FIFA ワールドカップ 2026 マーカス・ラッシュフォード|復活の13番、代表復帰で夢舞台へ

FIFA ワールドカップ 2026 マーカス・ラッシュフォード

マーカス・ラッシュフォードは、1997年10月31日生まれのイングランド代表フォワードであり、マンチェスター出身。左ウィングを主戦場とし、最高時速36km超のスピードと鋭いドリブル、正確なシュート力を兼ね備えた現代型アタッカーである。マンチェスター・ユナイテッドで20年近くキャリアを歩んだ後、2025-26シーズンはFCバルセロナへの期限付き移籍でラ・リーガの舞台に活躍の場を移し、14ゴール12アシストという数字でチームのリーグ連覇に貢献した。その復活劇が評価され、2026年5月にイングランド代表メンバーに選出。北中米共催のFIFA ワールドカップ 2026に3度目のW杯として臨み、グループステージ初戦のクロアチア代表戦では途中出場で決定的な4点目を挙げた。

プロフィールと基本情報

フルネームはマーカス・ラシュフォード・ジュニア(Marcus Rashford Jr.)。身長185cm、体重80kg、利き足は右足。背番号はバルセロナでの#14、イングランド代表では#11をつける。マンチェスター・ウィジェンショー出身で、7歳のときにマンチェスター・ユナイテッドのアカデミーに加入。幼少期から卓越したスピードとボールセンスで注目を集め、トップチームへの道を着実に歩んだ。

項目 詳細
生年月日 1997年10月31日(28歳)
出身地 イングランド・マンチェスター
身長 / 体重 185cm / 80kg
ポジション FW(左ウィング / センターフォワード)
利き足 右足
所属クラブ FCバルセロナ(期限付き移籍)
代表 イングランド代表

クラブキャリアの軌跡

2016年2月、UEFAヨーロッパリーグのミッティラン戦で直前の負傷者に代わって急遽先発起用されると、いきなり2ゴールを挙げてプロデビューを飾った。その3日後にはアーセナル戦でプレミアリーグデビューも果たし、そこでも2ゴール1アシストを記録。一躍世界中にその名を知らしめた。以後マンチェスター・ユナイテッドの主軸として約10年にわたりプレーし、2022-23シーズンには公式戦30得点を記録するなど全盛期を迎えた。しかし2023-24シーズン以降は不調が続き、2024-25シーズンには一時アストン・ヴィラへの期限付き移籍も経験した。転機となったのが2025年7月のFCバルセロナ移籍で、約3000万ユーロ(約51億円)の買取オプション付きのレンタルとして加入。1923年以来、ゲーリー・ラインカー以来となるバルサでプレーするイングランド人選手となった。

バルセロナでの復活とラ・リーガ制覇

バルセロナではハンジ・フリック監督の厳格な戦術的要求のもとで急速に成長を遂げ、シーズン序盤からゴールとアシストを量産した。特筆すべきは2026年5月10日のラ・リーガ第35節、バルセロナがリーグ連覇を決めたエル・クラシコ(レアル・マドリード戦)での活躍である。試合開始9分、ボックス右角付近で獲得したフリーキックを自ら直接ゴール左上隅に叩き込んで先制点を奪った。バルセロナの選手がエル・クラシコでフリーキックから得点したのは、2012年10月のリオネル・メッシ以来のことであった。最終的に2025-26シーズンのラ・リーガでは32試合8ゴール8アシストを記録し、チームの29度目のリーグ制覇に大きく貢献した。シーズン全体の公式戦成績は14ゴール12アシストに達している。

エル・クラシコのFK弾

ラッシュフォード自身はこのFKについて、「シュートを打つつもりはなかった」と告白している。意図的ではなかったとされるFKが歴史的な一発となったこの出来事は、バルセロナ首脳陣や世界中のサッカーファンに強烈な印象を残した。エスプン(ESPN)をはじめとする海外メディアは、このゴールをもって「ラッシュフォードの知性と卓越したボールタッチを示す好例」と評している。

