパへの立入禁止、L/O/T/Oの徹底、金属混入時の自動逆転やトランプリリーフの活用、監視カメラと非常停止の死角解消が要点である。起動はフィーダ停止→破砕起動→フィーダ投入の順、停止は逆順が基本で、詰まり時は無理な押し込みを避ける。供給は一定量を保ち、偏析・細粒過多・泥詰まりを抑えて安定した粒度と処理量を確保する。

建設副産物の再資源化

モバイルクラッシャは解体構造物からの再生骨材製造に適し、鉄筋の分離、細骨材の補正、現場内再利用により運搬量を削減する。舗装更新では再生材を現地で生産し、路盤へ戻す循環が可能である。適切な粒度管理と品質証明は、構造性能と耐久性の担保につながる。

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