FIFA ワールドカップ 2026 アダム・デイヴィス|スコットランドの守護神、W杯の舞台へ

FIFA ワールドカップ 2026 アダム・デイヴィス

アダム・デイヴィス(Adam Rhys Davies、1992年7月17日生まれ)は、ウェールズ出身のプロサッカー選手で、ポジションはゴールキーパー。イングランドのEFLチャンピオンシップに所属するシェフィールド・ユナイテッドでプレーし、ウェールズ代表としても国際舞台に立った。ドイツのニーダーザクセン州リンテルンで生まれ、父が英国軍に従軍していたためドイツ生まれとなったが、まもなく一家はイングランドのウォリントンへ移住。エヴァートンのアカデミーで育ったのち、バーンズリー、ストーク・シティ、シェフィールド・ユナイテッドとイングランドの下位リーグを着実に歩み、実直な守護神として地位を確立した。代表ではウェールズのGK第3候補として位置づけられ、2026年FIFA ワールドカップ 2026出場権獲得を目指した欧州プレーオフのスカッドに名を連ねたが、ウェールズはボスニア・ヘルツェゴビナとのプレーオフ準決勝をPK戦の末に落とし、本大会への切符を手にすることはできなかった。

人物・基本情報

アダム・デイヴィスは1992年7月17日、当時英国陸軍に在籍していた父親の赴任先であるドイツ・ニーダーザクセン州リンテルンで生まれた。家族はほどなくイングランド北西部のウォリントンへ移り、デイヴィスはそこで育った。身長185cm、体重75kgと均整の取れた体格を持ち、右利きのゴールキーパーとして知られる。ウォリントンではグレート・サンキー高校に通い、当初はラグビーリーグにも打ち込んでいたが、次第にサッカーへ専念するようになった。その素質を認められ、14歳でエヴァートンのユースアカデミーに加入。2009-10シーズンにはアカデミーのプレーヤー・オブ・ザ・イヤーに輝くなど才能を示した。ウェールズ代表資格は家族のルーツを通じて取得しており、ドイツ生まれながらウェールズ国籍を保持する。

エヴァートン・シェフィールド・ウェンズデー時代

アダム・デイヴィスは14歳でエヴァートンのアカデミーに加入し、2008-09シーズンからアンダー18のチームにも顔を出した。しかし2012年5月にリリースとなり、トップチームでの出場機会を得ることなくアカデミーを離れた。同年10月、チャンピオンシップのシェフィールド・ウェンズデーと月単位の契約を結び、守護神クリス・カークランドのバックアップとして加入。2012-13シーズン、2013-14シーズンを通じてベンチに名を連ねたが、公式戦でピッチに立つ機会はなかった。2014年6月に契約満了でクラブを去り、キャリアの転機を求めて新天地を探すことになった。

バーンズリー時代

2014年6月、アダム・デイヴィスはリーグ・ワンのバーンズリーへ移籍し、本格的なプロキャリアをスタートさせた。初シーズンは25試合に出場し、チームは11位でシーズンを終えた。翌2015-16シーズンにはチームが躍進し、プレーオフ決勝でミルウォールを3-1で下してチャンピオンシップへの昇格を成し遂げた。クラブの副キャプテン、その後はキャプテンへと抜擢されたデイヴィスは、2017-18シーズンの降格を経験しながらも2018-19シーズンに46試合中42試合に先発し、クラブを再昇格へと導いた。この活躍によりEFLチーム・オブ・ザ・シーズン、PFAチーム・オブ・ザ・イヤー(リーグ・ワン)に選出され、バーンズリーの正GKとしての地位を不動のものとした。5シーズンで210試合以上に出場し、クラブの礎を支えた存在として記憶されている。

ストーク・シティ時代

2019年6月、アダム・デイヴィスはバーンズリーの同僚リアム・リンジーとともにチャンピオンシップのストーク・シティへ加入した。2019-20シーズンは第1GKのジャック・バットランドが負傷した2020年7月からリーグ終盤に出番を得て、ストークが降格を回避した連勝にも貢献。2020-21シーズン当初は正GKの座を掴んだが、10月にスウォンジー・シティ戦で膝を負傷し長期離脱を余儀なくされた。2021年3月に復帰し、21試合に出場してシーズンを14位で終えた。ストーク在籍中にファーストチームでの地位を確立し、キャリアをチャンピオンシップの定着組として積み上げた。

シェフィールド・ユナイテッド時代

2022年1月25日、アダム・デイヴィスは非公表の移籍金でシェフィールド・ユナイテッドへ加入した。クラブは当時チャンピオンシップに在籍しており、デイヴィスはセカンドGKとしての役割を担いながらも、出場機会があれば安定したパフォーマンスを発揮した。2023-24シーズンにはシェフィールド・ユナイテッドがプレミアリーグで戦ったが、デイヴィスの出番はバックアップ役にとどまった。2024年7月にはクラブが契約を1年延長することを公式に発表。2025-26チャンピオンシップシーズンでは、主にマイケル・クーパーの控えとして複数試合に出場している。

