負荷開閉器|配電設備で負荷電流を安全遮断

負荷開閉器

負荷開閉器(Load Break Switch, LBS)は、定格負荷電流を安全に開閉できる中圧配電用スイッチである。短絡遮断を担う遮断器と異なり、負荷開閉器は負荷時のアークを抑えつつ回路を開放し、設備の切替・分岐・保守分離を実現する。6.6–22kV級のキュービクル、RMUで用いられ、手動のほかモータ駆動に対応する。

機能と位置づけ

負荷開閉器は「負荷電流の開閉」と「無電圧時の断路」を担う。断路器は無負荷のみ開閉でき、遮断器は短絡まで遮断できるが、負荷開閉器はその中間に位置づく。過電流保護が必要な回路では限流ヒューズと組み合わせたLBS+FUSE(FLBS)とし、負荷電流は負荷開閉器、短絡保護はヒューズが担当する。

構造と消弧方式

構成は移動接点・固定接点・アークシュート・絶縁媒体である。消弧方式には空気吹付け(パッファ)、SF6ガス、真空ボトル。SF6は高性能だが環境負荷があり、真空式の採用が増える。操作機構はばね蓄勢で高速開閉し、目視の開放ギャップ、接地開閉器を備える。

主要定格

  • 定格電圧(kV):系統電圧に一致、BIL(雷インパルス耐電圧)を確認。
  • 定格電流(A):常時電流の上限。温度上昇限度を満足。
  • 開閉容量:力率0.7程度の負荷で評価。
  • 投入電流・短時間耐電流(kA):短絡時に耐える能力。

選定の要点

最大負荷電流Imaxを見積もり定格に余裕を持たせる。変圧器容量S[kVA]から一次側電流はI≈S/(√3·V)で近似する。短絡容量は系統インピーダンスから求め、協調時は限流効果を踏まえ投入電流・耐電流定格を照合する。環境条件(標高、汚損)と据付方式(屋内金属閉鎖、屋外柱上)も仕様に直結する。

保護・インターロック

負荷開閉器は誤操作防止のため、接地開閉器と機械的・電気的インターロックを備える。接地中は投入不可、投入中は接地不可とする。扉連動で通電中は盤扉が開かない設計が一般的だ。ヒューズ溶断検出に連動して三相一括トリップを行い、不平衡運転を防止する。

適用分野

配電線分岐・リングの区分、配電変圧器一次側、キャパシタやリアクトルの接続切替に用いられる。RMUでは「LBS−T−LBS」や「LBS−CB−LBS」のセル構成で保護を両立する。

規格と試験

負荷開閉器はIEC 62271-103に基づき、工頻耐電圧・雷インパルス・温度上昇・短時間耐電流・開閉試験を受ける。スイッチ断路器は機能定義と試験クラスが明確で、性能表の確認が重要である。

監視・保全

モータ駆動付の負荷開閉器は位置接点や電流検出、SF6圧力・真空監視をSCADAに取り込み、自動区分に活用される。SF6機器は漏洩点検と回収手順、真空式はボトル寿命・接点摩耗・給脂点検を計画保全に組み込む。

仕様書の例

  • 定格:電圧、電流、開閉容量、投入電流、短時間耐電流、BIL
  • 絶縁:耐電圧、沿面・空間距離
  • 機構:操作方式、三相連動、接地開閉器、インターロック、位置表示
  • 付属:ヒューズ形番、遠方制御I/O、通信IF