ヘーゲルの精神

ヘーゲルの精神

へーゲルにおいて、精神とは、歴史的・社会的世界の中で自己を展開していく普遍的な精神をさす。へーゲルは、観念論の立場から、すべてのものの根底を固定的で不動の客体的な実体ではなく、自由を本質とする主体的な精神(主体)と考えた。精神は現実世界の中でみずからを実現する理念であり、現実の中で外化した自己を反省することによって自己へと返り、自己を知って自己のもとに自覚(自己認識)的にとどまり、自由を実現する運動である。普遍的な精神は、個人の意識を自覚の契機としながら、個人をこえて民族や国家の中で具体的に自己を実現し、最終的には自己を対象として純粋に意識する、完全に自由な絶対精神へと高まる。

ヘーゲル

ヘーゲル

『精神現象学』ヘーゲル

真なるものは体系としてのみ現実的であるということ、あるいは実体は本質的に主体であるということは、絶対者を精神として語る考え方のうちに表現されている。この「精神」というのは、もっとも崇高な概念であり、われわれに近い時代とその宗教とに属する。-精神的なもののみが現実的なものである。
それは、まず実在としては、それ自身においてあるもの、すなわち即自的存在である。
他方、特定の関係のなかに身をおき、規定されているもの、他としてあり自分に対してあるもの、すなわち対自的存在である。そしてさらに、このように規定され自分のそとにありながら,自分自身のうちにとどまっているものである。すなわち即自的・対自的にある。