FIFA ワールドカップ 2026 シルヴァン・ヴィドマー
シルヴァン・ヴィドマー(Silvan Dominic Widmer、1993年3月5日生まれ)は、スイス・アーラウ出身のプロサッカー選手である。ポジションは右サイドバックで、ドイツ・ブンデスリーガの1.FSVマインツ05に所属し、同クラブのキャプテンを務める。スイス代表においては右サイドバックの不動のレギュラーとして長年定位置を確立しており、攻守のバランスに優れたプレースタイルを持つベテランDFとして評価が高い。身長183cm・体重79kg・右利き。2026年5月20日に発表されたスイス代表の26名のワールドカップ登録メンバーに選出され、FIFA ワールドカップ 2026のグループBにおいてチームの右サイドを担う役割を果たしている。
選手プロフィール
シルヴァン・ヴィドマーは1993年3月3日、スイス北部のアーラウに生まれた。身長183cm、体重79kgの右利き右サイドバックで、1.FSVマインツ05では背番号30を着用する。豊富なスタミナと広範な運動量を武器とし、守備から攻撃への切り替えの速さが際立つバランス型サイドバックである。ボールを奪った直後に右サイドへ開いてパスコースを提供する動きはスイス代表のカウンターアタックの出口として機能しており、戦術的な貢献度が高い。マーケット評価額は250万ユーロ(2026年時点)とされている。
クラブ経歴
シルヴァン・ヴィドマーはSVウレンロスのユースでサッカーを始め、地元クラブのFCアーラウのユースへと移籍。2010-11シーズンにトップチーム昇格を果たし、2011年7月23日のFCヴィンタートゥールとの親善試合でプロデビューを果たした。2012年夏にセリエAのウディネーゼ・カルチョへ移籍し、イタリアで約6年間プレー。ウディネーゼでは2013-14シーズンから5シーズンにわたりリーグ戦に出場し、特に2014-15シーズンは36試合に出場して2得点を記録するなど主力の一角を担った。その後2018年7月にFCバーゼルと4年契約を締結して故郷スイスへ凱旋し、2018-19シーズンにはスイスカップ優勝に貢献した。バーゼルでは通算3シーズンで85試合に出場し、3得点を記録している。2021年7月9日、ドイツ・ブンデスリーガの1.FSVマインツ05と3年契約を締結。マインツでは持ち前の運動量と守備貢献が評価され、キャプテンに任命されてクラブの顔となっている。2023年5月には怪我の影響でシーズンを棒に振るなか2026年6月30日までの契約延長が発表され、クラブへの信頼関係を示した。
クラブ通算主要成績
ウディネーゼ時代の5シーズン(2013〜2018年)で合計131試合・6得点を記録した。バーゼル時代の3シーズン(2018〜2021年)では85試合・3得点・スイスカップ優勝1回を達成。マインツ移籍後(2021年〜)は安定した出場機会を確保しており、初シーズンの2021-22には33試合・4得点という高水準の攻撃参加を記録している。
| シーズン | クラブ | リーグ試合 | 得点 |
|---|---|---|---|
| 2014-15 | ウディネーゼ | 36 | 2 |
| 2018-19 | バーゼル | 31 | 1 |
| 2021-22 | マインツ | 33 | 4 |
| 2022-23 | マインツ | 26 | 2 |
| 2023-24 | マインツ | 20 | 1 |
代表経歴
シルヴァン・ヴィドマーはスイスのU-19代表およびU-21代表でプレー経験を持ち、2014年10月12日のUEFA EURO 2016予選のサンマリノ戦でシニア代表デビューを果たした。以降、スイス代表の右サイドバック第一候補として定着し、2022年のFIFAワールドカップ・カタール大会ではスイス代表として初のワールドカップ出場を経験した。当時のカタール大会では圧倒的な走行量とスプリント数でブンデスリーガ上位を記録するなど、そのタフネスがワールドカップの短期決戦でも存分に発揮された。UEFAユーロ2024でもスイス代表の一員として出場し、チームはベスト8進出を果たした(準々決勝のイングランド戦で敗退)。国際Aマッチ通算出場数は40試合を超え(2026年大会時点)、スイス代表において経験豊富なベテランとしてチームを牽引する存在となっている。
FIFA ワールドカップ 2026での役割
