スクリーンプラント
スクリーンプラントとは、採石・再生骨材・鉱山・建設残土処理などで粒度別に資材をふるい分け、規格に合致した製品粒度へ整粒する中核設備である。単体のスクリーンだけでなく、ホッパ・フィーダ・ベルトコンベヤ・ダストコレクタ・制御盤を含むシステムとして設計され、上流の一次破砕(例:ジョークラッシャ)や二次・三次破砕(例:コーンクラッシャ、インパクトクラッシャ、ハンマークラッシャ)と連携して所定の産出曲線を実現する。スクリーン本体は主に傾斜型や水平型のバイブレーティングスクリーンが用いられ、原石中の粗大塊を早期に抜くスカルピングスクリーンを先置きする構成も一般的である。移動式処理を想定する場合はシャーシに搭載したモバイルクラッシャやモバイルスクリーンと組み合わせ、現場内の短期施工にも対応する。
基本構成とフロー
基本フローは「投入→予備ふるい→一次ふるい→再循環→製品ストック」である。投入ホッパからエプロンまたは振動フィーダで安定供給し、予備ふるいで土砂・微粒を除去して下流の破砕負荷を低減する。一次ふるいでは複数段デッキでカットサイズを段階設定し、粗粒は再破砕回路へ循環、合格品は製品コンベヤで各ストックパイルへ分配する。乾式を基本とするが、高含水・粘土分が多い場合は水洗い(ウェットスクリーン)やスプレーバーを併用する。
スクリーンの種類とデッキ
- 傾斜型:シンプル構造で処理量に優れ、開口詰まりが比較的起こりにくい。一般に15–20°の据付勾配とする。
- 水平型:据付高さを抑えやすく、多段・長尺で精密な分級に向く。搬送は振動加速度とストロークで確保する。
- デッキ面:金網、パンチング、ポリウレタン、ゴム、ワイヤハープなど。耐摩耗・騒音低減と開口率のトレードオフを最適化する。
設計指標(処理量・効率・粒度)
設計では処理量Q(t/h)、実効開口率φ、デッキ長L・幅W、ストロークS(mm)、回転数n(rpm)、加速度a(g)、傾斜θ、カットサイズd50を総合的に決定する。一般にQは名目スループットに材料係数(粒度分布、かさ比重、含水率、形状係数)と網面条件(開口形状、開口率、層厚、被覆率)を乗じて見積もる。ふるい分け効率ηは「目開きより小さい粒子の通過率」で定義し、層厚低減・滞留時間確保・適正ストロークにより改善する。粒度分布はRRB(Rosin–Rammler–Bennett)やGates–Gaudin–Schuhmannで近似し、ターゲット製品曲線に合わせて回路の再循環比を設定する。
材料特性と運転設定
粒形が扁平・角張り・付着性に富む場合、同一カットサイズでも通過率が低下する。含水率が高い場合は表面張力によりブラインディングが顕在化し、スクリーンカバー下の湿度や水洗いの有無で結果が大きく変わる。運転設定はSとnの積で搬送速度を制御し、a≈(2πn)^2·(S/2)/gを目安にする。多段デッキでは上段に大きいストローク、下段に小さいストロークを配分し、下段では薄層化を重視する。
据付・配置計画
据付高さは製品ストックの土捨て高さと保守空間から逆算する。大型プラントではモジュール化により輸送・据付時間を短縮し、階段・踊り場・保守用手すりなどをJISに適合させる。ダストは集塵フードの囲い込みと負圧管理で捕集し、騒音はライナや防振ゴム、スクリーンメディアの変更で低減する。ベルトコンベヤとの受け渡しは偏荷重を避ける配置とスカートのシール性を確保する。
メンテナンスと保全指標
- 状態監視:加速度センサでベアリングの異常振動(アンバランス、ミスアライメント、緩み)を早期検知する。
- 摩耗管理:デッキの摩耗・破断・ワイヤ切れを点検し、開口寸法の経時変化を管理する。
- 締結部:側板・横桁・ばね座金の緩みを定期増締めし、クラックの磁粉探傷を行う。
トラブルシュート(代表事象と対策)
- 目詰まり:開口形状の変更(ハープ・テーパ穴)、デッキ材質の見直し、アンチブラインディングバーの追加、水洗い併用。
- 過負荷:供給量の平準化、フィーダゲート調整、予備ふるいの強化、再循環比の見直し。
- 過粉砕・粒度外:上流破砕機の閉側設定(CSS)調整やスクリーンのカットサイズ再設計。
- 共振・異音:ばね定数・据付剛性の見直し、回転体バランス是正、駆動部の芯出し。
ブラインディング・プラギングの理解
ブラインディングは微粒の付着膜が開口を塞ぎ、プラギングは粒子自体がくさび状に噛み込み通過を阻害する現象である。前者には水分・粘土分管理とデッキ材変更が、後者にはテーパ加工や自励振動の強化が有効である。層厚hを薄く保ち、材料が網面に複数回衝突するようストローク設計を行うと効果が大きい。
粉じん・騒音・環境配慮
乾式ふるい分けは粉じん発生源となるため、吸引流量の設計、封じ込めフードと点検ハッチのガスケット、落差緩和のシュートライナが重要である。騒音は打音対策のゴムライナ、塑性損失の大きいメディア、支持ばねの選定で低減する。雨水流入や泥濁水の処理は沈砂・凝集・循環により場外持ち出しを防ぐ。
規格・検査と品質保証
製品骨材はJIS・道路用骨材の規格粒度に適合させる。抜き取りサンプリングでふるい分け試験を行い、合否判定は通過質量比と粒度曲線で確認する。スクリーンの受入検査では振動特性(S・n・a)、空運転時の電流値、据付ボルトの軸力、保護カバーや非常停止の機能を点検する。設備台帳にはデッキ仕様、予備品管理、MTBF/MTTRなどの保全指標を記録し、生産量と停止要因の見える化を行う。
上流・下流設備との統合
スクリーンプラントは上流破砕の設定と不可分である。例えばジョークラッシャのCSSや吐出曲線、インパクトクラッシャのロータ線速度、コーンクラッシャのチョークフィード条件により、スクリーンの負荷・粒度分布が変化する。移動現場ではモバイルクラッシャとモバイルスクリーンを一体運用し、再循環回路を短縮して設置時間と搬送コストを抑える。予備段としてスカルピングスクリーンを配置すると、下流の磨耗低減と安定運転に寄与する。最終的な製品品質は、装置単体よりも回路全体のバランスで決まるため、粒度・処理量・稼働率の三指標を同時に最適化する設計が要点である。