FIFA ワールドカップ 2026 ベルギー代表
「赤い悪魔(レ・ディアブル・ルージュ)」の愛称で知られるFIFA ワールドカップ 2026 ベルギー代表は、欧州予選グループJを8試合無敗(5勝3分)で首位通過し、4大会連続15回目のワールドカップ出場を決めた。本大会ではグループGに配置され、エジプト・イラン・ニュージーランドと同居。2018年ロシア大会で史上最高位の3位を経験した世代が残りつつ、ジェレミー・ドクやシャルル・デ・ケテラーレら次世代の才能も台頭しており、ベテランと若手が融合した陣容でリュディ・ガルシア監督が指揮を執る。
ワールドカップの歴代成績
ベルギーは1930年のウルグアイ大会から3大会連続で本大会に出場したが、長らく目立つ成績を残せなかった。転機となったのは1986年メキシコ大会で、グループリーグ突破後に決勝トーナメントでソビエト連邦・スペインを連破してベスト4に進出。3位決定戦でフランスに敗れたものの、初めて4位を獲得した。その後は低迷期を経て、2014年ブラジル大会で3大会ぶりに本大会復帰を果たしてベスト8入り。そしてFIFA ワールドカップ 2026 ベルギー代表の前身ともいえる2018年ロシア大会では、決勝トーナメント1回戦で日本代表を2点差から逆転し(日本では「ロストフの悲劇」と呼ばれる)、ブラジルを準々決勝で2-1で撃破。準決勝でフランスに敗れたものの3位決定戦でイングランドを2-0で下し、史上最高の3位を達成した。一方、2022年カタール大会ではFIFAランキング2位での出場にもかかわらず、モロッコに敗れグループリーグで姿を消し、一つの時代の終わりを告げた。北中米大会はカタールの失敗を踏まえた再起の舞台となる。
欧州予選の戦いぶり
2026年大会の欧州予選でベルギーはグループJに振り分けられ、ウェールズ・北マケドニア・カザフスタン・リヒテンシュタインと対戦した。カザフスタンに6-0、リヒテンシュタインに7-0と大量得点を重ねるなど、予選8試合で29得点7失点という数字を叩き出し、全8試合無敗でグループ首位突破を達成した。この結果は、2024年EURO後に就任したドメニコ・テデスコ監督を解任し、2025年1月からリュディ・ガルシア監督を迎えた新体制が機能した証拠でもある。ガルシア監督はフランスのリールなど複数のビッグクラブを率いた経験を持ち、攻守のバランスを整えることでチームを立て直した。
登録メンバー
王立ベルギーサッカー協会(RBFA)は2026年5月15日、本大会に臨む26名のメンバーを発表した。GKにはティボー・クルトワ(レアル・マドリード)、センネ・ラメンス(マンチェスター・ユナイテッド)、マイク・ペンダース(ストラスブール)の3名が選ばれた。フィールドプレーヤーの選択はベテランと新世代の共存を意識した構成で、黄金時代を支えたアクセル・ヴィツェル(ジローナ)やトーマス・ムニエ(リール)も最後のワールドカップに臨む。MFではケビン・デ・ブライネ(ナポリ)が引き続きチームの軸を担い、アマドゥ・オナナ(アストン・ビラ)らが中盤を固める。攻撃陣はロメル・ルカク(ナポリ)とジェレミー・ドク(マンチェスター・シティ)、レアンドロ・トロサール(アーセナル)、シャルル・デ・ケテラーレ(アタランタ)ら多彩なタレントが並ぶ。また、スペインU-21代表からA代表ベルギーへの選択を決めた21歳のマティアス・フェルナンデス・パルド(リール)が初招集となった。
- GK:ティボー・クルトワ(レアル・マドリード)、センネ・ラメンス(マンチェスター・U)、マイク・ペンダース(ストラスブール)
- DF:ゼノ・デバスト(スポルティングCP)、アルトゥール・テアテ(フランクフルト)、ブランドン・メシェレ(クラブ・ブルージュ)、マキシム・デ・クーパー(ブライトン)、トーマス・ムニエ(リール)、コニ・デ・ビンター(ミラン)、ホアキン・セイス(クラブ・ブルージュ)、ティモシー・カスターニュ(フルハム)、ネイサン・ノイ(リール)
- MF:アクセル・ヴィツェル(ジローナ)、ケビン・デ・ブライネ(ナポリ)、ユーリ・ティーレマンス(アストン・ビラ)、ディエゴ・モレイラ(ストラスブール)、ハンス・バナケン(クラブ・ブルージュ)、アレクシス・サレマーカーズ(ミラン)、ニコラス・ラスキン(レンジャーズ)、アマドゥ・オナナ(アストン・ビラ)
- FW:ロメル・ルカク(ナポリ)、レアンドロ・トロサール(アーセナル)、ジェレミー・ドク(マンチェスター・C)、ドディ・ルケバキオ(ベンフィカ)、シャルル・デ・ケテラーレ(アタランタ)、マティアス・フェルナンデス・パルド(リール)
注目選手
