セルフ・エスティーム(自己肯定感) Self-esteem
セルフ・エスティームは、自己肯定感という意味で、自分を正当に評価する意識を持つことをいう。しばしば教育において使われる言葉で、自己評価の高い子どもは何事にも積極的に自信を持って取り組むことができる一方、自己評価の低い子どもは自信を失って消極的になり、自分など存在しなくてもよいという自己否定におちいる場合もある。この時、学校や社会から引きこもりになることも多い。セルフエスティームを高めるためには、自分を見つめ直し、自分の役割を知るとともに友人に役に立っていることを知り、自分の個性と多様な価値観を認める。そして他者とのかかわりと感謝を持ち、自分への可能性を感じることこそが大切である。
不登校の子どもや社会的ひきこもりの若者たち
不登校の子どもや社会的ひきこもりの若者たちはセルフ・エスティームが低い場合が多い。このケースの場合、自尊心が傷つけられることや他者に受け入れられないことへの不安が大きく、学校や社会にでていくことが臆病になる。外的要因としては、競争的な学校環境や非人間的労働環境がその背景となっており、内的要因は他者とのコミュニケーションや彼自身の価値観や考え方によるものがある。これらふたつの要因はどちらか一方というわけではなく、相互的に絡み合い、その解決は深刻なものとなっている。そして、一度、不登校や社会的ひきこもりの状態に陥ると、それ自体が原因となり、学校や社会への参加を困難とし、学習や労働、人間関係を得ることができなくなっている。時間経過と比例して、自己否定はますます強くなり、「ダメな自分」を人前に出せなくなりより一層社会を拒絶する。
セルフ・エスティーム(自己肯定感) を育む
セルフ・エスティームとは、自分自身を価値あるものだと感じることであり、自らの長所や短所すべて含めてありのままの自分を好きだと感じ、自分を大切に思うことである。セルフエスティームが低いケースの要因は自分のことをよく思えないだけでなく、他者とのコミュニケーションが欠如している場合も多い。したがってセルフ・エスティームを向上させる場合、他者とのふれあいの中で自分を見つめ直す方法や習慣が大切だと考えられている。
- 学校(会社)、家庭以外の自分の居場所と思える場所を作る
- ありがとう、こんにちは、など日常から挨拶と親しむ環境を作る
- 自分の思い(他者の思い)を発表しやすい場を作る
- ボランティアなどの活動を行い、そのビデオや写真を取るなどして客観敵に行動を見直し、評価する環境を作る
- 日記やSNSなど「書く」作業を通じて自分を見つめ直す