チェーン

チェーン

チェーンは、鎖状のチェーンをスプロケットの歯に引っ掛けて動力を伝達するもので、ベルトと似た機能を持つ。滑りがないため、ベルトに比べて確実性、効率性が高くより大きなエネルギーを伝えることができる。鋼製で低速・重荷重用として用いられるローラチェーンや、高速回転時の騒音を減らしたサイレントチェーンがある。バイクや自動車、チェーンコンベア、エスカレータ、ジェットコースターなど幅広い分野で使われる。

チェーン伝達の特徴

  • 滑りがなく、運動や力を確実に伝えることができる
  • 比較的長い軸間距離の場合にも使用できる
  • 大きな速度比を伝えることができる
  • 初張力を必要としないので、ベルトに比べて軸受部の負担が軽くなる
  • 歯車と比較して衝撃吸収能力がある
  • 多角形運動による速度変動がある
  • 潤滑が必要で摩擦で伸びが出てしまう

チェーンの歴史

チェーンの歴史は古代ギリシャローマ帝国からすでに存在していた痕跡がある。現代のチェーンに近い形を構想したのはレオナル・ド・ダヴィンチといわれており、歯車とともにチェーンのスケッチも残されている。ただし、当時の加工技術では、実現することができなかった。1889年、フランスのメデェール・ガルが伝動用チェーンを実用化した。自転車や貨物用として使われる。のちにイギリスのハンヌ・レノルドが伝動用チェーンの実用化に成功し、現代のチェーンの起源となる。1889年、フランスのバナールが自動車の後輪を動かすために使った。1903年には、ライト兄弟が飛行機に利用されている。日本では、第一次世界大戦の際に、チェーンの輸入ができなくなったことから、チェーン伝動の歴史が始まった。

チェーンの基本構造

チェーンは、プレート、ピン、ローラによる部品構造とし、回転軸側の円板の周囲を歯車状にしたスプロケットとかみ合わせて回転運動を伝達する。プーリ・ベルトに比べて、滑りによる伝導効率の低下が解消され、長さ調節が可能である。

物の運搬

チェーンにはものを運ぶという機能を利用することも多い。チェーンを構成する部品であるプレートに用途・目的に応じたアタッチメントをつけることで、チェーンコンベアとして使われる。

ベルトとの違い

ベルトとプーリでは、摩擦力で回転運動を伝達する構造となっているが、二つの回転速度や間隔、プーリの直径の差から滑りが発生し、回転運動伝達効率が悪くなる。チェーンでは、スプッととのかみ合わせで回転運動を伝達するため、滑りによる伝導効率の低下が解消され、長さ調整が可能である。

ローラチェーン

ローラチェーンは、自転車のチェーンで知られたローラチェーンで、その仕組み・構造は、外プレートとピンで構成される外リンクと、内プレートとブシュ・ローラで構成される内リンクを交互につなぎ合わせる。スプロケットと呼ばれる回転軸に取付けた歯をチェーンにかみ合わせることにより、回転運動を伝達することができる。

スプロケット

スプロケットは、ローラが収まる部品である。スプロケットの歯底は、ローラより大きい半径の円弧になっている。歯形はチェーンがスプロケットとかみ合うとき、ローラが干渉しないようになっている。歯形は一般的に使われているS歯形に加え、U歯形、ISO歯形がある。

サイレントチェーン

サイレントチェーンは、ローラチェーンがもつ金属同士のかみ合いによる騒音の対策を施したチェーンである。歯車の歯の形状に用いられるインボリュート曲線に基づき、プレートの形状がスプロケットの歯形に合わせた形状になっている。そのため、各リンクがスプロケットの歯に常に密着しているため、騒音を抑えることができる。また、ローラチェーンよりもコンパクトになるため、省スペース化にも役立つことができる。主に自動車やオートバイのエンジン部分に使われる。

リーフチェーン

リーフチェーンは、いくつかのリンクを交互に重ね合わせてピンで連結したチェーンである。一般に軽荷重用のAL形と重荷重用のBL形の2形式がある。他のチェーンと違い、スプロケットではなく専用の滑車を用いて動力を伝達する。シンプルな構造で引張強度が強いため、フォークリフトなどに利用される。

コンベヤチェーン

コンベヤチェーンは、ものを運ぶために、プレートに取付け可能なアタッチメント加工を施したチェーンである。搬送のために鋼板やバケツなどを取り付ける。もとは、炭鉱の歴史とともに開発されたが、現代は、用途や目的に応じて、コンクリート、薬品、食品、自動車、食品などに利用され、あらゆるものの運搬の合理化に役立っている。

潤滑

チェーンは油浴や潤滑ポンプによる強制潤滑を行う。ちりやほこりへの対策や危険防止のためのカバーも必要である。なお、低速の場合は、適下潤滑で事足りる場合やオイルレスのチェーンなどもある。