FIFA ワールドカップ 2026 パヴェル・シュルツ
パヴェル・シュルツ(Pavel Šulc、2000年12月29日生まれ)は、チェコ共和国出身のプロサッカー選手。ポジションはアタッキングミッドフィールダーで、フランス・リーグ1のオランピック・リヨンに所属し、チェコ代表のMFとしてFIFA ワールドカップ 2026に出場している。カルロビ・ヴァリに生まれ、ヴィクトリア・プルゼニでキャリアを積んだ後、2025年夏にリヨンへ移籍。移籍1年目のリーグ・アン(2025-26シーズン)で27試合11ゴールを記録するなど、即戦力として頭角を現した。2025年にはチェコ年間最優秀選手賞(チェコ版バロンドール)を受賞し、チェコサッカー界を代表する選手の一人に数えられる。身長177cmと中背ながら、豊富な運動量と強烈なミドルシュートを武器に持ち、「走れるトップ下」として国内外で高い評価を得ている。
基本プロフィール
パヴェル・シュルツは、チェコ西部のカルロビ・ヴァリ(カールスバート)で生まれた。身長177cm、体重はおよそ70kg。クラブ背番号はリヨンで10番、チェコ代表では15番を着用している。幼少期よりヴィクトリア・プルゼニのアカデミーで育ち、10代から才能が注目された。複数のローン移籍を経て技術を磨き、2023-24シーズンからプルゼニのトップチームで圧倒的な活躍を見せ始めた。攻撃的MFとしてトップ下を主戦場とするが、両サイドへの流動的な動きも持ち味で、チームの攻撃を幅広く司る。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 本名 | Pavel Šulc(パヴェル・シュルツ) |
| 生年月日 | 2000年12月29日(25歳) |
| 出身地 | カルロビ・ヴァリ(チェコ共和国) |
| 身長 | 177cm |
| ポジション | アタッキングミッドフィールダー(トップ下) |
| 所属クラブ | オランピック・リヨン(フランス) |
| 代表 | チェコ代表(背番号15) |
ヴィクトリア・プルゼニ時代
パヴェル・シュルツは2018-19シーズンにヴィクトリア・プルゼニとプロ契約を結んだが、当初はローン移籍を繰り返してキャリアを積んだ。FCヴィソチナ・イフラバ(2018-19)、SFCオパヴァ(2019-20)、SKディナモ・チェスケー・ブジェヨヴィツェ(2019-20・2020-21)と複数のクラブで経験を重ね、2022-23シーズンにはFKヤブロネツへローンされ32試合5ゴールを記録。プルゼニのトップチームで定位置を獲得したのは2023-24シーズンからで、チェスケー・ブジェヨヴィツェ戦でのハットトリックを皮切りに、同シーズンのリーグ戦で31試合18ゴールという圧倒的な数字を残した。翌2024-25シーズンも35試合15ゴールと好調を維持し、チェコ国内リーグでの通算得点は150試合超で36ゴールに達している。また、プルゼニの2023-24 UEFAヨーロッパ・カンファレンスリーグにも貢献し、同クラブのヨーロッパ史上初となるクォーターファイナル進出に力を尽くした。
オランピック・リヨンへの移籍
2025年8月4日、パヴェル・シュルツはフランス・リーグ1の名門オランピック・リヨンと4年契約を締結した。チェコのアカデミー出身選手がフランスのビッグクラブへ移籍するという異例のキャリアステップとして国内外で注目を集めた。リヨンでは即座にレギュラーポジションを掴み、2025-26シーズンのリーグ戦27試合で11ゴール3アシストというインパクトを残した。リーグ戦に加えてUEFAヨーロッパリーグやクープ・ド・フランスでも出場機会を得て、クラブ全体で合計38試合14ゴールを記録。プルゼニでの活躍がいわば「発射台」となり、フランスのトップリーグでもその得点力が衰えることなく発揮された。リヨン移籍後、ビッグクラブからの関心が高まっているとの報道もあり、ワールドカップでの活躍によってさらなる注目を集める可能性がある。
チェコ代表でのキャリア
パヴェル・シュルツはU-18からU-21まで各年代別代表で活躍し、合計35試合出場・6ゴールという実績を持つ。A代表デビューは2024年3月22日のノルウェー戦(親善試合)で、その後急速に不可欠な存在となった。同年9月10日のウクライナ戦(UEFAネーションズリーグ)では1試合2ゴールを挙げ、チェコの3-2勝利に貢献。2026年3月31日のワールドカップ欧州プレーオフ・デンマーク戦でも先制ゴールを決め、試合は延長の末2-2で終了したが、PK戦でチェコが3-1で勝利して2006年以来20年ぶりのワールドカップ出場権を獲得した。代表通算成績は21試合出場5ゴールで、攻撃の中核として欠かせない存在となっている。2025年にはチェコ年間最優秀選手賞を受賞しており、授賞式での感謝スピーチで愛猫への謝辞を述べたことが話題になった。
FIFA ワールドカップ 2026での役割
