研削加工
研削加工とは、硬くて微細な砥粒を埋め込んだ研削砥石(といし)を高速回転させることで、工作物をわずかずつ削っていく加工法でである。研削加工に用いられる機械を研削盤といい、研削工具を砥石といい、砥石は砥粒でできている。砥粒はきわめてかたい鉱物質で、通常の金属に加え、焼入れ鋼や超硬合金など、加工困難な材料の加工ができる。また、砥粒は微細でもろいガラス質のボンドで結合されているため、切削工具による切削面に比べて、はるかに良好で寸法精度を出すことができる。研削加工は、切削加工では実現しにくい高精度な寸法や滑らかな表面を求められる部品に対して用いられ、工業分野、特に自動車部品や航空機部品、精密機器の製造において不可欠な技術である。
研削加工の概要
研削加工は、砥石などの工具を用いて素材を削り、所定の形状や寸法に仕上げる工作方法の一つである。主に金属を対象とした精密加工に用いられ、表面の粗さを低減し高い寸法精度を達成することができる。研削加工は、切削加工では対応しきれない高硬度の材料や微細な寸法調整が必要な場合に有効であり、自動車部品や精密機械部品などの製造において重要な役割を果たしている。一般に、旋盤やフライス盤での粗加工後に使用され、部品の最終仕上げに用いられることが多い。
研削盤 pic.twitter.com/B3CQa5o2YA
— せんむ 長谷川加工所 (@coba_oni_chan) January 8, 2024
研削加工の原理
研削加工は、工具として砥石を使用し、ワークの表面を多数の砥粒によって引っかき、微細な切りくずを出して除去する。 加工効率は切削加工に比べて劣るが、切込み量が細かく取れるため、精度は優れている。形状を加工するというより、表面の状態をよくするために使われることが多い。

砥石
砥石とは、硬度の高い砥粒が埋め込まれている石のことで、通常の金属に加え、焼き入れ後の金属や超合金のような硬質の材料でも加工できる。その表面を拡大すると細かい刃先が多数突き出している。この多数の刃が微細な切りくずを出しながら面を削っていく。また、砥石には高速な回転運動や往復運動を精度よく与えることができるため、短時間で精密な加工ができる。

砥石の種類
- アルミナ砥石:汎用性が高く、鉄系の素材に適している。
- シリコンカーバイド砥石:セラミックやガラスの研削に適している。
- ダイヤモンド砥石:硬い素材や超硬合金の研削
- CBN砥石:硬い素材や超硬合金の研削
砥石の自生作用
砥粒は小さな粒子がそれぞれ刃物の働きをして工作物を削る。切削用の刃物では使えば使うほど摩耗し衰えるが、砥石は自生作用があるため、切削力が落ちない。その原理は、砥石は樹脂ボンドで固められているため、使用が続き砥粒が磨耗すると研削抵抗が大きくなり、樹脂ボンドが耐えられなくなり、いずれ砥粒が脱落する。しかし、その下には切れ味の良い新しい砥粒があるため、研削加工を続けることができる。これを砥石の自生作用という。

ドレッシング
砥石の隙間に切りくずなどが詰まって、自生作用による新しい切れ刃の創生が刃先の摩耗に追い付かなくなる。ダイヤモンドでできた円錐形の工具(ドレッサー)で砥石表面を削ることで、精度を取り戻すことができる。これをドレッシングという。ドレッシングのタイミングは、びびりマーク、仕上げ面粗さ、研削焼けなどの表面の状態、研削抵抗の変化、研削音の変化などにより判定させる。

ツル―イング
ツル―イングは、砥石の形を整えたり、加工する形状に変形したりする。
研削加工の種類
研削加工にはいくつかの種類があり、目的や形状に応じて使い分けられる。代表的なものには、「平面研削」「円筒研削」「内面研削」「センターレス研削」がある。平面研削は主に平らな表面を加工するために用いられ、円筒研削は円柱形の素材を研削するのに適している。内面研削は円筒内部を、センターレス研削は素材を固定せずに表面を加工する方法で、連続加工や大量生産に向いている。
平面研削

円筒研削・センターレス研削

内面研削

研削加工の特徴
研削加工の大きな特徴は、高い寸法精度と優れた表面品質を得られる点である。砥石を用いることで、非常に細かい部分まで加工が可能となり、数ミクロン単位での寸法調整が求められる部品の加工にも適している。また、硬度が高く切削工具では加工が難しい材料にも対応できるため、焼き入れした鋼やセラミックスなどの難削材の加工にも用いられる。しかし、一方で加工速度が遅く、工具である砥石の消耗が激しいため、加工効率やコスト面での考慮が必要である。
円筒研削盤での加工の一幕です❗
こういった長物の加工では砥石に押されて真ん中の辺りが膨らんでしまいます。そこで二枚目のように下と手前側に振れ止めを取り付け逃げる面が出ないようにして加工しています😃#円筒研削盤 #製造業 #金属加工 #ものづくり #ダイヤモンドコンパックス #川崎市 pic.twitter.com/7GdWgBNXSC— 三田工機株式会社 (@mitakouki) October 18, 2024
表面粗さ
仕上げ面の表面粗さは、2~5μm程度である。
角形スプライン研削仕上げ(途中)⚙️
小径(谷の底の径)と山幅両面の3面を1溝ずつ仕上げます。高周波焼入れ等の熱処理後に仕上げ加工します。…マイクログラインダーのエアホースのカシメがすっぽ抜けて使えなくなったのでとりあえず今日は面取り作業は強制終了🥲 pic.twitter.com/X76RD9yDif
— イシダハグルマ|石田歯車工業(株)| (@ishida_haguruma) August 26, 2024
研削加工の工程
研削加工の工程は、まず砥石の準備とセッティングから始まる。次に、加工する部品を工作機械に固定し、回転する砥石で削り取っていく。加工中は、砥石の摩耗や熱の発生があるため、冷却液を使用して温度をコントロールし、精度と表面品質を維持する。研削後の製品は寸法や表面粗さを検査され、精度が求められる部品の場合、さらに追加の仕上げ研削が行われることもある。
納期ギリギリの製品があるため、明日は平面研削工程のヘルプに入ります!
量産加工品で10工程もあるので数量管理が大変なんです。
今のうちにテーブル磨いて準備しておきます〜 pic.twitter.com/icuJfANkiv
— 田原慎二/成和技研(株) (@seiwa__giken) August 9, 2023
研削加工の注意点
研削加工を行う際には、いくつかの注意点がある。まず、砥石の選定と管理が非常に重要であり、使用する素材に応じて最適な砥石を選ぶことが求められる。また、砥石のバランスが崩れていると、加工中に振動が発生し、仕上がりの精度が低下するため、砥石のバランス調整も定期的に行う必要がある。さらに、研削中に発生する摩擦熱による歪みを防ぐために、冷却液を適切に供給することが重要であり、これにより加工品質の維持が可能となる。