カテゴリー|カント

カテゴリー

認識論におけるカントの用語で主観が先験的にそなえている思考の形式・枠組みを指す。主観は、感性に経験的(アポステリオリ)に与えられた多様な感覚的印象を、先験的な悟性の思考形式(カテゴリー)のもとに包摂し、その枠組みの中で統一して対象を構成する。カテゴリーには、原因と結果、実体と属性、実体に属する性質などがある。

カテゴリー(分量,性質,関係,様相)

カテゴリー(分量,性質,関係,様相)

カテゴリー

悟性における先験的な概念をカントは純枠悟性あるいはカテゴリーと名づけた。悟牲とは直観の多様を総合して判断を成立させる能力であるから、判断形態の存するだけカテゴリーが存在する。

純粋統覚

これらのカテゴリーが先験的でありながら、いかにして客観的妥当性をえるか。カントによると、我々の意識がその瞬間、瞬間に断片的なものにならないことから、「われ思う」という意識の統一があらゆる認識の根底に存していなければならない。この意識の統一の働きを純粋統覚と名付けた。

意識の同一性

直観によって与えられる多様な表象は、カテゴリーを通して秩序づけられることに よってのみ、意識の統一のもとにもたらせられる。このように直観における多様に総合的統一を与えるところのものがカテゴリーに従った悟性の働きであり,そこに始めて意識の同一性が成り立ち、認識が可能になるとすれば、通常、単に直観によって成り立つと考えられている知覚でさえ、すでにこうした総合によって成立する。言い換えれば、知覚が単なる雑多ではなく統一を含む限り、自己意識の先験的統一を予想するものである。したがって我々の知覚は、悟性によって初めて可能となるものと言わねばならない。このようにカテゴリーは我々の感性に対して、現れる対象に対して、すベて先験的に妥当するということができる。

力テゴリーは感性的直観と結びついて始めて意義を持つ

カテゴリーは直観の多様に統一を与えるものとして先験的なものでありながら、客観性を持つことできるのである。しかしそれは直観と結合しなくては認識として成立しない。そしてその直観は感性的直観のみであり、力テゴリーは感性的直観と結びついて始めて意義を持つことができる。

①分量のカテゴリー

分量のカテゴリーとは、「すべての直観は外延である。」ということ。空間的・時間的な直観の対象は必然的に空間的延長または時間的延長を持つということである。(「直観の公理」の原則)

②性質のカテゴリー

性質のカテゴリーとは、「すべての現象において感覚の対象である実在的なものは内包すなわち度を有する」ということ。すべての経験的対象の持つ経験的・感覚的性質は必ず度を有しているということである。(「知覚の予料」の原則)

③関係のカテゴリー

関係のカテゴリーによって、カントが「経験の類推」の原則と称する実体性、因果性、相互性が成立する。
実体性のカテゴリーによるものは、「現象のあらゆる変易にもかかわらず実体は持続し、その量は自然において増減しない」ということである。(「実体持続の原則」)
因果性のカテゴリーによるものは、「すべての変化は因果連結の法則に したがって生起する」ということである。(「因果律に従える継起の原則」)

相互性のカテゴリーによるものは、「すべての実体はそれが空間中に同時に存するものとして知覚される限り、すべて交互作用をする」ということである。(「交互作用に従える同時存在の原則」)

④様相のカテゴリー

様相のカテゴリーによって、カントが「経験的思惟一般の公準」の原則と称する可能性のカテゴリー、現実性のカテゴリー、必然性のカテゴリーが成立する。
可能性のカテゴリーによるものは、「経験の形式的制約と一致するもの は可能的である」ということである。
現実性のカテゴリーによるものは、「経験の質料的制約と連関するもの は現実的である」ということである。
必然性のカテゴリーによるものは、「現実的なものとの連関が経験の普遍的制約にしたがって規定されているものは必然的である」ということである。