ウェールズ代表

アダム・デイヴィスのウェールズ代表初招集は2016年10月のことで、2018年FIFAワールドカップ欧州予選の対オーストリア・対グルジア戦に向けて負傷離脱したダニー・ウォードの代替として呼ばれた。代表デビューは2019年3月20日、ウェールズのレースコース・グラウンドで行われたトリニダード・トバゴとの親善試合で、ハーフタイムにウォードと交代して出場した。2020年10月にはブルガリア遠征の公式戦で79分からウェイン・ヘネシーに代わって出場し、競技面での初キャップも記録している。2021年のUEFA Euro 2020ではスカッド入りを果たしたが、第3GKの位置づけにとどまった。代表では一貫してカール・ダーロウ、ダニー・ウォードといった序列上位の選手の陰に隠れる形となりながらも、継続的に代表候補として名前を連ね続けた。

2022年カタール・ワールドカップ

アダム・デイヴィスは2022年11月のカタール大会に向けてウェールズ代表スカッドに選出された。ウェールズにとっては1958年大会以来64年ぶりのワールドカップ出場であり、国内外で大きな注目を集めた。デイヴィスはGK第3候補としてスカッドに加わったが、出場機会は得られなかった。ウェールズはグループBでアメリカ・イラン・イングランドとの同組となり、1勝1分1敗でグループステージ敗退。ダニー・ウォードが正GKを務め、デイヴィスはチームを裏から支えた。とはいえウェールズの64年ぶり本大会出場という歴史的瞬間の当事者として、そのキャリアの誇りとなる経験を積んだ。

2026年ワールドカップ予選とプレーオフ

UEFA欧州予選グループでウェールズはベルギーに次ぐ2位でプレーオフ進出権を獲得したが、自動出場枠には届かなかった。アダム・デイヴィスは2026年3月のプレーオフに向けてクレイグ・ベラミー監督の26人スカッドに名を連ねた。準決勝の相手はボスニア・ヘルツェゴビナで、2026年3月26日にカーディフ・シティ・スタジアムで満員の観衆のもと試合が行われた。ウェールズはダニエル・ジェームズのゴールで先制し一時はワールドカップ最終戦出場まで4分に迫ったが、40歳のベテランFWエディン・ジェコが86分に同点ゴールを決め、試合は延長戦へ突入。延長30分でも決着せず、PK戦となったウェールズはブレナン・ジョンソンが枠外に外し、ネコ・ウィリアムズのシュートも相手GKに阻まれ4-2で敗北した。デイヴィスは正GKのダーロウを支えるバックアップ役として帯同したが、出場機会はなかった。この敗退によりウェールズの2026年大会出場は断たれた

プレーオフの経緯

  • 2026年3月26日、ウェールズ対ボスニア・ヘルツェゴビナのプレーオフ準決勝がカーディフで開催された。
  • 前半はスコアレス、後半にダニエル・ジェームズが先制ゴールを決め、ウェールズが1-0でリードした。
  • 86分にエディン・ジェコがコーナーキックに頭で合わせて同点とし、延長戦へ。
  • PK戦ではブレナン・ジョンソンが枠外、ネコ・ウィリアムズのシュートが相手GKに阻まれ、ウェールズは4-2で敗退した。
  • ウェールズはボスニア・ヘルツェゴビナに敗れ、2026年W杯本大会への出場権を逃した。

プレースタイルと特徴

アダム・デイヴィスはシュートストッピングの確かさと落ち着いた判断力を武器にするゴールキーパーである。バーンズリー時代には一対一の場面やPKセーブで再三チームを救い、リーグ・ワンのベスト11に選出されるまでの実力を示した。クロスボールへの対応では安定したポジショニングが評価される一方、フィールドプレー的な役割には慎重なアプローチを取る傾向がある。キャリアを通じてバックアップ役を担うことが多かったが、出番が回った際には高い集中力を維持して役割を果たしてきた。チームキャプテンを経験したバーンズリー時代には、ピッチ内外でのリーダーシップも発揮した。ウェールズ代表では第3GKという位置づけながらも、スカッドの士気を高める存在として評価されている。

主なキャリア統計

アダム・デイヴィスのクラブ通算出場数は2025年時点で263試合(失点304、クリーンシート90)に及ぶ。バーンズリーで210試合以上、ストーク・シティで41試合、シェフィールド・ユナイテッドで11試合以上を経験した。代表ではウェールズのシニアキャップが5〜7試合と複数ソースで若干の差があるが、いずれも得点なし。国際舞台での主な出場はバルガリア戦(2020年、ネーションズリーグ)や2022年ワールドカップスカッドなどである。

クラブ 在籍期間 出場数
シェフィールド・ウェンズデー 2012–2014 0
バーンズリー 2014–2019 210+
ストーク・シティ 2019–2022 41
シェフィールド・ユナイテッド 2022– 11+

個人情報・エピソード

アダム・デイヴィスはドイツ国籍とウェールズ国籍を二重に保持しており、いずれの資格でも国際試合に出場できる立場にあったが、ウェールズ代表を選択した。父親が英国軍人として赴任中にドイツで生まれたという生い立ちは珍しく、幼少期にはラグビーリーグも嗜んでいたという。エヴァートンのアカデミーでは2009-10シーズンのアカデミー・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーに輝いており、若い頃から確かな才能を見せていた。バーンズリーではクラブキャプテンを務め、2018-19シーズンの昇格に不可欠な存在となり、PFAリーグ・ワン年間最優秀イレブンに選出される快挙を成し遂げた。

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