W-CDMA|3G時代を代表する広帯域CDMA技術

W-CDMA

第3世代の移動通信システムを支える無線アクセス技術として開発されたW-CDMAは、Wideband Code Division Multiple Accessの略称である。周波数を広帯域に使い、複数の利用者が同時に通信を行えるよう工夫されている点が特徴である。この技術は国際的にはUMTSの一部として位置づけられ、世界中の携帯通信事業者に採用されてきた。また、高速化や大容量化を目指す様々な拡張技術が導入され、音声通話やデータ通信のみならず、モバイル向けマルチメディアサービスにも対応可能な仕組みが整備されている。

概要

第2世代のGSMやCDMA Oneなどに続いて誕生したW-CDMAは、音声のデジタル化だけでなく、高速なデータ伝送を実現するために開発された技術である。3GPPによって標準化が進められ、周波数帯は約5MHz幅を使用することが多い。各ユーザーは異なる拡散コードを用いて同時に通信する方式を採用し、電波資源を効率的に活用することを可能としている。さらに、既存の音声通話に加えてインターネットアクセスやマルチメディアコンテンツの提供が大きく進展し、携帯電話の利用形態に変革をもたらす要因となった。

技術的特徴

拡散符号の長さやチャネル割り当ての仕組みを柔軟に設定できる点がW-CDMAの大きな強みである。独自のソフトハンドオーバーによって基地局間での切り替え時に通信が切断されにくい設計となっているほか、レイク受信機を活用することでマルチパス環境でも安定した信号検出が可能である。さらに、HSDPAやHSUPAなどの拡張技術により、上下両方向のデータ通信速度を向上させる取り組みが行われてきた。

歴史的背景

日本のNTTドコモが中心となり第3世代通信方式を検討する中で、広帯域化されたCDMAを基盤とした提案が誕生し、後にW-CDMAとして確立した経緯がある。1998年に設立された3GPPが規格策定を行い、2001年ごろからヨーロッパやアジアをはじめ多くの地域で商用サービスが開始された。その後、HSPAシリーズなどの追加仕様が次々と策定され、現代の高速通信サービスへとつながった。ヨーロッパのGSM事業者なども移行可能な仕様を整えることで、携帯市場全体の技術統合を促進した点が大きな特徴といえる。

標準化と世界展開

3GPPによる標準化の下で策定されたW-CDMAは、国際電気通信連合(ITU)のIMT-2000規格の一翼を担う存在となっている。ヨーロッパやアジア各国の主要オペレータが導入し、世界的に広範なエリアで利用可能となった。また、GSMとの互換性を意識した運用が可能であるため、端末のローミング性を高める要因にもなっている。こうした国際的普及によって高品質な移動体通信サービスが普遍的に提供されるようになり、3G時代の基盤技術として長きにわたり活用され続けている。さらに、3Gと4Gの狭間をつなぐ技術としても機能し、徐々にLTEなどへ移行する過程でスムーズな移行パスを提供する重要な役割を果たした。

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