FIFA ワールドカップ 2026 ニコラス・タグリアフィコ
ニコラス・タグリアフィコ(Nicolás Alejandro Tagliafico、1992年8月31日生まれ)は、アルゼンチン・ブエノスアイレス出身のプロサッカー選手である。ポジションは左サイドバック(DF)。フランスのリーグ・アンに所属するオリンピック・リヨンでプレーし、サッカーアルゼンチン代表の不動のレギュラーとして活躍してきた。身長171cmとサイドバックとしては小柄ながら、スピードを活かした積極的な攻撃参加と闘志あふれる守備で高く評価される。2022年のカタール大会でチームのFIFAワールドカップ優勝に貢献し、2026年北中米大会にも選出された。国際Aマッチ通算75試合1得点(2026年6月時点)を記録するアルゼンチン守備陣の柱である。
経歴
タグリアフィコはアルゼンチンのCAバンフィエルドでプロキャリアをスタートさせた。2012年にはスペインのレアル・ムルシアへのレンタル移籍も経験している。2015年にCAインデペンディエンテへ完全移籍し、2017年にはコパ・スダメリカーナ制覇に貢献した。同年の南米選手権「スーペルクラシコ・デ・ラス・アメリカス」でもアルゼンチン代表の一員としてタイトルを獲得している。この活躍が認められ、2018年1月にオランダの名門アヤックス・アムステルダムへと完全移籍。移籍金は約400万ユーロだったとされる。
アヤックス時代の躍進
アヤックスでのタグリアフィコは主力として不可欠な存在となり、公式戦通算137試合に出場した。最大の輝きを放ったのが2018-19シーズンで、エリク・テン・ハフ監督率いるアヤックスは国内2冠(エールディヴィジ・KNVBカップ)を達成しただけでなく、UEFAチャンピオンズリーグでは準決勝まで進出するという快挙を成し遂げた。レアル・マドリードやユベントスを撃破して欧州の頂点に迫ったこの歴史的な躍進において、タグリアフィコは左サイドバックのレギュラーとして数々の試合に先発出場し、チームの攻守両面を支えた。2020-21、2021-22シーズンにも国内2冠を重ね、アヤックスでの通算タイトルはエールディヴィジ3度・KNVBカップ2度に上る。2022年7月、フランスのオリンピック・リヨンへ移籍金約420万ユーロで移籍した。
プレースタイルと特徴
タグリアフィコの最大の武器はスピードを活かしたダイナミックな攻撃参加にある。171cmという体格ながら、持ち前のフィジカルとメンタルの強さで対人守備でも相手を圧倒するシーンが多く、チームメイトや監督からの信頼が厚い。左足のクロス精度も高く、サイドを深くえぐってからのグラウンダーや浮き球のクロスはアタッカーにとって有効な供給源となる。守備面ではタックルとインターセプトを高い頻度で記録しており、リーグ・アン 2025-26シーズンでは90分あたり1.92回のタックルと1.44回のインターセプトを記録した。また、攻撃参加の積極性からファウル数もやや多い傾向があり、カード管理が課題として挙げられることもある。
アルゼンチン代表での歩み
タグリアフィコはユース年代からアルゼンチン代表に選出されており、2011年のFIFA U-20ワールドカップ(コロンビア開催)にも参加している。A代表では2018年のロシア大会代表メンバー23名に選出されたのが初のワールドカップ出場で、以来3大会連続でW杯のピッチに立つことになった。2021年のコパ・アメリカではブラジルを決勝で破り、アルゼンチン代表として28年ぶりとなる南米制覇を達成。2022年カタール大会では3試合でスタメン出場、3試合で途中出場し、2022FIFAワールドカップ優勝という歴史的な瞬間をピッチで経験した。2024年コパ・アメリカでも連覇に貢献しており、アルゼンチン代表の黄金時代を守備から支えてきた選手の一人である。
2026 FIFAワールドカップへの出場
