FIFA ワールドカップ 2026 ロス・スチュワート
ロス・スチュワート(Ross Cameron Stewart、1996年7月11日生まれ)は、スコットランド出身のプロサッカー選手である。ポジションはセンターフォワードで、イングランド・EFLチャンピオンシップのサウサンプトンに所属する。188cmの長身と強靭なフィジカルを武器とする本格派ストライカーであり、スコットランド代表としてFIFAワールドカップに初出場を果たした。ジュニアリーグからコツコツとキャリアを積み上げた異色の経歴を持ち、2026年6月時点でA代表出場は2試合のみながら、スコットランドの1998年以来28年ぶりとなるFIFA ワールドカップ 2026のメンバーに名を連ねた。
選手プロフィール
ロス・スチュワートの本名はロス・キャメロン・スチュワート。1996年7月11日、スコットランド・アーシャーのアーバインで生まれた。身長188cm、体重85kg。利き足は右足。背番号11を着用する。サウサンプトンとの契約は2026年6月30日に満了予定であり、フリーエージェントの身分でワールドカップを迎えることになる。ヘディングの精度と空中戦の強さはチャンピオンシップ屈指の水準とされ、セットプレーやクロスからゴールを量産するタイプである。
ジュニアリーグからの出発
ロス・スチュワートは青年時代にセルティック、パトリック・シスル、セントミレンのユース組織を渡り歩いたが、プロとしてのキャリアを確立できないまま、スコットランドのジュニアリーグに活路を求めた。アーディア・シスルとキルウィニング・レンジャーズでプレーした経験について、2022年にBBCスコットランドのインタビューで「ジュニアの環境に飛び込んで、大人の世界でプレーすることで本当にサッカーを好きになれた。ゴールを決め続けて階段を上っていった」と振り返っている。2016年7月、シニアリーグのアルビオン・ローバーズと契約を結んだ際、移籍金1,500ポンドをクラブが用意できず、サポーターズクラブ会員とスチュワートの父親が資金を拠出して成立したというエピソードが伝わっている。
スコットランドでの台頭
アルビオン・ローバーズで1シーズン25試合12ゴールを記録した後、2017年にスコットランド・チャンピオンシップのセントミレンへ移籍。公式戦デビュー戦となったスコットランドリーグカップのストランラー戦でゴールを挙げたものの、トップチームに定着できず、2017年12月にアロア・アスレティックへ期限付き移籍した。アロアでは19試合7ゴールとリーグワン残留に貢献し、プレーオフでも活躍してチャンピオンシップ昇格を果たした。2018年8月にはロス・カウンティへ移籍。初年度から11ゴールを記録してスコットランド・プレミアシップ昇格に貢献し、以後3シーズンで63試合15ゴールをマークしてクラブの主力に成長した。
サンダーランドと昇格の立役者
2021年1月、イングランドのサンダーランドがロス・スチュワートを獲得した。移籍金は非公表だが、リーグワンでの活躍は目覚ましく、70試合36ゴールという圧倒的な数字を残した。2022年5月21日のEFLリーグワン・プレーオフ決勝ではウィコム・ワンダラーズ相手に2点目のゴールを決め、2-0の勝利でチャンピオンシップ昇格を確定させる殊勲を挙げた。スポーティな大型ストライカーとチェルシーの往年の名ストライカーであるディディエ・ドログバを重ねたサンダーランドのサポーターが「ロッホネス・ドログバ(The Loch Ness Drogba)」と命名したニックネームはメディアでも広く使われ、彼の知名度を一気に高めた。
スコットランド代表デビュー
サンダーランドでの活躍が評価され、2022年3月にスコットランド代表の初招集を受けた。2022年6月8日、アルメニアとのUEFAネーションズリーグで途中出場し、2-0の勝利に貢献する形でA代表デビューを飾った。「代表デビューを重要な試合でできて誇りに思う。チームに合流してからしっかりと溶け込むことができた」と当時の心境を語っている。その後は大怪我が相次ぎ、代表から4年間遠ざかることになったが、2026年5月19日にスティーブ・クラーク監督によってFIFA ワールドカップ 2026の26名に選出され、代表復帰を果たした。
サウサンプトン移籍と負傷との闘い
