詳細設計|より詳細な部品の製造や組み立て作業を行う設計工程

詳細設計

詳細設計では、基本設計で作成した検討図に基づき、より詳細な部品の製造や組み立て作業を行う設計工程である。詳細設計では、組立図と部品図を作成し、量産では試作品を製作する段階である。設計としては最終工程となり、試作品が問題なければ、生産部門に主導権を移していく。この段階でミスや間違いがあると、製品に反映されるため慎重に進めていかなければならない。

詳細設計の工程

詳細設計では、通常、組立図を完成させ、次に全ての製作部品の部品図を作成する。部品図ができあがると、その都度、組立図に再配置して評価する。なお、ねじやばねなどの標準品、センサ・モータなどの購入品は、品番のみで部品図を作成することはない。組立図や部品図の他、補足資料も提出する必要がある。

組立図に必要な情報

①全ての部品とその名称および品番、個数
②指示内容、寸法、公差
③部品の加工が必要な場合は、その加工部分の寸法や公差

部品図に必要な情報

①部品の名称
②基準面(機能、加工方法、組立)
③部品の製作の寸法と公差(機能、加工方法、組立作業)
④材料名やそのグレード
⑤表面粗さ
⑥表面処理・熱処理方法

部品表

組立図や部品図を元に部品表が作成される。必要な部品はすべて部品表に記載され、部品表をもとにすべての部品が手配され、部品集荷後、組立を行い、評価、試運転後に機械が完成する。

部品表に記載される内容

製作品:部品番号、部品名、材質、処理方法、重量、手配先名、個数など
購入品:部品番号、部品名、品番、購入先名、個数

デザインレビュー

デザインレビュー(DR)とは、関係者を集めて設計に対して情報を共有し議論を行うことをいう。詳細設計は設計部門内で行われることが多いが、特に生産部門とも関係が深いことから、定期的に生産部門の意見を求める会社がほとんどである。協力会社の意見も取り入れるとよい。試作品に基づくDRを試作DRというが、3D CADや解析による試作レスが理想的である。

設計変更管理

詳細設計が進むにつれ、当初の企画や構想設計からの変更が起こる可能性がある。機能の追加、形状変更、制御変更がある場合のリスクを検討しなければならない。必要に応じて、関係者を集めてレビューする必要がある。機械や装置でいえば、エレキ・制御系、機械系、ソフトウェア系とがあり、それが複雑に絡み合っているため、また機械の品質や安全の観点からも設計変更管理は徹底しなければならない。

DRBFM

DRBFMとは失敗モードに基づくデザインレビューといい、設計変更管理に有力な設計ツールである。不具合や変更点を整理・洗い出し、関係者と共有を図ることで、心配事をつぶしていく。DRBFMを徹底することで、量産工程でトラブルなくスムーズに進めることができる。

作業指示書

組立図、部品図、部品表の情報をもとに、作業指示書や組み立て手順書を作成する。作業指示書によって、製作品や購入品の部品集荷時期や組立の順序と日数、評価や動作確認などの日程が示される。最終的な製品完成時期が明記される。

受け入れ検査

受け入れ検査とは、納入された部品に対して、部品の個数の確認、図面適合作業である。品質、形状、外観、寸法などを確認する。詳細設計で作られた図面通りになっているかを確認し、組み立て作業を行い、トラブルができたら対応する。

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