ゼノン|ストア学派,アパテイア,自然に従って生きよ

ゼノン|ストア学派,アパテイア(不動心),自然に従って生きよ,古代ギリシア

ゼノン(ストア学派)は古代ギリシアの哲学者。禁欲主義者。キプロス島の貿易商人で30歳ごろ、航海中に難破して以降、アテネに移住した。商人であったが、クセノフォンの『ソクラテスの思い出』に影響されて哲学を志したと伝えられている。自然哲学者のエレア学派のゼノンと区別して、ストアのゼノンと呼ばれている。ゼノンは世界を支配しているのは理性と考え、人間も自らの理性に従って情欲を抑えるべき、という禁欲主義と考えた。そして、なにものにも動揺しないアパテイア(不動心)を説くとともに、理性は世界を支える原理であり、理性に従う(アパテイア)べきと説いた。

ストア学派のゼノンの年表

前335年 キプロスにM生:
前313年 アテネで師に学ぶ。
前301年 ポイキレー-ストアで講義。
前263年 死去。

禁欲主義(stoicism)

ゼノン(ストア学派)は、理性によって感情や欲望を抑制し、理想の境地に到達する ことを説いた。

世界市民 (コスモポリテース)

アレクサンドロス大王によってギリシアが占領された。大帝国の出現は、ポリス(共同体)の解体を意味するが、ポリス(共同体)を失った人々は、ポリス(共同体)のなかの市民ではなく、世界の個人として孤立的に生きる存在、つまり世界市民(コスモポリテース)となった。戦争と混乱の続くようになり、客観的真理を求めるより、どのように生きるべきか、という思想に人々の興味は集まる。また、世界(コスモス)をポリスとする市民の構想を、世界市民主義(コスモポリタニズム)という。

アパテイア(不動心)

自然(理性)に従って生きることの究極のあり方をアパテイア(不動心)の境地である。アパテイアをもつ者は、悲しみや恐怖、欲望に打ち勝ち、正しい決断と行動を選択して、穏やかな生を過ごすことができるとした。混乱する時代に、死や災難を受け入れ、それに耐える力をもつことが,優れた者の生き方であるとするストア派の思想は、ローマ時代の皇帝たちに支持された。

生の目的は「自然と整合的に生きること」である・・・これは、実に「徳に従って生きること」と同じことなのである。なぜなら、自然は徳を目標にわれわれを導いて行くからである。・・・それは、自分を自然の状態に保つことであり…自然に即してあるものは持ち続け、その反対は斥けることだ、ということになる。・・・ついでその選択が絶えず繰返されて、終わりには、それは首尾一貫した、しかも自然と整合したものとなる。そして、かかる選択にまで進んで初めて、その中に真実“善”と呼ばれうるものが内在するに至り、その善の何たるかが理解され始めるのである。……この最高善は、ストア派の人々が整合的生と呼び、そして、よければ、われわ
れが一致した生と呼んでいるものの中に置かれているのである・・・。

ストイックの語源

英語のストイック(stoic)の語源はストア派に由来する。

自然に従って生きよ

ゼノンは理性に従い魂の徳を求める生き方を説き、「自然に従って生きよ」という言葉が伝えられている。