FIFA ワールドカップ 2026 サウド・アブドゥルハミド サウジアラビア代表
サウド・アブドゥルハミド(アラビア語:سُعُود عَبْد الله سَالِم عَبْد الْحَمِيد、1999年7月18日生まれ)は、サウジアラビア出身のプロサッカー選手。ポジションは右サイドバック。フランス・リーグ1のRCランスに所属し、サウジアラビア代表の主軸を担う。サウジ人として初めてシリーズA(イタリア)およびリーグ1(フランス)でプレーした先駆者であり、26名のW杯メンバーの中で唯一の海外組として、FIFAワールドカップ2026北中米大会に臨んだ。
選手プロフィール
サウド・アブドゥルハミドは1999年7月18日、サウジアラビアのジェッダに生まれた。身長178cm、体重は73kg。右利きで、右サイドバックを主戦場とする。縦への推進力とクロス精度を兼ね備えた攻撃的なサイドバックとして評価されており、守備時の対人能力と高い運動量も特徴とされている。
クラブキャリア
サウド・アブドゥルハミドはアル・イテハドでキャリアをスタートさせ、2022年にアル・ヒラルへ移籍。アル・ヒラルでは国内6タイトルを獲得した。2024年8月、イタリアの名門ASローマに約250万ユーロで移籍し、サウジ人として初めてセリエAでプレーする歴史的偉業を達成した。ローマでは出場機会が限られたものの、2025年8月にフランスのRCランスに1シーズンのローン移籍(買い取りオプション付き)が決定した。
RCランスでの活躍と記録更新
RCランスでの2025-26シーズンは、アブドゥルハミドにとって欧州での真の飛躍となった。2025年8月にリーグ1でサウジ人初出場を記録すると、同年12月にクープ・ド・フランスで初アシスト、2026年3月8日のメッツ戦(3-0勝利)ではリーグ1サウジ人初得点をマーク。シーズン通算ではリーグ1に18試合出場し2ゴール4アシストを記録した。チームはパリSGを追いかけての優勝争いに加わり、5月22日のクープ・ド・フランス決勝にも先発出場してタイトル獲得に貢献した。
アジア最終予選とW杯出場
AFC最終予選でサウジアラビアは日本と同じグループCに入り、3勝4分3敗で3位に終わった。プレーオフを経て3大会連続7度目のW杯出場権を獲得。アブドゥルハミドは右サイドバックとして予選全体を通じてレギュラーポジションを守り続けた。また、W杯本大会メンバー26名の中でRCランス所属の彼だけが唯一の海外組として選出された。
2026年W杯メンバー選出と大会前の出来事
サウジアラビアサッカー連盟(SAFF)は2026年6月1日に本大会メンバー26名を発表した。ただし、大会直前にはアブドゥルハミドがオランダ滞在中に車の盗難被害に遭い、パスポートも紛失するトラブルが発生した。事前合宿への合流が遅れるというアクシデントがあったものの、最終的に無事に本大会への参加が確定した。また、4月にはエルヴェ・ルナール前監督が解任され、ギリシャ人のヨルゴス・ドニス監督が就任するという体制変更の中での出場となった。
グループH対戦成績
サウジアラビアはグループHにてスペイン、ウルグアイ、カーボベルデと同組となった。アブドゥルハミドは全3試合に先発出場した。大会を通じてチーム最多の75パス数を記録し、ラインブレーク成功数でもチームトップの21回を誇った。
| 節 | 日付 | 対戦相手 | 結果 | 会場 |
|---|---|---|---|---|
| 第1節 | 2026年6月15日 | ウルグアイ | 1-1 △ | マイアミ・スタジアム |
| 第2節 | 2026年6月21日 | スペイン | 0-4 ● | アトランタ・スタジアム |
| 第3節 | 2026年6月26日 | カーボベルデ | 0-0 △ | ヒューストン・スタジアム |
第1節 vs ウルグアイ(1-1)
グループH初戦は格上のウルグアイを相手に序盤から劣勢を強いられたが、前半41分にアル・アムリがセットプレーのこぼれ球を押し込んで先制。後半に入ってウルグアイの猛攻を受け、80分にアラウホに同点弾を許したものの、最後まで守り抜き勝ち点1を獲得した。アブドゥルハミドは右サイドバックで先発出場し、アディショナルタイムに交代するまでチームの守備を支えた。
第2節 vs スペイン(0-4)
第2節では欧州王者スペインと対戦し、5バックシステムで挑んだが守備陣が崩壊した。前半10分にラミン・ヤマルに先制を許すと、同21分・24分にオヤルサバルに連続ゴールを奪われ、後半4分にはオウンゴールも生まれて0-4の完敗となった。前半を通じてサウジアラビアのシュート数は0本で、ボール保持率も26%に留まった。アブドゥルハミドは先発出場したが、スペインの攻撃陣の前に右サイドで翻弄される場面が続いた。
第3節 vs カーボベルデ(0-0)
グループ突破には勝利が必要だった第3節、サウジアラビアはカーボベルデと対戦した。後半にカーボベルデのケビン・ピナら攻撃陣に決定機を作られながらも、GKアル・オワイスを中心とした守備が耐え抜いた。しかし攻撃面でも最後まで得点を奪えずスコアレスドローに終わり、サウジアラビアは勝ち点2でグループH最下位(4位)となりグループステージ敗退が決定した。
代表キャリアと国際大会経歴
アブドゥルハミドは2019年9月5日にシニア代表デビューを飾り、2022年のカタールW杯では全3試合に先発出場。歴史的なアルゼンチン撃破(2-1)にもフル出場で貢献した。2024年のAFCアジアカップでは4試合に出場し、個人賞「チームオブトーナメント」の佳作にも選ばれた。2026年大会は自身2度目のW杯であり、11月2025年時点で代表通算51キャップを記録している。
プレースタイル
サウド・アブドゥルハミドの最大の特徴は、右サイドバックとしての攻守両面での貢献度の高さにある。前線への推進力とオーバーラップからの精度の高いクロスが武器で、2026年W杯のチームスタッツでは最多パス数(75回)と最多ラインブレーク成功数(21回)でチームトップに立った。守備面では高い対人能力と読みの鋭さを持ち、欧州トップリーグでの経験がサウジアラビアサッカーの水準を引き上げることへの期待も大きい。
主な獲得タイトル
アブドゥルハミドのクラブでの主な獲得タイトルは以下のとおりである。アル・ヒラル時代にはサウジ・プロフェッショナルリーグ(2022-23、2023-24)、キングズカップ(2022-23、2023-24)、サウジ・スーパーカップ(2023、2024)の計6タイトルを獲得。RCランスでは2025-26シーズンにクープ・ド・フランスを制し、欧州での初タイトルを手にした。
- サウジ・プロフェッショナルリーグ(アル・ヒラル):2022-23、2023-24
- キングズカップ(アル・ヒラル):2022-23、2023-24
- サウジ・スーパーカップ(アル・ヒラル):2023、2024
- クープ・ド・フランス(RCランス):2025-26
サウジサッカーのパイオニアとして
サウド・アブドゥルハミドは、サウジアラビアのフットボール史において複数の「初」を刻んだ選手である。2024-25シーズンのASローマ在籍時にセリエA初出場・初得点を達成し、2025-26シーズンのRCランスではリーグ1での初出場・初得点・初アシストをすべて単独で達成した。サウジ・プロリーグ国内組が25名を占める2026年W杯メンバーの中で、欧州の最前線でプレーし続けるその姿は、次世代選手にとって大きなロールモデルとなっている。
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