アポステリオリ(後天的・経験的)
アポステリオリとは、経験に基づき、経験から得られた認識。これに対し、経験に由来しない、生まれながらの認識をアプリオリという。
カントの認識論
認識がすべてアポステリオリ(経験的)なものであるものであるなら、ヒュームが示した通り、決して普遍的・必然的認識に到達することはできない。経験的認識はある事象が、「こういう事実がある」ということは教えるが、なぜその事象が「必然的にこうでなければならない」という理由は決して示すことができない。また、われわれがこれまで観察したり限りにおいては「こういう事実がある」ということは教えるが,その外のすべての場合にも普遍的にそうであるということは示すことができない。
したがって、カントは認識が必然性・普遍性を持ちうるとするなら、このことは我々自身のうちにアプリオリ(経験に先立つ)な認識形式が存在しなければならないことを示す結論に至った。