中間接続|ケーブル中間を絶縁・防水で接続

中間接続

中間接続とは、配電・送電用ケーブルや制御ケーブルの途中で導体・絶縁・遮蔽・外被を再構成し、電気的・機械的・環境的連続性を確保する接続工法である。施工現場での延長、損傷部の更新、分岐、クロスボンド構成などを目的に実施され、接触抵抗の低さ、電界の均一化、耐湿・耐環境性、長期信頼性が同時に満たされねばならない。特にXLPEケーブルでは電界集中による局部放電や水トリーの抑制が重要で、応力制御部材と絶縁再現の品質が性能を左右する。

定義と目的

中間接続の第一の目的は、導体の連続導通と絶縁系の再現である。電気的には接触抵抗と電界歪を最小化し、熱的には発熱と熱サイクルに耐える構造とする。機械的には引張・曲げ・振動に対する余裕を持たせ、環境的には湿気・腐食・汚損・紫外線から保護する。

種類と適用範囲

  • 直線接続(ストレートジョイント):同一仕様ケーブルの延長を行う標準的な中間接続
  • 分岐接続(T接続):幹線から支線を取り出す接続。遮蔽・接地の取り回しが難度要因。
  • クロスボンド用接続:3相シースの相間接続を交差し循環電流と誘導電圧を管理する。
  • 耐火・防爆対応接続:トンネル・化学プラント向けに難燃・ガスシールを強化。

構成要素

  • 導体接続部:圧縮スリーブ(コンプレッション)、機械式コネクタ、溶接等。低抵抗と寸法安定が必須。
  • 絶縁再現材:加熱収縮(ヒートシュリンク)、常温収縮(コールドシュリンク)、エポキシ・シリコーン等のモールド樹脂。
  • 応力制御:半導電テープ・チューブ、成形ストレスコーンにより端部電界を緩和。
  • 遮蔽・シース:銅テープ・銅線遮蔽の継続、金属シース・遮水層の再成形と接地引出し。
  • 外被・防食:ポリオレフィン外被の再被覆、封止材、シールクランプ、防食テープ。

施工手順の要点

  1. 切断・端末加工:規定寸法で被覆・半導電層を剥ぎ、面取りと段差整形を行う。
  2. 導体圧縮・締結:規定圧着ダイス・トルクで施工し、バリ・隙間を除去。
  3. 絶縁再現:清浄・乾燥状態で部材を組み、層間に空隙を残さない。
  4. 応力制御:ストレスコーン等で端部電界を緩勾配化する。
  5. 遮蔽・接地:遮蔽の連続性を確保し、接地線を適切に引出す。
  6. 外被・シール:水密・ガス密を確保し、機械保護を復元する。

電界制御と絶縁再現

電力用中間接続では、半導電層端部の電界集中が故障原因になりやすい。成形ストレスコーンや抵抗率制御材で等電位化を図り、XLPE絶縁厚を不足なく再現する。層間に微小空隙が残ると局部放電の起点となるため、清掃・脱脂・圧入を徹底する。

端末処理との違い

終端は外部機器への接続・沿面距離確保が主眼であるのに対し、中間接続はケーブル構造を「元通り」に再構成することが本質である。よって外被・遮蔽・シースの連続性確保がより重要となる。

試験と検査

  • 外観・寸法検査:段差、面取り、圧縮痕、傷の有無を確認。
  • 導通・抵抗:接触抵抗の低さと左右相の均一性を確認。
  • 絶縁・耐圧・PD:敷設後のAC耐圧試験や局部放電(PD)測定で健全性を確認。
  • 気密・水密:シース試験、ヘリウムリーク、加圧保持など環境要件に応じて実施。

信頼性設計と熱管理

中間接続部は熱抵抗が上がりやすく、許容電流や短絡耐量を支配する。接触抵抗の最小化、熱伝導経路の確保、外被上の放熱条件、布設方法(地中・管路・トレイ)の評価が必要である。熱サイクルによる緩み・クリープも考慮し、締結方式や材質を選定する。

環境・劣化要因

  • 水分・湿気:水トリー、界面剥離の促進。水密・端末シールの完全化が必須。
  • 腐食・電食:シース金属部の腐食。異種金属接触や迷走電流を回避。
  • 機械応力:地盤沈下・熱伸縮・振動。余長と固定点配置で緩和。
  • 汚損・沿面:外被損傷部からの汚損進入を遮断し、清掃を徹底。

施工管理と安全

作業は停電・短絡接地・検電の安全手順下で実施する。部材ロット・工具校正・施工記録、写真記録、環境条件(温湿度・露点)の管理を行い、教育を受けた要員が標準作業手順書に従って施工することが、中間接続の品質を決定づける。

関連部材と選定指針

ヒート/コールドシュリンク、モールドジョイント、機械式コネクタ、半導電テープ・チューブ、防食シール、接地クランプ等を、電圧階級、導体断面、布設環境に適合させて選定する。互換性のない組み合わせは界面劣化を招くため、系統化されたキットの採用が望ましい。適切な設計・施工・試験が揃えば、中間接続は母線部と同等の長期信頼性を達成できる。