2026年5月28日、リオネル・スカローニ監督はFIFA ワールドカップ 2026に臨むアルゼンチン代表最終メンバーを発表し、タグリアフィコが選出された。これで3大会連続・通算3度目のワールドカップ出場が確定した。2026年大会でのアルゼンチンはグループJに入り、アルジェリア・オーストリア・ヨルダンと同組となった。比較的勝ち抜きやすいグループと評される中、ディフェンディングチャンピオンとしての連覇を狙う。代表の最終メンバーには、GKエミリアーノ・マルティネス、DFリサンドロ・マルティネスやクリスティアン・ロメロ、MFアレクシス・マック・アリスター、FWリオネル・メッシやラウタロ・マルティネス、フリアン・アルバレスらが名を連ねており、現時点でのアルゼンチン代表は世界屈指の陣容を誇る。
日本代表への特別な思い
2025年12月に行われたFIFA ワールドカップ 2026 組み合わせ抽選の際、タグリアフィコはストリーミング配信の中で「対戦したい国」を問われた際に日本を名指しした。「日本のユニフォームが欲しいからね。彼らは本当にタフなチームで、ワールドカップの常連で結果も残している。日本の文化にもとても愛着があるんだ。決勝で対戦できたら最高だ」と語り、実際に日本を私的に訪問して相撲部屋を体験するほどの日本通として知られる。また同インタビューではFIFA ワールドカップ 2026 日本代表について「あと数回ワールドカップに出場すれば強豪になる。欧州でプレーする選手が各ポジションに揃っており、数年後には大きく飛躍するだろう」と高く評価している。
リヨンでの現状と移籍動向
タグリアフィコは2022年夏からオリンピック・リヨンに在籍し、2027年6月まで契約が残っている。リーグ・アンでは主力左サイドバックとしてプレーしており、2025-26シーズンも20試合以上に出場してアシストを記録している。一方でリヨンは財政状況の悪化が長く報じられており、タグリアフィコ自身の移籍も取り沙汰されてきた。アルゼンチンのリーベル・プレートが獲得を目指しているとの報道もあったが、本人は当面の欧州残留を望んでいるとも伝えられている。ワールドカップ出場を控えたこの時期は代表でのパフォーマンスを最優先とし、大会後にクラブの去就が正式に動き出す可能性が高い。
獲得タイトル一覧
タグリアフィコがこれまでのキャリアで獲得した主なタイトルは以下の通りである。クラブとアルゼンチン代表双方で複数の栄冠を手にしており、その実績はトップレベルの証明となっている。
- コパ・スダメリカーナ(2017/インデペンディエンテ):南米の第2カップ戦制覇。アルゼンチン国内での地位を確立する契機となった。
- エールディヴィジ3回(2018-19、2020-21、2021-22/アヤックス):オランダリーグを3度制覇。CLでの活躍とともに欧州での名声を高めた。
- KNVBカップ2回(2018-19、2020-21/アヤックス):国内カップ戦も複数回制覇し、アヤックス黄金期の一翼を担った。
- スーペルクラシコ・デ・ラス・アメリカス(2017/アルゼンチン代表):南米の伝統的なアルゼンチン対ブラジルの対抗戦での勝利。
- コパ・アメリカ(2021、2024/アルゼンチン代表):2021年ブラジル大会での28年ぶりの南米制覇と2024年連覇に貢献。
- フィナリッシマ(2022/アルゼンチン代表):欧州王者イタリアとの一戦でも勝利し、世界最強チームの一員としての誇りを示した。
- FIFAワールドカップ(2022/アルゼンチン代表):カタール大会で36年ぶりの世界制覇。FIFAワールドカップ2026では連覇に挑戦する。
基本データ
タグリアフィコの基本的なプロフィールと移籍歴を以下にまとめる。アルゼンチン国内から欧州への歩みと、代表通算キャップ数の多さがそのキャリアの幅広さを示している。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| フルネーム | Nicolás Alejandro Tagliafico |
| 生年月日 | 1992年8月31日 |
| 出身地 | アルゼンチン・ブエノスアイレス |
| 身長 | 171cm |
| ポジション | DF(左サイドバック) |
| 現所属クラブ | オリンピック・リヨン(フランス) |
| 代表通算 | 国際Aマッチ75試合1得点(2026年6月時点) |
| 主な移籍歴 | バンフィエルド → インデペンディエンテ(2015)→ アヤックス(2018)→ リヨン(2022) |
| W杯出場 | 2018年・2022年・2026年(3大会連続) |
コメント(β版)