イングランド代表としての歩み

イングランド代表では2016年のデビュー以来、代表キャップを重ねてきた。2018 FIFAワールドカップではロシア大会に出場し6試合に出場。2022年のカタール大会では、グループステージ初戦のイラン戦で途中出場から49秒でゴールを挙げ、W杯史上途中出場選手による3番目に速い得点を記録した。さらにウェールズ戦では直接FKを含む2ゴールを挙げ、1966年ボビー・チャールトン以来、1大会でイングランド代表のために3得点を挙げたマンチェスター・ユナイテッドの選手となった。2026年大会では、バルセロナでの復活劇が評価されて代表に復帰。トーマス・トゥヘル監督率いるイングランド代表の攻撃の一翼を担う存在として選出された。

2026年W杯での活躍

イングランド代表は欧州予選を8戦全勝22得点無失点という圧巻の成績で突破し、8大会連続17度目の本大会出場を決めた。グループLに入ったイングランドは初戦でクロアチア代表と対戦し、4-2で勝利を収めた。この試合でラッシュフォードは途中出場から85分にゴールを挙げ、チームの4点目を記録した。カタール大会に続くW杯でのゴールは、3大会連続参加のベテランとしての経験の深さを示すものでもある。バルセロナでのリーグ戦終盤から継続する好調を背景に、1966年以来の優勝を目指すイングランドにおいて、ウィングの選択肢として重要な役割を果たしている。

プレースタイルと特徴

マーカス・ラッシュフォードのプレースタイルはスピード、ドリブル、シュート力を核とした攻撃的なウィングプレーである。最大時速36km超という驚異的なスピードを誇り、カウンターアタックの局面では相手ディフェンスラインを一気に突き破る能力を持つ。足元の技術も高く、狭いエリアでの細かいタッチによるドリブル突破と、大きくボールを蹴り出してスペースでスピード勝負をするプレーの両方を使い分けられる点が強みだ。右利きでありながら左ウィングを主戦場とすることで、カットインからの右足シュートも有効な武器となる。また直接フリーキックにも卓越した精度を持ち、バルセロナでのエル・クラシコFKゴールがその証左といえる。

  • 最高時速36km超の爆発的なスプリント能力で、カウンター局面において抜群の破壊力を発揮する。
  • 左ウィングからのカットインによる右足シュートと、ライン裏への抜け出しの両方を高いレベルでこなす。
  • 直接フリーキックの精度が高く、中長距離から正確にゴールを狙える。
  • ポジションの柔軟性があり、センターフォワードとしても起用可能な万能型アタッカーである。

社会活動と人物

ラッシュフォードはピッチ外での社会活動でも国際的な注目を集めている。2020年、新型コロナウイルスのロックダウン中に、貧困家庭の子どもへの無料学校給食制度の継続を求める公開書簡を下院議員宛に発表。自身が貧しい家庭に育ち、子ども時代に無料給食に助けられた経験を明かしながら政府に方針変更を訴えた。ボリス・ジョンソン首相との電話会談を経て制度の継続を取り付け、イングランドの130万人の子どもたちが夏休み中も無料で給食を受け取れるようになった。この行動により、マンチェスター大学から最年少の名誉博士号を授与され、大英帝国勲章(MBE)も受章している。サッカー選手の枠を超えた社会的影響力を持つ人物として高く評価されている。

2026年W杯における位置づけ

FIFA ワールドカップ 2026はアメリカ・メキシコ・カナダの3ヶ国共催で行われ、48チームが参加する史上最大規模の大会である。イングランドはトーマス・トゥヘル監督のもと、ハリー・ケインジュード・ベリンガムブカヨ・サカらを擁する強力な陣容で1966年以来の優勝を狙う優勝候補のひとつに挙げられている。ラッシュフォードはバルセロナでの復活を経て3度目のW杯に臨む28歳の脂の乗り切った選手として、イングランド代表の攻撃オプションに厚みを加える存在だ。フィル・フォーデンやコール・パーマーが落選する中での選出は、バルセロナでの結果が直接評価に結びついたことを意味する。今大会でも持ち前のスピードとゴール感覚でイングランドの北中米での勝ち上がりに貢献することが期待されている。

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