平行キーおよびキー溝|寸法と設計基準

平行キーおよびキー溝

平行キーは軸とハブ(歯車、プーリ、継手など)の相対回転を防ぎ、トルクを確実に伝達する機械要素である。キー溝は軸とハブに設ける溝で、キー本体の幅・高さと適切なはめあいをもって機能する。設計ではトルク、材質、疲労、加工方法を総合的に整合させることが重要である。

定義と役割

平行キー(角キー)は断面が長方形のキーで、軸方向に平行で一定断面のキー溝に嵌合し、側面の面圧およびキー本体のせん断でトルクを伝達する。キー頭はハブ端面とほぼ面一またはわずかに沈むのが一般的で、組立・分解性、位置決め精度、コストのバランスが良い。半月キーに比べ高い位置精度と加工容易性に優れる一方、応力集中を避けるために溝端部や角部の仕上げ品質が重要となる。

許容差とはめあいの考え方

一般的な考え方として、キー本体の幅はややマイナス側(例:h9相当)で製作し、軸側・ハブ側のキー溝幅はベース側(例:H9相当)にして組立性と面圧分布を確保する。高さ方向は、軸側の溝深さt1とハブ側の溝深さt2の和がキー高さhと整合するよう標準値が定められている。実務ではガタや偏摩耗を避けるため、側面接触を優先し、天地方向はわずかなクリアランスを与える。

強度計算の基本式

キーの設計では、せん断(キーがすべり切れる)と面圧(側面が押し潰される)の2つを確認する。軸径d、トルクT、キー幅b、長さl、キー高さh(有効高さは概ねh/2を用いる簡易法)とすると、基礎式は次の通りである。

せん断強度の目安

キーに作用する周方向力Fの関係はT=F・(d/2)である。せん断応力τは、せん断面積b·lを用い、τ=F/(b·l)=2T/(d·b·l)で概算できる。材料の許容せん断応力以下となるようにbやlを選定する。

面圧の目安

側面の有効投影面積はおおむね(l·h/2)とみなし、面圧σはσ=4T/(d·h·l)で概算する。許容面圧は材料と潤滑・使用温度・疲労条件で設定し、必要に応じてキー長を延ばす、材質や熱処理を見直すなどで対応する。

関連規格と記号

JISでは平行キーとキー溝に関する用語、寸法系列、許容差、形状種別、表示方法などが規定されている。代表的にはJIS B 1301(平行キーおよびキー溝)に準拠する設計・図示が行われる。呼び方は一般に幅b×高さh×長さL、必要に応じて形状種別(例:A形、B形、C形)や材質(例:S45C)を付記する。ISOとの整合も進んでおり、国際調達品でも互換性を取りやすい。

主要寸法と呼び方

平行キーの基本寸法は幅bと高さhで、呼び径(軸径)に対して系列化されている。キー長Lは伝達トルク、許容応力、ハブの有効長で決める。端部形状は加工法に合わせて選び、エンドミル加工を前提とする場合は両丸端(B形)が治具・工具の標準化に有利である。角端(A形)や片丸端(C形)も用途に応じて使い分ける。

  • 呼び寸法の表記例:b×h×L(例:10×8×40)
  • 形状種別:A形(角端)、B形(両丸端)、C形(片丸端)
  • 材質例:炭素鋼(S45C)、合金鋼、ステンレス等

下記は一例であり、詳細はJISやISO、メーカーカタログ等を確認すること。

2X2->(24×16)(単位㎜)

