ねじ部の長さとねじ穴の深さの計算
ねじとねじのかみ合いの長さの決定方法は、多くのエンジニアの経験則の方法として、ねじサイズの0.8d(あるいは3ピッチ以上)で決めることができる。この方法は簡易なため多く利用される。ただし、小さすぎるねじや大きすぎるねじ、または大きな荷重がかかるときや部材が柔らかい素材のときなど、例外も多くあるため、注意が必要である。
ねじのピッチからねじ部の長さを決定
板金などの薄い板や肉薄な器などにねじ穴を作る場合、十分なねじ深さを確保できない。その時は、最低なねじ深さとして、3ピッチ以上が目安とされている。
ねじサイズとピッチとねじの最低深さの一覧表
ねじサイズ | ピッチ | ねじ穴の最低深さ |
---|---|---|
M3 | 0.5 | 1.5mm |
M4 | 0.7 | 2.0mm |
M5 | 0.8 | 2.5mm |
M6 | 1 | 3.0mm |
おねじとめねじの面
ねじとめねじは下記の図のように山と谷がかみあうようにして締結している。接するねじ山の面に押しあたることによって締結力を発生させることができる。
ねじとめねじのはめあっているネジ部の長さ
ねじとめねじのはめあっているねじ部の長さhは下記の式で表される。
互いにはまり合っているねじ山の数
ねじ山の数nは、はめあっているねじ部の長さをピッチで割ることで計算される。
ねじ山に働く面圧力
ねじ山には下記のように圧力がかかっている。
ねじ山の許容圧力
ねじ山の許容圧力の目安は下記である。
おねじ | めねじ | 締結用 | 移動用 |
---|---|---|---|
軟鋼 | 軟鋼または青銅 | 30 | 10 |
硬鋼 | 軟鋼または青銅 | 40 | 13 |
硬鋼 | 鋳鉄 | 60 | 5 |
[参考]ナットを参考にする
簡単に判断できる基準はナットの厚みで、一般的に流通しているナットの厚みは、おおよそねじ径の寸法となっており、それに合わせるとよい。