TTB
TTB（Telegraphic Transfer Buying rate、電信買相場）とは、銀行が顧客から外貨を買い取る際に適用する為替レートのことを指す。TTBは、主に企業や個人が外貨を売却する場合に使用され、銀行が顧客から外貨を買い取る際の基準となるレートである。銀行が外貨を売る際のレートであるTTS（電信売相場）と対になるもので、TTBは仲値（TTM、Telegraphic Transfer Middle rate）に手数料やコストを差し引いた買値となる。
TTBの仕組み
TTBは、銀行が外貨を買い取る際に基準として使用するレートであり、仲値（TTM）から一定のスプレッドを差し引いたレートである。これにより、銀行が外貨を売るためのTTSとは逆に、外貨を売却する際にはTTBが適用される。通常、TTBは顧客が外貨を日本円に換える場合に適用され、TTSと同様に為替市場の動向や銀行の取引コストに応じて変動する。
TTBとTTM（仲値）の関係
TTBは、銀行が外国為替取引の際に使用する仲値（TTM）からスプレッドを差し引いた買相場である。仲値は、為替市場での取引の基準となる中間のレートであり、TTBはこの仲値に基づいて決定される。一方、TTSは銀行が外貨を売却する際のレートであり、仲値にスプレッドを上乗せしたものとなる。TTBとTTSの差額は、銀行の取引手数料やリスクコストを反映している。
TTBの用途
TTBは、個人や企業が外貨を売却する際に使用されるレートであり、例えば、海外からの収益を日本円に換える場合や、外国通貨建ての資産を売却して円に変える際に適用される。また、輸出企業が海外取引で得た外貨を日本円に換金する際にも、TTBが適用される。これにより、企業や個人は外貨建ての収益を円に変えて国内で利用することが可能となる。
TTBの変動要因
TTBのレートは、為替市場の動向や銀行の取引コスト、さらには外貨の需給バランスによって変動する。市場での為替レートが大きく変動する場合、銀行はリスクを考慮してTTBを調整することがあり、外貨の需要や供給が偏る場合にもTTBは変動する。特に、大規模な資金移動や地政学的リスクの増大時には、TTBの変動が大きくなることがある。
TTBを利用する際の注意点
TTBは、銀行が設定するレートであり、市場の実勢レートよりも低いことが多い。外貨を売却する際には、TTBに含まれる手数料部分を考慮し、複数の銀行や為替業者のレートを比較することが重要である。また、取引の規模が大きい場合には、銀行との交渉により手数料やレートの調整が可能な場合もあるため、事前に交渉することが推奨される。