寸法補助記号|製図,JIS,機械設計

寸法補助記号

寸法補助記号は寸法数値に付加して、その寸法の意味を明確にするために用いる記号である。φ(円弧)、R(半径)、C(面取り)、t(厚さ)などがある。

半径 R

半径の補助記号はRで表され、アールと読む。R3、R5というように寸法数値の前にRをつけて、半径を表す。CR(Control Radius)はシーアールと読み、直線部分となだらかにつながることをいう。さらに球を表現するときはSφを使う。

R半径

CR半径

直径 φ

丸形状の直径はφで表され、寸法数値の前につけられる。「マル」、「ファイ」、「パイ」などと読まれる。φ20、φ10などと書かれる。貫通穴ではなく、深さを表すときはφ20深さ10、φ10深さ12のように表現される。穴の数が複数アル場合は、3×φ10、と表現される。なお「×」の代わりに「ー」が使われることも多い。

φ

厚さ t

厚みを示す記号として小文字のtを用いる。厚みの英単語「thickness」の頭文字をとったもの。ほとんどのいた形状でこの記号が使われる。JIS規格では、t5、t=5のように表現する。

厚さ t

正方形 □

□とは、正方形を示すときに用いられる記号である。正方形の一辺だけが描かれた図で正面図の一面で済むことができる。カクと呼ばれる。

正方形 □

面取り C

Cとは面取りを表す記号である。面取りとは、加工直後の角を安全にするため、45°の加工を行うことである。Cを使うときは45°と決まっており、異なる角度は退けられる。

面取り

キリ

キリとは、ドリルであけた穴を示す。寸法表示である。数値のあとにカタカナでキリと書くことで表される。たとえば直径5mmのきり穴を指示するときは、5キリと書き、φは使わない。直径5mm、深さ10mmの場合は、5キリ深さ10mmと表現される。キリを使うとき、φは加工方法や加工工具が指定されており、加工後の値を示しているのに対して、キリはドリルによる加工を指定しており、径はドリル径を指定していることになる。

キリ

座ぐり

座ぐり加工は、キリなどで穴を使ったとき、ネジを締め付ける為、表面をなめらかにする加工である。座ぐりをとる、といい、7キリ18座ぐりのように表現される。通常、0.5mmから2mmに表現されるが、深さを指定する場合は、深座ぐりという。7キリ18深座ぐり加工である。

ザグリ穴

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皿ザグリ

ピッチ寸法

ピッチ寸法とは、穴や溝などが同じ種類で同一間隔に並んでいる場合に、その間隔ごとの長さをピッチという。ピッチ寸法を記述する場合は、穴径、ピッチ寸法、穴の両端の寸法の3項目で表現され、間隔の数×ピッチ寸法のように×と=を使って表現される。

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