FIFA ワールドカップ 2026 ベスフォルト・ゼネリ|コソボ出身、スイスの誇るMFがW杯舞台へ

ベスフォルト・ゼネリ

ベスフォルト・ゼネリ(Besfort Zeneli、2002年11月21日生まれ)は、スウェーデン出身のプロサッカー選手である。ポジションはミッドフィールダーで、ベルギーのロワイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズに所属しながら、スウェーデン代表として2026年のFIFAワールドカップに出場する。コソボ・アルバニア系の家庭に生まれ育ち、コソボU-21代表でのキャリアを経てスウェーデン代表へ転籍した背景をもつ、多文化的なアイデンティティを有する選手である。身長178cm、背番号23。

基本プロフィールと生い立ち

2002年11月21日、スウェーデン中部のセーテルに生まれたベスフォルト・ゼネリは、コソボのミトロヴィツァ近郊セラツ村に起源をもつアルバニア系の家庭に育った。兄はコソボ代表として長くプレーするアルベル・ゼネリであり、サッカーが身近な環境で育ったことが早期の才能開花につながった。7歳からスウェーデンの強豪クラブIF・エルフスボリのアカデミーに加入し、2007年から2021年まで一貫してユース年代をエルフスボリで過ごした。フィジカルと技術を兼ね備えたミッドフィールダーとして頭角を現し、インサイドハーフやセントラルMFとして正確なパスと球際の強さを武器とする。

クラブキャリア

2022年1月6日、エルフスボリとプロ契約を結んだゼネリは、同年7月28日にUEFAヨーロッパ・カンファレンスリーグの予選でモルデ戦に途中出場し、クラブデビューを果たした。2022年9月11日にはスウェーデンリーグ「アルスヴェンスカン」でGIF・スンズヴァルに対して2-0で勝利した試合で初のリーグ戦出場を記録した。2023年から徐々に出場機会を増やし、2024年にはシーズン25試合出場と飛躍的に成長した。2025年シーズンはアルスヴェンスカンで27試合に出場して2ゴールを記録し、エルフスボリの攻撃的中盤の主軸に定着した。この活躍が評価され、2026年1月13日にベルギーのロワイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズに移籍。移籍金は約350万ユーロとされ、4年半の長期契約を結んだ。2025-26シーズンのベルギーリーグ(ジュピラー・プロ・リーグ)では15試合出場3ゴールを記録しており、所属クラブのエース格として存在感を示している。

国際キャリアとスウェーデン代表転籍

ゼネリはスウェーデンまたはコソボの代表資格を有していたが、当初はコソボU-21代表を選択した。2021年10月のインタビューでコソボ代表への思いを語り、2022年9月にはU-21代表合宿に参加。2023年3月にはモルドバ戦でコソボU-21としての公式デビューを飾った。しかし2024年9月、コソボサッカー連盟との関係悪化を理由にU-21代表招集を辞退し、スウェーデン代表への転籍を表明した。兄アルベルをめぐるコソボ協会との軋轢も背景にあったとされる。2025年2月24日にFIFAが協会変更申請を承認し、同年3月12日にスウェーデン代表A代表に初招集された。3月22日、ルクセンブルクとの親善試合で45分間プレーし、スウェーデン代表としての正式デビューを達成した。2025年11月には新監督グラハム・ポッターのもとで行われたFIFAワールドカップ2026欧州予選グループ戦の2試合に出場している。

2026年FIFAワールドカップとスウェーデン代表

スウェーデン代表は欧州予選グループ戦で0勝2分4敗と苦しみながらも、UEFAネーションズリーグ上位の実績でプレーオフ出場権を獲得した。2026年3月のプレーオフではウクライナとポーランドを連破し、2大会ぶり13回目のW杯出場を決めた。2026年5月12日、ゼネリはスウェーデン代表の2026年FIFAワールドカップ本大会26名の招集メンバーに選出された。大会ではグループFに入り、オランダ代表、日本代表、チュニジア代表と同組となっている。グループF全試合はアメリカとメキシコで開催される。

グループFの試合日程

スウェーデンのグループF試合日程は以下の通りである。ゼネリはいずれの試合にも招集メンバーとして帯同している。

  • 6月14日(日):スウェーデン対チュニジア|エスタディオBBVA(メキシコ・グアダルーペ)
  • 6月20日(土):オランダ対スウェーデン|NRGスタジアム(アメリカ・ヒューストン)
  • 6月25日(木):日本対スウェーデン|AT&Tスタジアム(アメリカ・アーリントン)

プレースタイルと特徴

ゼネリのプレースタイルは、精密なパス配球と豊富な運動量を組み合わせたボックス・トゥ・ボックス型ミッドフィールダーである。アルスヴェンスカン時代の2024シーズンにはSofascoreのリーグ内レーティングで最上位クラスの評価を受け、7本以上のアシストを記録するなど創造性も高い。ベルギー移籍後の2025-26シーズンでもxG関与率(npxG90)がリーグ上位98パーセンタイルに入るなど、チャンスメイクとゴール参加の質は高水準を維持している。身長178cmながら球際の競り合いにも積極的に臨み、守備面での貢献も厭わない。スウェーデン代表監督グラハム・ポッターが志向するポゼッション主体の戦術において、中盤でボールをつなぐ役割を担う存在として期待されている。

アイデンティティと家族

ゼネリ家はコソボのミトロヴィツァ近郊セラツ村に出自をもつアルバニア系一族であり、スウェーデンに移民として定住した。ベスフォルト・ゼネリはスウェーデンで生まれ育ち、スウェーデン国籍を保有する一方で、コソボ系としてのルーツにも強い自覚をもつとされる。兄アルベル・ゼネリ(1995年生まれ)はコソボ代表の常連メンバーとして知られ、IF・エルフスボリでプレーする右ウインガーである。兄弟ともにエルフスボリの育成組織で育ったことは、スウェーデンの地方クラブの育成力を示す例として注目される。国籍選択をめぐるFIFAへの変更申請プロセスは2025年2月に完了しており、以降スウェーデン代表として活動している。

主なキャリアスタッツ

2026年5月時点のゼネリの通算スタッツは以下の通りである。

クラブ シーズン 出場 ゴール アシスト
IF・エルフスボリ 2022-2025 93 4
ユニオン・サン=ジロワーズ 2025-26 16 3 3
スウェーデン代表 2025-2026 6 0

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