チェコはグループAに入り、開催国メキシコ、韓国、南アフリカと対戦する。パヴェル・シュルツは背番号15を着用し、5月31日に発表された26人のW杯メンバーに選出された。チームの攻撃を組み立てる司令塔として、キャプテンのトマーシュ・ソウチェクやエースのパトリック・シックと並ぶチェコ代表の顔ぶれとなっている。ミロスラフ・コウベク監督のもとでトップ下に位置し、ゴール前への飛び込みや強烈なミドルシュートでグループステージ突破の鍵を握る存在として期待されている。チェコはW杯本大会でチェコとして独立後の決勝トーナメント進出が未だ達成されておらず、シュルツの活躍が悲願達成の重要なカギとなる。
プレースタイルと特徴
パヴェル・シュルツの最大の特徴は「走れるトップ下」という点にある。トップ下を主戦場としながら、豊富な運動量で守備にも献身的に貢献する現代型アタッキングミッドフィールダーである。特に際立つのはゴール前への積極的な飛び出しと、ペナルティエリア外からの強烈なシュートで、チェコ代表・リヨンともに得点の多くがこのパターンから生まれている。ボールコントロールと狭いスペースでのターンも優れており、前線でのボールキープとラストパスの質も高い。UEFAの統計によれば、トップスピードは時速32.6kmに達し、平均走行距離も1試合あたり7.9kmとフィジカル面でも高い水準にある。球際のバトルを厭わない闘争心も評価されており、体格的なハンデを気迫とインテリジェンスでカバーする選手だ。
主な武器
シュルツの強みは多岐にわたるが、なかでも際立つのはゴール量産力である。チェコ国内リーグで通算36ゴール、リヨンでも初シーズンで11ゴールと、どの環境でも安定した結果を出し続けている。また、代表ではW杯予選プレーオフという大一番でゴールを決める勝負強さも持ち合わせており、大舞台での集中力も評価が高い。
- 強烈なミドルシュート:ペナルティエリア外からの思い切った射撃で多くのゴールを奪う
- ゴール前への飛び込み:タイミングの良いフリーランで相手DFの背後を突く
- 豊富な運動量:守備時のプレスバックも厭わず、チームの戦術的均衡を保つ
- 勝負強さ:プレーオフやカップ戦など重要局面での得点実績が豊富
- テクニカルな足元:狭いスペースでの高速ターンとボールコントロール
受賞歴・主な実績
パヴェル・シュルツは2025年にチェコ年間最優秀選手賞を受賞し、トマーシュ・ソウチェクやルカーシュ・プロヴォドといった実績ある選手たちを抑えて選ばれた。わずか25歳での受賞はチェコサッカーにおける世代交代の象徴とも言われており、今後数年間にわたってチェコ代表の攻撃を牽引することが期待されている。クラブレベルでは、ヴィクトリア・プルゼニとともに2023-24 UEFAヨーロッパ・カンファレンスリーグのクォーターファイナルに進出。リヨンへの移籍後もリーグ・アンのアシスト・ゴール統計で上位にランクインするなど、クラブシーンでも実力を示している。代表ではW杯欧州プレーオフ2試合で決定的な役割を果たし、チェコのFIFA ワールドカップ 2026出場に直接貢献した。
所属クラブ歴
パヴェル・シュルツはヴィクトリア・プルゼニ一筋で育ちながら、複数のローン移籍でチェコ各地のクラブを経験した。この遠回りとも見える経緯が選手としての幅広い経験と逞しさを育て、最終的にプルゼニで大ブレイクを果たす土台となった。
- 2017–2025 ヴィクトリア・プルゼニ(チェコ)
- 2018-19 FCヴィソチナ・イフラバ(ローン、チェコ):16試合3ゴール
- 2019-20 SFCオパヴァ(ローン、チェコ):15試合0ゴール
- 2019-21 SKディナモ・チェスケー・ブジェヨヴィツェ(ローン、チェコ):計15試合3ゴール
- 2022-23 FKヤブロネツ(ローン、チェコ):32試合5ゴール
- 2025- オランピック・リヨン(フランス):27試合11ゴール(2025-26リーグ戦)
チェコのワールドカップ2026出場経緯
チェコは欧州予選でクロアチアに次ぐグループ2位に終わり、プレーオフ経由での出場権獲得を目指した。2025年12月に就任したミロスラフ・コウベク監督(74歳)が初指揮を執ったプレーオフでは、まずアイルランドとの準決勝で2点ビハインドから逆転し、PK戦で勝利。続くデンマークとの決勝でもパヴェル・シュルツがゴールを決めて2-2の引き分けに持ち込み、PK戦3-1でデンマークを下した。この劇的な勝利により、チェコは2006年以来20年ぶりにワールドカップの舞台に帰還した。代表独立後(1994年以降)のワールドカップ出場はこれで2度目となり、前回2006年ドイツ大会ではグループステージで敗退している。今大会ではグループAでメキシコ、韓国、南アフリカと顔を合わせており、独立後初の決勝トーナメント進出を目指す。
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