SUS303(18-8ステンレス鋼)|機械加工性に優れた耐食性のあるオーステナイト系ステンレス鋼

SUS303(18-8ステンレス鋼)

SUS303は、オーステナイト系の18-8ステンレス鋼であり、主に優れた機械加工性を持つことで知られている。このステンレス鋼は、主成分としてクロム(Cr)とニッケル(Ni)を含み、さらに硫黄(S)が添加されていることで加工性が向上している。SUS303は耐食性や強度も持ち合わせており、加工性が求められる自動車部品、機械部品、ボルトナットなどの用途で広く使用されている。18-8ステンレス鋼という名前は、クロムとニッケルの含有量がそれぞれ約18%と8%であることからきている。

SUS303の成分と特徴

SUS303は、約18%のクロムと8%のニッケルを主成分とするオーステナイト系ステンレス鋼である。これにより、高い耐食性と強度を持ち、特に硫黄が添加されているため機械加工性が向上している。硫黄の添加は切削時のチップの分断を助け、切削抵抗を低減する役割を果たしており、これにより加工の効率が向上する。この特性は、SUS304と比較しても明確であり、SUS303は特に自動旋盤加工などの機械加工を多用する用途に適している。また、ステンレス鋼特有の耐食性により、屋外や湿潤な環境でも安定した性能を発揮する。

用途と応用分野

SUS303は、その優れた加工性から、多くの機械加工が必要な部品に広く使用されている。例えば、自動車部品や各種機械装置の部品、ボルトナット、シャフトなどの用途に適している。また、食品機械や家庭用の器具、電気機器の部品としても利用されることが多い。SUS303の耐食性と加工性のバランスが良いため、複雑な形状が必要でありながらも耐久性が求められる環境での使用が多い。また、ステンレスの光沢が美しいため、装飾用の部品にも適している。

機械加工性と耐食性

SUS303の最大の特徴は、硫黄の添加によって機械加工性が大幅に向上している点である。硫黄の効果により、切削抵抗が低減し、特に高速での加工が可能となる。また、切削面の仕上がりも良好で、精密な加工が求められる部品に適している。一方で、硫黄の添加により、耐食性はSUS304よりも若干劣る場合があるが、一般的な使用環境においては十分な耐食性を持っている。耐食性が求められる環境下でも、適切な表面仕上げや保護処理を行うことで、その性能を十分に発揮できる。

SUS303のメリット

SUS303を含む18-8ステンレス鋼の利点は、まずその高い耐食性と機械的強度にある。クロムとニッケルの添加によって、高い耐食性を実現し、湿潤環境や酸性、アルカリ性の環境でも長期間にわたって使用が可能である。また、機械加工性に優れているため、特に複雑な形状を持つ部品の製造が容易であり、製造コストの低減にも寄与する。さらに、見た目にも美しい光沢があり、装飾的な用途にも適していることがこの合金の大きな特徴である。

課題と注意点

SUS303の使用にはいくつかの課題もある。まず、硫黄の添加により耐食性が若干低下するため、特に塩分が多い環境や強酸性環境では、SUS304に比べて錆びやすくなることがある。そのため、使用環境によっては防食処理や他の耐食性の高い合金の使用を検討する必要がある。また、硫黄の含有により溶接性が劣る点も注意が必要であり、溶接部での強度低下や割れが発生しやすいため、溶接が必要な場合には別の材料を選ぶか、適切な溶接技術を採用することが重要である。