2026年5月20日、シルヴァン・ヴィドマーはムラト・ヤキン監督が発表したスイス代表26名のワールドカップ登録メンバーに選出された。スイスはグループBに入り、カナダ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、カタールと同組となった。ヴィドマーは初戦(6月13日、カタール戦)からスタメンに名を連ね、右サイドバックの正守護として試合に出場。この試合ではスイスが1-1で引き分けた。続く第2戦のボスニア・ヘルツェゴビナ戦(6月18日)でもスターティングメンバーとして先発し、チームの右サイドを主導した。この試合でスイスは4-1で快勝し、決勝トーナメント進出に向けて大きく前進した。大会全体を通じてヴィドマーは右サイドの守備安定と攻撃参加の両面で貢献しており、ワールドカップ2026における重要なピースとなっている。
プレースタイルと特徴
シルヴァン・ヴィドマーのプレースタイルは「バランス型右サイドバック」と評されることが多い。最大の武器はそのスタミナと走力であり、2022年のブンデスリーガシーズンではダヴィド・ラウムに次ぐリーグ2位となるスプリント数976回、さらにインテンシブラン(高強度ランニング)ではリーグ1位となる2800回を記録した。このタフネスは短期決戦のワールドカップに適した特性である。戦術的には守備から攻撃への切り替えの局面でサイドに開きパスコースを作る動きが特徴的で、スイスのカウンターアタックの出口として機能することが多い。怪我をしにくい体質を持ち、フル稼働が期待できる「鉄人」としての側面も高く評価されている。グループステージでの試合では85.67%というパス成功率と平均32.42km/hというトップスピードを記録している。
マインツ05でのキャプテンシー
シルヴァン・ヴィドマーはマインツ05においてキャプテンマークを巻く存在となっており、ピッチ内外でクラブを代表するリーダーシップを発揮している。2021年にマインツへ加入した際、クラブ首脳陣は「複数の守備システムへの対応力、スピード、推進力を兼ね備えたプレーヤーで、まさに我々の目指すサッカーにマッチしている」と評価を表明した。マインツでは佐野海舟ら日本代表選手ともチームメイト関係にあり、国際色豊かなクラブ環境の中でも中心選手として定着している。2023年5月の契約延長では本人も「加入初日からマインツとこの街でとても快適に過ごすことができた。マインツは素晴らしいクラブだ」とコメントしており、クラブへの強い愛着を示している。
スイス代表チームにおける位置づけ
ムラト・ヤキン監督が率いるスイス代表において、シルヴァン・ヴィドマーは右サイドバックの第一選択肢として長年機能している。スイス代表は組織的な守備と安定した中盤を特徴とするチームであり、グラニト・ジャカをキャプテンに据えながら、マヌエル・アカンジやニコ・エルヴェディといった国際舞台で実績を持つDFが最終ラインを形成する。ヴィドマーはその右サイドを担い、ダン・エンドイエなど前線のアタッカーへの効果的なサポートを提供する役割を担っている。欧州予選でもスイスのグループステージ1位通過に貢献しており、FIFAランキング15位のスイスが本大会でさらに上位に進出できるかどうか、ヴィドマーの右サイドの安定が重要な鍵を握る。
グループB突破への展望
スイスはFIFA ワールドカップ 2026のグループBでカナダ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、カタールと対戦する。グループ第1節のカタール戦(6月13日)は1-1のドロー、第2節のボスニア・ヘルツェゴビナ戦(6月18日)は4-1の快勝という結果を収め、シルヴァン・ヴィドマーはいずれの試合にも先発出場を果たした。ボスニア・ヘルツェゴビナ戦では第19分にヴィドマーがダン・エンドイエへのパスを供給してチャンスを演出するなど、攻撃的な動きも見せた。スイスは決勝トーナメント進出に向けて有利な立場にあり、ヴィドマーの安定した右サイドの守備がその鍵を握っている。33歳でのワールドカップ参加は、キャリアの集大成とも言える舞台であり、スイス代表のベテランとして若手選手を支えながら最高の結果を追い求めている。
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