FIFA ワールドカップ 2026 ラドゥ・ドラグシン
ラドゥ・ドラグシン(Radu Drăgușin、2002年2月3日生まれ)は、ルーマニア・ブカレスト出身のプロサッカー選手であり、ポジションはセンターバック。プレミアリーグのトッテナム・ホットスパーFCに所属し、ルーマニア代表の守備の要を担う。191cmの長身と圧倒的なフィジカルを武器に、地対空双方の対人戦で無類の強さを誇り、「次代のファン・ダイク」とも称される逸材である。UEFA EURO 2024ではルーマニアの全4試合にフル出場してその名を世界に知らしめたが、2025年1月にACL(前十字靭帯)断裂という重傷を負い、長期離脱を余儀なくされた。FIFAワールドカップ2026欧州予選プレーオフでは、ルーマニアが準決勝でトルコに1-0で敗れて出場権獲得を逃したため、ラドゥ・ドラグシンは同大会への出場が叶わなかった。
選手プロフィール
ラドゥ・ドラグシンは2002年2月3日、ルーマニアの首都ブカレストに生まれた。父はバレーボール、母はバスケットボールのルーマニア代表選手というスポーツ一家に育ち、7歳のときに地元ブカレストのユースチームでサッカーを始めた。10代から頭角を現し、16歳の2018年にイタリアの名門ユヴェントスFCのユースチームへと移籍。ユースカテゴリを順調に昇格し、18歳でBチームであるユヴェントスNextGenの一員となった。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| フルネーム | Radu Matei Drăgușin |
| 生年月日 | 2002年2月3日 |
| 出身地 | ルーマニア・ブカレスト |
| 身長 | 191cm |
| ポジション | センターバック(DF) |
| 所属クラブ | トッテナム・ホットスパーFC(イングランド) |
| 代表 | ルーマニア代表 |
| 背番号 | 6番 |
クラブキャリア
2020年12月2日、ラドゥ・ドラグシンはUEFAチャンピオンズリーグのFCディナモ・キーウ戦でユヴェントスFCのトップチームデビューを果たした。翌2021年4月には複数の欧州クラブが関心を示す中、クラブと2025年まで4年間の新契約を締結している。同年夏にはUCサンプドリアへ、2022年1月にはUSサレルニターナ1919へと相次いでレンタル移籍を経験した。本格的な転機となったのは2022年夏のジェノアCFCへの移籍である。セリエAでインテル・ミラノやユヴェントス相手の引き分けに貢献するなどの活躍を見せ、2023-24シーズンからは完全移籍でジェノアに加入。この台頭が欧州列強の関心を集め、バイエルン・ミュンヘンとの争奪戦を制したトッテナム・ホットスパーFCが2024年1月に約2600万ポンドで獲得した。背番号6番を与えられ、2030年6月30日までの6年半の長期契約を締結している。
トッテナムでの歩みと負傷
加入当初はクリスティアン・ロメロとミッキー・ファン・デ・フェンの控えとして位置づけられ、出場機会は限られた。しかし2024-25シーズンにチームが怪我人続出の危機に陥ると、ラドゥ・ドラグシンはレギュラーとして定着し、プレミアリーグで14試合のスタートを記録した。その絶好調の最中、2025年1月30日のヨーロッパリーグ エルフスボリ戦で途中出場した際に右膝の前十字靭帯(ACL)を断裂。手術を経て約9か月間の長期離脱を強いられ、これが「キャリア最大の試練」と本人も後に語っている。2025-26シーズン中盤に復帰し、インテリム監督イゴール・トゥドールのもとで3バックの一角を担うなど存在感を取り戻しつつある。
ルーマニア代表でのキャリア