2023年9月1日、ロス・スチュワートはサウサンプトンと3年契約を締結した。しかし移籍当初から怪我に悩まされ、2023-24シーズンはアキレス腱と鼠径部の負傷で実質的にシーズン全体を棒に振った。2024-25シーズンはプレミアリーグで12試合に出場し、シーズン最終日のアーセナル戦でヘディングによるプレミアリーグ初ゴールを記録した。2025-26シーズンは復活を遂げ、チャンピオンシップで8ゴール2アシストをマーク。アーセナルとのFAカップ準々決勝でも得点を挙げるなど「大舞台で決める」能力を証明した。クラーク監督は「1月以降の充実した結果と、重要な場面での得点能力がワールドカップメンバー選出の決め手になった」と述べている。
FIFAワールドカップ 2026スコットランド代表での役割
スコットランドはUEFA欧州予選グループを首位で突破し、28年ぶりとなるFIFA ワールドカップ 2026の出場権を獲得した。グループCではブラジル、モロッコ、ハイチと同組に入り、初戦は2026年6月13日にフォックスボロのジレットスタジアムでハイチと対戦する。ロス・スチュワートは代表2試合・国際ゴールなしという経歴でワールドカップに初出場することになるが、シェ・アダムス、ローレンス・シャンクランド、ジョージ・ハーストらとともに5人のFW陣の一角を担う。188cmの長身を活かしたポストプレーと空中戦の強さは、スコットランドの限られた攻撃オプションの中で独自の役割を提供できる貴重な武器とみなされている。
キャリア主要成績
以下にロス・スチュワートの主要クラブおよび代表でのキャリア成績をまとめる。
| クラブ | 在籍期間 | 出場 | ゴール |
|---|---|---|---|
| アルビオン・ローバーズ | 2016–2017 | 25 | 12 |
| セントミレン | 2017–2018 | 10 | 0 |
| アロア・アスレティック(ローン) | 2017–2018 | 19 | 7 |
| ロス・カウンティ | 2018–2021 | 63 | 15 |
| サンダーランド | 2021–2023 | 70 | 36 |
| サウサンプトン | 2023– | 30+ | 5+ |
| スコットランド代表 | 2022– | 2 | 0 |
プレースタイルと特徴
ロス・スチュワートはクラシックなセンターフォワードとしての特性が際立つ。188cmの身長と85kgの体格はヘディングとポストプレーに優位性をもたらし、セットプレー時の得点力は特筆される。右足を主体に据えながらもヘッダーでのゴールが多く、クロスやコーナーキックに合わせるタイミングの良さが強みである。サンダーランド時代に「ロッホネス・ドログバ」とのニックネームが定着したのは、フィジカルの強さとゴール前での嗅覚がドログバを想起させるからであり、ポストプレーからシュートまでの一連の動作に迫力がある。一方で怪我が多いという課題があり、フルシーズンを健康に過ごせた年はキャリアを通じて限られる。スコットランド代表においても、中盤のスコット・マクトミネイやアンディ・ロバートソンのサイドからのクロスを受けてゴールに直結するプレーが期待されている。
スコットランドのグループCと大会展望
スコットランドはFIFA ワールドカップ 2026グループCにおいて、ブラジル(FIFAランキング6位)、モロッコ(同7位)という強豪2国との対戦を控えている。ハイチとの初戦を白星で飾ることができれば、決勝トーナメント進出への足がかりができる。ロス・スチュワートはA代表でのゴール経験こそないが、クラブレベルで鍛えた大舞台での決定力と4年ぶりの代表復帰という「物語性」を持つ選手として、スコットランド国民から大きな期待を寄せられている。大会日程上、スコットランドはグループステージで3試合を戦い、各グループ上位2チームと3位の成績上位8チームが決勝トーナメントへ進出する新フォーマットを戦う。
グループCの主な対戦日程
- 第1戦:2026年6月13日 スコットランド vs ハイチ(ジレットスタジアム、フォックスボロ)
- 第2戦:スコットランド vs ブラジル
- 第3戦:スコットランド vs モロッコ
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