キーの呼び寸法
b×h
キーの寸法 ねじ用穴
b C l d1 ねじの呼び
d1
d2 d3 g
基準寸法 許容差
(h9)
基準寸法 許容差
2×2 2 0
-0.025
2 0
-0.025
h9 0.16~0.25 6~20
3×3 3 0
-0.025
3 0
-0.025
h9 0.16~0.25 6~36
4×4 4 0
-0.030
4 0
-0.030
h9 0.16~0.25 8~45
5×5 5 0
-0.030
5 0
-0.030
h9 0.25~0.40 10~56
6×6 6 0
-0.030
6 0
-0.030
h9 0.25~0.40 14~70
(7×7) 7 0
-0.036
7 0
-0.036
h9 0.25~0.40 16~80
8×7 8 0
-0.036
7 0
-0.090
h11 0.25~0.40 18~90 6.0 M3 6.0 3.4 2.3
10×8 10 0
-0.036
8 0
-0.090
h11 0.40~0.60 22~110 6.0 M3 6.0 3.4 2.3
12×8 12 0
-0.043
8 0
-0.090
h11 0.40~0.60 28~140 8.0 M4 8.0 4.5 3.0
14×9 14 0
-0.043
9 0
-0.090
h11 0.40~0.60 36~160 10.0 M5 10.0 5.5 3.7
(15×10) 15 0
-0.043
10 0
-0.090
h11 0.40~0.60 40~180 10.0 M5 10.0 5.5 3.7
16×10 16 0
-0.043
10 0
-0.090
h11 0.40~0.60 45~180 10.0 M5 10.0 5.5 3.7
18×11 18 0
-0.043
11 0
-0.110
h11 0.40~0.60 50~200 11.5 M6 11.5 6.6 4.3
20×12 20 0
-0.052
12 0
-0.110
h11 0.60~0.80 56~220 11.5 M6 11.5 6.6 4.3
22×14 22 0
-0.052
14 0
-0.110
h11 0.60~0.80 63~250 11.5 M6 11.5 6.6 4.3
(24×16) 24 0
-0.052
16 0
-0.110
h11 0.60~0.80 70~280 15.0 M8 15.5 9.0 5.7
キーの呼び寸法
b×h
キーの寸法 ねじ用穴
b C l d1 ねじの呼び
d1
d2 d3 g
基準寸法 許容差
(h9)
基準寸法 許容差

Lの寸法許容差は原則としてh12とする。Lは、6,8,10,12,14,16,18,20,22,25,28,32,36,40,45,50,56,63,70,80,90,100,110,125,140,160,180,200,220,250,280,320,360,400である。
45°の面取りは丸み(r)でもよい。

25×14-100×50(単位㎜)

キーの呼び寸法
b×h
キーの寸法 ねじ用穴
b C l d1 ねじの呼び
d1
d2 d3 g
基準寸法 許容差
(h9)
基準寸法 許容差
25×14 25 0
-0.052
14 0
-0.110
h11 0.60~0.80 70~280 15.0 M8 15.5 9.0 5.7
28×16 28 0
-0.052
16 0
-0.110
h11 0.60~0.80 80~320 17.5 M10 17.5 11.0 10.8
32×18 32 0
-0.062
18 0
-0.110
h11 0.60~0.80 90~360 17.5 M10 17.5 11.0 10.8
(35×22) 35 0
-0.062
22 0
-0.130
h11 1.00~1.20 100~400 17.5 M10 17.5 11.0 10.8
36×20 36 0
-0.062
20 0
-0.130
h11 1.00~1.20 20.0 M12 20.0 14.0 13.0
(38×24) 38 0
-0.062
24 0
-0.130
h11 1.00~1.20 17.5 M10 17.5 11.0 10.8
40×22 40 0
-0.062
22 0
-0.130
h11 1.00~1.20 20.0 M12 20.0 14.0 13.0
42×26 42 0
-0.062
26 0
-0.130
h11 1.00~1.20 17.5 M10 17.5 11.0 10.8
45×25 45 0
-0.062
25 0
-0.130
h11 1.00~1.20 20.0 M12 20.0 14.0 13.0
50×28 50 0
-0.062
28 0
-0.130
h11 1.00~1.20 20.0 M12 20.0 14.0 13.0
56×32 56 0
-0.074
32 0
-0.160
h11 1.60~2.00 20.0 M12 20.0 14.0 13.0
63×32 63 0
-0.074
32 0
-0.160
h11 1.60~2.00 20.0 M12 20.0 14.0 13.0
70×36 70 0
-0.074
36 0
-0.160
h11 1.60~2.00 26.0 M16 26.0 18.0 17.5
80×40 80 0
-0.074
40 0
-0.160
h11 2.50~3.00 26.0 M16 26.0 18.0 17.5
90×45 90 0
-0.087
45 0
-0.160
h11 2.50~3.00 32.0 M20 32.0 22.0 21.5
100×50 100 0
-0.087
50 0
-0.160
h11 2.50~3.00 32.0 M20 32.0 22.0 21.5
キーの呼び寸法
b×h
キーの寸法 ねじ用穴
b C l d1 ねじの呼び
d1
d2 d3 g
基準寸法 許容差
(h9)
基準寸法 許容差

Lの寸法許容差は原則としてh12とする。Lは、6,8,10,12,14,16,18,20,22,25,28,32,36,40,45,50,56,63,70,80,90,100,110,125,140,160,180,200,220,250,280,320,360,400である。
45°の面取りは丸み(r)でもよい。

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