チームの象徴は何といってもMFケビン・デ・ブライネである。ナポリに所属する34歳のゲームメーカーはパス精度・視野・ゲームコントロールにおいて世界最高峰の一人であり、チームの攻撃を設計する中核として機能する。一方、次世代を担う筆頭格がFWジェレミー・ドクだ。マンチェスター・シティ所属の23歳は一瞬で相手DFを置き去りにするトップスピードと変幻自在のドリブル技術を武器に、欧州予選でも存在感を示した。得点面ではFWロメル・ルカクが代表通算最多得点記録を持つ絶対的なストライカーとして君臨し、ゴール前での強さは世界屈指。さらに、アタランタで結果を出したFWシャルル・デ・ケテラーレは、動き出しとテクニックを融合させた万能型のアタッカーとしてデ・ブライネの後方から飛び出す動きが注目される。GKのティボー・クルトワはレアル・マドリードで磨いた反射神経と広い守備範囲でゴールを支え、チームに安定感を与える。
グループGの展望
FIFA ワールドカップ 2026のグループGでベルギーは、エジプト・イラン・ニュージーランドと対戦する。エジプトはモハメド・サラーを擁する実力国であり、イランも攻守に組織的なスタイルを持つが、ベルギーはグループ突破の最有力候補と目されている。グループステージの日程では6月15日にエジプトと初戦を行う予定となっている。ガルシア監督は「まずグループ首位突破を目標に置き、その後の対戦相手を見極めながら戦い方を考える」と慎重な姿勢を示している。前回カタール大会での早期敗退の反省から、守備面の堅実さを重視した戦術設計が予選でも効果を発揮しており、ベテランと若手の共存がどこまで機能するかがベスト8以上進出の鍵となる。
監督・リュディ・ガルシア
2025年1月に就任したリュディ・ガルシア監督はフランス・オーレックス出身の指導者で、リール、ローマ、マルセイユ、ナポリ、リヨン、ナポリ(再任)など欧州主要クラブでキャリアを積んできた。リール監督時代の2011年にはリーグ・アンとクープ・ド・フランスの二冠を達成し、指導者としての評価を確立した。ベルギー就任後は守備組織の整備と若手活用を推進し、就任からわずか数ヶ月でFIFAランキング9位のチームを欧州予選の無敗首位通過へと導いた実績は評価に値する。本大会では黄金世代との橋渡し役として新陳代謝を進めながら、チームの強みであるタレントの個人能力を最大限に引き出すマネジメントが求められる。
基本フォーメーション
ガルシア監督のもとでベルギーは4-3-3をベースとしつつ、局面に応じて4-2-3-1へと変形する柔軟なシステムを採用している。クルトワが守護神を務め、4バックの前にオナナとヴィツェルがダブルボランチ気味にフィルターを形成する。デ・ブライネはインサイドハーフまたはトップ下に位置し、試合を操る役割を担う。前線は左のドク、右のトロサールまたはデ・ケテラーレ、中央のルカクという構成が軸で、サイドからの崩しと中央へのクロス・コンビネーションで得点を狙う。グループ抽選の結果、比較的恵まれたグループに入ったことで、このシステムを試す余裕も生まれている。
黄金世代の功績と世代交代
2010年代のベルギーはエデン・アザール、ケビン・デ・ブライネ、ロメル・ルカク、ティボー・クルトワという世界トップレベルのタレントを同時に擁し「黄金世代」と呼ばれた。2018年ロシア大会後には3年以上にわたってFIFAランキング1位に君臨し、ワールドカップや大陸選手権の優勝経験がない国として同ランキング1位を獲得した唯一の例でもある。しかしアザールが2023年に現役を引退し、カタール大会でのグループリーグ敗退が「時代の終わり」を印象づけた。2026年大会は、残存する黄金世代の選手たちが北中米大会を現役最後の舞台と位置づける可能性が高く、ドクやデ・ケテラーレ、オナナら次世代への継承という側面でも歴史的な意味を持つ大会となる。
本大会の試合日程
グループGに入ったベルギーは、グループステージで以下の3試合を戦う。本大会の試合日程はアメリカを中心に展開されており、ベルギーの初戦は2026年6月15日のエジプト戦が予定されている。続いてニュージーランド戦、最終節がイラン戦という構成となる見込みである。グループ突破後はノックアウトステージへと進み、欧州や南米の強豪と激突する可能性がある。本大会ではフランス代表やスペイン代表などと山を形成しているため、決勝トーナメントで強豪と早期に当たるリスクも抱えているが、逆にグループステージで弾みをつけることができれば上位進出の現実味は十分にある。
| 節 | 対戦相手 | 予定日 |
|---|---|---|
| 第1節 | エジプト | 2026年6月15日 |
| 第2節 | ニュージーランド | 2026年6月19日頃 |
| 第3節 | イラン | 2026年6月23日頃 |
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