デルフォイの神託|古代ギリシア,アポロン

デルフォイの神託

デルフォイは、パルナッソス山のふもとにある古代ギリシアの聖地でアポロンの神殿がある。そこには古代ギリシア中から多くの巡礼者が訪れた。デルフォイには古くから予言の神アポロンを守護神として祀るアポロンの神殿があり、巫女の口から神のお告げがくだされる神託所として知られていた。多くのポリスの指導者は宣戦・講和や植民などの重要事項の決定にあたり、その是非を問うた。そこには、多くの神殿と同じように『汝自身を知れ』と刻まれていることで有名である。

デルフォイの円形劇場

デルフォイの円形劇場

アポロンの神域

ボイオティアの急峻な山地のポリスであるデルフィのアポロンの神域は、すでに前9世紀から崇められていた。しだいに神託の権威が高まり、ことに植民市建設がさかんになって出発前に適当な土地について尋ねることが習わしとなった。

神託

ポリスから集まる人々から多地の情報がデルフィの祭司にもたらされ、神殿は様々な情報が集まる役割を担っていた。神託は月1度、厳かな儀式をもって巫女ピュティアが伝え、それを祭司が通訳して依頼者に教えた。多くは謎めいた韻文であった。デルフィには神託に感謝するポリスからの奉献物が捧げられ、小アジアの異民族の王国からも依頼があった。

ソクラテス

ソクラテスの友人カレイフォンが、「ソクラテスよりも知恵のある者はいるか」とたずねたところ、「ソクラテスより知恵のある者はいない」という神託を受けた。ソクラテスはその意味を解こうとし、無知の知を発見し、ソフィストや軍人、詩人との問答をはじめる。そしてそのことで多くの人々の反感を買ったゆえに死刑をうけることになる。デルフォイのソクラテスの生涯に大きな転機となると同時に西洋哲学にとってもまた大きな転機となった。

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