進捗管理|進捗を監視・監督すること

進捗管理

進捗管理とは、マネージャーにより設定されたプロジェクトや業務に対して計画を立案し、その計画通りに進んでいるか、その進捗を監視・監督することである。単なる監視にとどまらず、問題発生時のフォロー、メンバーのモチベーションの向上、チームの能力の最大化が求められる。適切な進捗管理ができていないと、スケジュールの遅延や品質の低下を招き、企業の信頼失墜につながる。

進捗管理の定義

進捗管理とは、期限までにどのように仕事を行うかを設定した上で順調にその予定が進捗しているかを管理すること。

は・き・も・の

「は・き・も・の」とは、背景、期限、目的、能率の頭文字をとったもので、この四つの要素を管理・監督することで進捗管理を進めていく。

背景

マネージャーはこの業務をなぜ行うのかの背景を十分に承知しなければならない。実務者はそこをおろそかにすると効率的な業務を進めることはできない。

期限

1つ1つのタスクに期限を設け、各タスクの内容を1つ1つ確認する。マネージャはプレイヤーがスケジュール通りに進んでいるかを確認し、遅延している業務があればサポートを行う。プレイヤーはマネージャに進捗をこまめに報告し、問題があれば早めにサポートを聞くことも必要である。

目的

すべての業務には目的があり、マネージャーはプレイヤーに周知させなければならない。どのような理解や技術、結果を求めているかを明確にし、プレイヤーはその意図を正確にくみ取ろうとする関係が極めて重要である。

能率

能率とは、振り分けた業務や案件を期限までにどのような負荷で実施するのかを決める必要がある。負荷を見える化し、チームで共有することで、効率的な業務を進める必要がある。

進捗管理の実施方法

進捗管理において、以下の点に注意する必要がある。

計画の立案

マネージャーはプロジェクトの計画段階で全行程を把握したうえで計画の立案するのが理想である。ただし、想定外の課題が発生することは十分に考えられ、計画通りに進まないことも多い。計画段階で、数日程度の余裕を設けることが望ましい。早期に開始をすることで時間的余裕をもたせ、後のトラブルでのロスをカバーしなければならない。

タスクの細分化

進捗管理では計画の流れに沿った形で、タスク(やるべき項目)を細分化して計画を立案するのが望ましい。タスクはすべて作業レベルまで落とし込み、メンバーによってアウトプットの品質が異ならないようにする。「いつ」「誰が」「どの工程を担当するか」「いつまでに完了させるのか」をチームで共通する。メンバーの力量や難易度もばらつくことが多いため、問題を早く見つけ、すぐに対策を講じるとよい。

時間的な振り分け
  • 長期計画:スタートからゴールまでのタスクを見る。
  • 中期計画:節目節目での進捗を確認する。
  • 短期計画:一周間あるいは1日のタスクの計画を立てその進捗を見る

進捗管理ツール

進捗管理は、アローダイアグラムやガントチャートなどの進捗管理ツールを使うことで、作業状態を視覚的に把握する。計画と実績のずれを早期に認識し、必要な対策を講じることができる。

問題の早期発見

進捗管理は、問題の早期発見が目的の一つである。進捗管理の過程でタスク量や工数、優先順位を明確化していく。対応の抜け漏れが発生したとき、可能な限り早く気付き、トラブルへの対処を迅速に行う。例えば、タスクの遅延をいち早く気付き、早期にチーム内の業務バランスを見直しことでスムーズに進めていく。

コミュニケーションの重要性

進捗をただ管理するだけではなく、メンバーと密にコミュニケーションをとり、現在どのような問題が発生しているのかを把握する必要がある。管理者は問題から難易度を想定し、設定した工数で完了が可能かどうかを予測する。メンバーはマネージャーにより設定された工数を見ながら、難易度が高い場合や時間がかかる場合は、すぐにマネージャーと相談し解決策を求める。マネージャーとメンバーが密にコミュニケーションをとることで目標に向かってプロジェクトを進めていく。

モチベーション向上

マネージャーはプロジェクトの目的や納期をチームに共有し、進捗を管理するとともに、課題発生時に適切な対策を講じる役割を担う。作業工程やスケジュールを可視化し、目標達成までの進捗状況を明確にすることでメンバーのモチベーションを高める。

完了後の分析

プロジェクトの完了後、一連の進捗管理状況を振り返り、分析・改善を試みる。継続的な改善を積み重ねることでマネージメントの制度を高める。

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