ラドゥ・ドラグシンは若くしてルーマニア代表に定着し、UEFA EURO 2024ではチームの守備の要として全4試合にフル出場を果たした。ルーマニア代表はグループステージでスイス、イスラエルを抑えてグループIを無敗で首位通過し、本大会でもグループEを得失点差で強豪ベルギーを上回って1位通過するサプライズを演じた。16強敗退後、SNS上では「次代のファン・ダイク」としてラドゥ・ドラグシンの名がトレンドに上がるなど、その評価は国際的に急上昇した。2024年10月にはUEFAネーションズリーグのキプロス戦で代表初ゴールも記録している。
2026年ワールドカップ欧州予選とプレーオフ
FIFAワールドカップ2026欧州予選において、ルーマニアはグループステージを2位で終えてプレーオフへと進んだ。プレーオフではポット4に入り、2026年3月26日の準決勝でトルコと対戦した。試合はフェルディ・カドゥオールの得点を守り切ったトルコが1-0で勝利し、ルーマニアは敗退。ラドゥ・ドラグシンはACL負傷からの回復途上にあり、代表での出場は制限されていたが、この結果によりワールドカップ本大会への出場は叶わなかった。なお、ルーマニア代表を率いたミルチャ・ルチェスク監督はプレーオフ敗退直後に急死するという衝撃的な事態も重なった。
プレースタイルと特徴
191cmという長身と優れたフィジカルを武器に、地上・空中双方の対人戦で圧倒的な強さを誇るのがラドゥ・ドラグシン最大の特徴である。センターバックを本職としながら、過去には両サイドバックでのプレー経験もあり、一定水準のスピードと機動力も備える。ビルドアップへの参加やロングパスの精度も高く評価されており、バルセロナやリヴァプールが擁するヴィルヒル・ファン・ダイク型のモダンなCBとして注目される。トッテナムではアンジェ・ポステコグルー前監督のもとで攻守への積極的な関与を求められ、攻撃面においても成長の余地を示した。
人物・背景
ラドゥ・ドラグシンはスポーツ一家の出身であり、父はバレーボール、母はバスケットボールのルーマニア代表選手というエリートアスリートの家庭で育った。16歳でイタリアに渡ったのち、サンプドリア、サレルニターナ、ジェノアとレンタルを重ねながら経験を積んだその成熟ぶりは、若手選手の手本とも評される。ACL断裂という重傷からの回復期には「人生で最も困難な道のりだった」と率直に語り、試練を乗り越えることへの強い意志を示した。トッテナム・ホットスパーFCの医療スタッフとともに長期リハビリを完走した精神的な強さも、プロとしての評価を高めている。
主な受賞歴・タイトル
クラブではユヴェントスFCにおいてスーペルコッパ・イタリアーナ(2020年)とコッパ・イタリア(2020-21年)を獲得している。下部組織在籍時にはコッパ・イタリア・セリエC(2019-20年)も制した。個人としてはUEFA EURO 2024における安定したパフォーマンスが国際的な評価を集め、「次世代の欧州最高CBの一人」として各種メディアに取り上げられている。
- スーペルコッパ・イタリアーナ(ユヴェントスFC、2020年)
- コッパ・イタリア(ユヴェントスFC、2020-21年)
- コッパ・イタリア・セリエC(U-23ユヴェントス、2019-20年)
FIFAワールドカップ2026との関係
FIFA ワールドカップ 2026への出場権をかけたルーマニアの挑戦は、欧州予選プレーオフ準決勝のトルコ戦敗退によって幕を閉じた。ラドゥ・ドラグシンにとっては、2025年1月のACL断裂とその長期離脱が欧州予選終盤のコンディションに影響を与えた側面も否めない。ルーマニアにとってFIFAワールドカップ本大会への出場は21世紀に入ってから一度もなく、2026年大会もその壁を越えられなかった。しかし、まだ24歳のラドゥ・ドラグシンはトッテナムで再び定位置を確立しつつあり、2030年大会に向けてルーマニア代表の中核を担う存在であり続けることが期待されている。プレーオフ出場国一覧においてルーマニアはポット4に位置していたが、守備面での潜在的な実力はトルコ戦でも随所に示されており、その評価は依然として高い。
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