3R|リサイクル、リデュース、リユース

3R

3R(スリーアール)とは、リデュース(Reduce:発生抑制)・リユース(Reuse:再使用)・リサイクル(Recycle:再生利用)という3つの英単語の頭文字を組み合わせた環境政策上の概念である。大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会から脱却し、資源を有効に循環させる循環型社会の構築を目指す取り組みとして、国内外で広く普及している。日本では2000年に循環型社会形成推進基本法が制定され、3Rの考え方が法的枠組みに明記された。さらに2004年には当時の小泉純一郎首相がG8サミットで「3Rイニシアティブ」を提唱し、この概念は国際社会へと大きく広まった。

誕生の背景

3Rの考え方は1980年代中頃のアメリカで生まれた。当時の社会は経済成長に伴い、モノを大量に生産・消費・廃棄することが常態化しており、環境問題や資源枯渇への懸念が高まっていた。廃棄物の増大は埋立地の逼迫や土壌・水質汚染を引き起こし、従来の「使い捨て」型の経済モデルを見直す必要性が社会的に認識されるようになった。こうした背景のもとで、廃棄物をいかに減らし、資源をいかに有効活用するかという問いに対する実践的な答えとして3Rの枠組みが形成されていった。

リデュース(Reduce)

リデュース(Reduce)とは、資源の有効利用、廃棄物の減量化および資源の循環を図ることである。限られた資源を有効活用するため、製品をつくるときに素材や構造などを工夫して、使い終わった後に出るごみの量を少なくすることが必要とされる。

製造業 製品の耐久性を上げる、保守・修理しやすい取り組み、シンプル設計。
小売業 エコバックの利用、過剰梱包の軽減。
建設業 廃材の軽減と資源の有効活用

リサイクル(Recycle)

リサイクル(Recycle)とは使い終わったものをもう一度資源に戻して製品をつくることである。有限な資源に対して、半永久的に循環させる社会を目指さなければならない。

リユース(Reuse)

リユース(Reuse)とは一度使ったものをごみにしないで何度も使うようにすることである。

優先順位と循環型社会

3Rにはリデュース・リユース・リサイクルの順に明確な優先順位が設けられている。この順番は、環境への負荷が少ない順に並んでおり、単にリサイクルを推進するだけでは不十分であるという認識に基づいている。日本の循環型社会形成推進基本法においても、廃棄物等の発生抑制(リデュース)を最上位に置き、次いで再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)、熱回収、適正処分という優先順位が定められている。この法的枠組みは、廃棄物処理の在り方を根本から転換し、資源が社会の中で循環し続ける仕組みを構築することを目指すものである。

日本における政策的展開

日本では1990年代から廃棄物問題への対応が本格化し、2000年に循環型社会形成推進基本法が制定されたことで3Rの考え方が法制度に組み込まれた。同年以降、容器包装リサイクル法・家電リサイクル法・食品リサイクル法・建設リサイクル法・自動車リサイクル法など各分野の個別リサイクル法も整備され、環境省と経済産業省が連携して政策を推進している。資源生産性・循環利用率・最終処分量という3つの数値指標を設定し、循環基本計画のもとで達成状況を定期的に評価する仕組みが確立されている。

国際的な広がり:3Rイニシアティブ

2004年6月、小泉純一郎首相は米国ジョージア州シーアイランドで開催されたG8サミット(シーアイランドサミット)において「3Rイニシアティブ」を提唱し、G8首脳の賛同を得た。翌2005年4月には東京で3Rイニシアティブ閣僚会合が開催され、国際協力のもとで行動計画が決定した。この流れを受けて、2009年にはアジア太平洋3R推進フォーラムが日本の提案により設立され、アジア地域での循環型社会構築に向けた国際連携が進んだ。3Rの考え方はその後、2015年に国連総会で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にも反映されるなど、SDGsと密接に結びついた国際的なイニシアティブとして発展を続けている。

企業・個人の取り組み

企業レベルでは、製品設計の段階から3Rを考慮した取り組みが広がっている。製品の軽量化・長寿命化・解体しやすい設計(リデュース)、部品の再製造(リマニュファクチャリング)や容器の回収・再充填(リユース)、使用済み素材の再資源化プロセスの整備(リサイクル)などが主要な施策として挙げられる。個人レベルでは、マイバッグ持参・詰め替え製品の選択・フリマアプリを通じた中古品流通・分別ごみの徹底といった日常行動が3Rの実践として定着しつつある。環境省の調査では、ごみ問題への関心があると回答した日本国民の割合は2016年度の66.3%から2021年には74.3%へと増加しており、意識の高まりが確認されている。

企業責任

企業や社会は、積極的に3Rを考慮したものづくりをしなければならない。3Rのガイドラインを作成すること、金属部品やプラスチック部品などを容易に取り外して材料の分別ができるようにすることなど、様々な工夫がなされ、持続可能な社会に貢献する義務がある。

3Rを超えた概念:5R・サーキュラーエコノミー

3Rの概念はさらに発展し、リフューズ(Refuse:不要なものを断る)やリペア(Repair:修理して使い続ける)を加えた「5R」として論じられることもある。また近年では、廃棄物を出さないことを前提に資源を循環させるサーキュラーエコノミー(循環経済)という概念が欧州を中心に普及しており、3Rはその基盤となる思想として再評価されている。製品をつくる段階から廃棄・再利用の在り方を設計に組み込む「ゆりかごからゆりかごへ」という発想は、3Rの理念をより包括的に発展させたものとして位置づけられる。

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