FEP(電気工事)|波付硬質合成樹脂管を用いた配管工事またはその管

FEP(電気工事)

FEP(電気工事)とは、電線管の一種である波付硬質合成樹脂管を用いた配管工事、またはその管そのものを指す呼称である。正式名称は「波付硬質ポリエチレン管(Flexible Electric Pipe)」で、地中に電線やケーブルを埋設する場面で広く使われている。管の外面が波形(コルゲート)に成形されているため、外圧に強く、しかも曲げやすい。国内ではNTTや電力会社の地中線路、公共工事の電線共同溝などで標準的に採用されてきた。

普及の経緯

地中配管の主役は、かつて鋼管や塩化ビニル管だった。硬質ビニル管(VE管)は直管で、1本の長さは4m。曲がりの多い現場では継手を何個も使う必要があり、施工に手間がかかった。1980年代に入り、ポリエチレンを素材とする波付管が登場すると、状況は変わる。リール巻きで現場に運び込み、そのまま溝へ敷設できるため、継手の数を大きく減らせたのである。

構造と材料

FEPは高密度ポリエチレン(HDPE)を主原料とする。外面は山と谷が連続する波形で、内面は平滑に仕上げた二重壁構造が主流である。波形部が土圧を受け止め、内面の平滑さがケーブル引き入れ時の摩擦を抑える。この組み合わせが、FEPの最大の特徴といえる。

色は用途で分けられている。一般には、電力用が黒や茶、通信用が青、といった具合に識別しやすくしてある。製品によって呼び径は30mmから250mm程度まで幅広い。

サイズと仕様の目安

代表的な規格を下表にまとめた。数値はメーカーにより多少異なるため、実際の設計では必ず最新のカタログで確認したい。

呼び径 内径の目安 外径の目安 標準長 主な用途
30 約30mm 約40mm 50m巻 引込線、分岐配管
50 約50mm 約65mm 50m巻 低圧ケーブル
100 約100mm 約130mm 50m巻、定尺 高圧ケーブル
150 約150mm 約195mm 定尺 幹線ケーブル

施工の流れと注意点

施工はまず、掘削した溝の底に砂を敷き、均一に整えるところから始まる。管を置いたら、継手でつなぎ、周囲を砂で埋め戻す。埋設深さは、車道で土被り0.6m以上、歩道なら0.3m以上が目安となる。管の上には埋設表示シートを敷き、将来の掘削事故を防ぐ。

実務で意外に差が出るのが、冬場の取り回しである。気温が5℃を下回ると、リール巻きの管は硬くなり、伸ばしてもクセが残りやすい。そこで現場では、日中の暖かい時間帯に敷設するか、あらかじめ日向に置いて柔らかくしてから作業する。夏場は逆に、直射日光で管が伸びるため、溝への据え付けは朝のうちに済ませたい。

接続方法

継手には、差込式と、接着や熱融着を用いるものがある。差込式は作業が早く、特別な工具もいらない。一方、止水性を重視する箇所では、専用の継手と防水テープを併用する。管の切断面はバリが残っているとケーブルの被覆を傷つけるため、ヤスリや面取り器で必ず整える。

VE管・CD管との使い分け

配管材はFEPだけではない。以下の観点で比較すると、選定の目安がつかみやすい。

  • FEP:地中埋設、長距離、曲がりが多い現場に向く。材料費はVE管よりやや高い
  • VE管(硬質ビニル電線管):直線が多い場所や露出配管に向く。継手が多くなる分、人件費が増える
  • CD管:コンクリート埋設専用で、地中直埋には使えない。オレンジ色が目印
  • PF管:屋内の隠ぺい配管用で、地中埋設には適さない

コスト感でいえば、材料単価はFEPがVE管より1〜2割高い傾向にある。ところが、継手と施工日数が減るため、総工費ではFEPが有利になる例も少なくない。

関連する規格

FEPに関連する国内規格としては、JIS C 3653(電力ケーブルの地中埋設の施工方法)や、JISに準じた各メーカーの社内規格が挙げられる。通信用途では、事業者ごとの仕様書が優先される場合もある。入札案件では、どの規格に適合した製品かを仕様書で確認するのが基本である。

よくあるトラブル

現場で多いのは、埋め戻し時の砂の突き固め不足による管の変形である。波付管は外圧に強いとはいえ、局所的に大きな石が当たれば、へこみが生じる。引き入れ予定のケーブルが通らなくなれば、再掘削になり、数十万円単位の損失につながりかねない。ほかにも、管端の養生を怠ったために、雨水や土砂が管内へ入り込む例がある。工事の途中でも、管口には必ず蓋をしておきたい。

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