FIFA ワールドカップ 2026 チュニジア代表|北アフリカの雄、頂点への挑戦

FIFA ワールドカップ 2026 チュニジア代表

FIFA ワールドカップ 2026 チュニジア代表は、北アフリカに位置するチュニジアのサッカーナショナルチームが、2026年に北米3カ国(アメリカ・カナダ・メキシコ)共催で開催されるFIFAワールドカップ2026に臨む代表チームである。愛称は「カルタゴのワシ」。アフリカ予選を10試合9勝1分け・22得点無失点という圧倒的な成績で突破し、3大会連続7度目の本大会出場を果たした。グループFに入り、オランダ・スウェーデン・日本と同居する。日本とは6月20日(日本時間)のグループF第2節で激突する。

ワールドカップの歩みと歴史

チュニジア代表は1978年アルゼンチン大会でワールドカップに初出場し、その初戦でメキシコを3-1で下してアフリカ・アラブ圏として史上初のワールドカップ勝利を挙げた。その後も1998年・2002年・2006年と出場を重ねたが、いずれも勝ち点1でグループリーグ敗退を余儀なくされた。2010年南アフリカ大会最終予選では首位に立ちながら最終節で逆転突破を阻まれ、出場を逃した。2018年大会・2022年カタール大会では本大会に復帰。カタール大会グループリーグ最終戦では優勝候補フランスを1-0で下して話題を呼んだが、グループステージ敗退となり、過去6大会すべてで決勝トーナメントに届いていない。7度目の出場となる北中米大会では、悲願の初のラウンド進出が最大の目標となる。

2026年大会・アフリカ予選の軌跡

チュニジア代表はCAFアフリカ予選グループHに入り、サントメ・プリンシペ・マラウイ・赤道ギニア・リベリア・ナミビアを相手に10試合9勝1分けという圧倒的な成績で首位通過を決めた。特筆すべきは22得点・無失点という守備の堅固さであり、2025年9月にはアウェーでの赤道ギニア戦を1-0で制して2試合を残したまま本大会出場を確定させた。その後のホームでのナミビア戦も3-0で締めくくり、アフリカ予選最強クラスの成績を残した。一方、2025年1月のアフリカネーションズカップ(AFCON)ではラウンド16で敗退。この結果を受けて監督交代が断行され、フランス人のサブリ・ラムシ氏が新指揮官に就任した。ラムシ監督は現役時代パルマ・インテル・マルセイユ等でプレーし、フランス代表として12キャップを記録したMFである。指導者としてはコートジボワールを率いて2014年ブラジル大会に出場し、グループリーグ初戦で日本を破った経歴を持ち、日本にとっては因縁深い指揮官でもある。

戦術・スタイル

前監督時代はポゼッション志向のスタイルを採用していたが、ラムシ監督就任後は堅守速攻型へと大きく舵を切った。組織的な守備ブロックを形成し、ボール奪取後の鋭いカウンターを主軸とする現実的な戦術に移行している。アフリカ予選では10試合連続無失点を記録しており、守備の安定は本大会でも最大の武器となる。2022年カタール大会直前の親善試合ではブラジルに対して5バックを採用し、PKによる1失点のみに抑えるなど、強豪相手にもその守備力を証明した。フォーメーションは4-1-4-1が基本形だが、状況に応じて柔軟に変化させる。

注目選手

チームで最も注目を集めるのがMFハンニバル・メイブリ(バーンリー/イングランド)である。2003年生まれの23歳で、マンチェスター・ユナイテッドのユース出身という経歴を持ち、世代別ではフランスを選択していたがA代表ではチュニジアを選んだ。しなやかな身のこなしで相手守備を外し、絶妙なスルーパスを繰り出す中盤の核だ。「カルタゴの雷光」と称される英雄的な名を持つ選手であり、チームの攻撃面でカギを握る。MFエリス・スキリ(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)は1995年生まれのベテランボランチで、中盤を安定させる守備的な役割を担う。堂安律がフランクフルトで同僚であることも注目点だ。また、FWイッサム・ジェバリはガンバ大阪に所属するJリーガーであり、日本との対戦でも個人の打開力が脅威となる。

その他の注目若手

左ウィングのアダム・トゥネクティはノルウェー出身で、スコットランドの名門セルティックに所属する。前田大然の後継者として期待されるほどのスピードと技術を誇り、日本代表の右サイドバックにとって警戒すべき存在となる。アダム・ガルビはフランスとスペインのユースを経由してチュニジア代表を選択した左ウィングで、テクニックを活かしたドリブルとクロスが持ち味。MFラニ・ケディラはドイツ代表の名手サミ・ケディラの実弟であり、中盤での存在感を高めている。

グループFでの対戦と展望

FIFAワールドカップ2026のグループFは、チュニジアのほかにオランダ(FIFAランキング8位)・日本(18位)・スウェーデン(38位)で構成され、チュニジアはランキング45位。チュニジア国内リーグの複数監督が「極めて困難なグループ」と評価した一方で、チュニジアの史上初ラウンド進出の可能性を過小評価すべきでないとも口をそろえた。グループF内の試合日程は2026年6月14日から25日にかけて行われる。日本戦の会場はメキシコのモンテレイで、チュニジアにとっては第1節と同じ会場となるため、気候・移動面でのアドバンテージがある。日本は2002年日韓大会のグループリーグで当時のチュニジアに2-0で勝利した実績があるが、現在のチュニジアはそのときとは比べ物にならない組織力と欧州組選手を擁しており、油断は禁物である。

過去のワールドカップ成績

過去6度のワールドカップ出場においてチュニジアはすべてグループステージで敗退しており、決勝トーナメント進出経験がないアフリカ勢の中でも数少ないチームの一つである。1978年大会でのメキシコ撃破はアフリカ・アラブ初のW杯勝利として歴史に残る。2022年カタール大会では強豪フランスに対してグループリーグ最終戦で白星を挙げた。本大会での最高成績はグループリーグであり、北中米大会ではその壁を初めて突破できるかどうかが焦点となる。

大会 開催国 成績
1978年 アルゼンチン グループリーグ敗退
1998年 フランス グループリーグ敗退
2002年 日韓 グループリーグ敗退
2006年 ドイツ グループリーグ敗退
2018年 ロシア グループリーグ敗退
2022年 カタール グループリーグ敗退
2026年 北米3カ国 出場(グループF)

アフリカの強豪としての素顔

チュニジアサッカー連盟(FTF)は1956年の独立と同年に設立され、CAF(アフリカサッカー連盟)加盟国として長年アフリカの強豪としての地位を保ち続けてきた。2004年には自国開催のアフリカネーションズカップでモロッコを破って初優勝を果たし、アフリカ王者として翌2005年のFIFAコンフェデレーションズカップにも出場した。国内リーグのレベルも高く、主力選手の多くは欧州の主要リーグでプレーしている。「カルタゴのワシ」という愛称は、紀元前にチュニジアの地で地中海交易を支配した古代国家カルタゴに由来する。戦術的規律とチームワークで知られるチームは、アフリカネーションズカップでも複数回の準優勝を経験するなど、アフリカ大陸でも常に上位に位置する存在である。グループFでの戦いは、チュニジアサッカー史の新たな1ページを刻む機会となる。

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