コント|社会学,実証主義,社会有機体説

オーギュスト・コント  Isidore Auguste Marie François Xavier Comte 

コント(1798年1月19日 – 1857年9月5日)は、フランスの哲学者、社会学者。社会学の創始者、実証主義の完成者である。モンペリエに生まれ、パリの理工科学校で学び、サン=シモンから影響を受ける。『実証哲学講義』を刊行して、フランス革命後に思想的・道徳的に無秩序状態におちいった社会に、実証主義の思想による新しい秩序を与えようとした。人間の知識の発展段階を、,神学的段階・形而上学的段階・実証的段階の三つに分ける「三階の法則」を説いた。そして、社会の進歩もこの三段階に並行して、軍事的(聖職者と軍人の支配)・法律的(哲学者と法律家の支配)・産業的(科学者と産業家の支配)の三段階に分かれる。
晚年は、個人は人類から抽象されたものであり、人類こそ最高の実在であるとし、人類への愛と尊敬を説く人類教をとなえた。

オギュスト・コント

オギュスト・コント

コントの生涯

フランスのモンペリエに生まれ、幼少期よりすでに天才としての評価を受け、特にラテン語と数学に精通していた。1814年にパリのエコール-ポリティニックに入学。パリで数学の私塾を開き、生計を立てた。19歳から社会主義者サン=シモンの秘書となり大きな影響を受けた。その後、自宅で実証主義の講義を始めるが、心的過労、家鹿不和のため精神に異常をきたし、精神病院に収容されている。また29歳の時、投身自殺を企てるなど、結婚生活は17年間で破綻することになる。31歳の時に実証主義の講義を再開し、その年の秋に完結する。それをまとめたものが代表的著作である『実証哲学講義』6巻である。

神学的段階、形而上学的(哲学的)段階、実証的段階

コントは超経験的なものを排して、経験的な観察によって現象の内にある法則を探求する実証
主義の立塭に立ったことで知られる。人間の知識は超自然的な神学的段階.形而上学的段階をへて、合理的精神に基づく実証的段階へと発展するとし、その精神の発展に対応して、社会は軍事的、法律的、産業的という段階をへて発展するとした。

神学的段階

事実の発生の原因として、神などの架空の存在を想像する段階。フェティシズム(物神崇拝)・多神教・一神教などの形態がある。

形而上学的(哲学的)段階

事実の背後にその起源や目的となる抽象的な実在を思索する段階。

実証的段階

事実の背後に抽象的な実在を仮定することなく、事実をありのままに観察し、事実を事実によって説明し、事実のあいだに恒常的な法則をとらえる段階。事実に還元できない命題は一切認 めず、自然法則に基づいて将来存在するであろうものを予見する。数学・天文学・物理学・化学・生物学・社会学などの学問をさす。人類の進歩の最高の段階とされ、これには人問が科学技術によって自然を征服する産業的段階が対応する。

社会有機体説

コントは、社会を1つの有機体と見なす社会有機体説の立場にたち、社会学を創設した。知識の三段階において、最高の段階である実証的段階であることをふあえ、社会学を最高の科学であるとした。

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