耐圧試験
耐圧試験は、圧力容器・配管・バルブ・ホースなどが設計圧力に対して十分な強度と密封性を有するかを確認する検査である。弾性域内を前提に試験圧力まで段階的に昇圧し、一定時間保持して漏えいと変形の有無を確認する。媒体には水を用いる静水圧方式が基本であり、空気や窒素を用いる気圧方式は必要時に限定して採用し、厳格な安全対策を併用する。製作時、定期検査、改造後の確認など、耐圧試験は品質保証の要である。
適用対象と目的
耐圧試験の対象は、圧力容器、プラント配管、ポンプ・コンプレッサのケーシング、フランジ締結体などである。目的は①強度②気密の確認であり、規格に基づき判定する。
試験方式(静水圧/気圧)
- 静水圧:水など非圧縮性流体を用いる。破損時の放出エネルギーが小さく安全性に優れる。耐圧試験では最も一般的。
- 気圧:空気・窒素を使用。水の持込みを避けたい装置に有効だが、蓄積エネルギーが大きく危険性が高い。遮へい、立入禁止、遠隔監視を要す。
試験圧力の設定
試験圧力は設計圧力に倍率(例:1.25~1.5)を乗じて定める。薄肉円筒のフープ応力はσ=P·r/tで近似し、許容応力以下に保つ。温度・腐食代・溶接係数・シール材の耐性を考慮する。適用規格(JIS、ASME、ISO等)は倍率や保持時間、判定方法を規定する。
手順と装置
- 前準備:外観・溶接・ねじ締結を点検し、盲板を装着、ベントを確認。
- 充填・脱気:静水圧では脱気水を低速充填し最高部から空気を抜く。気泡は誤差と危険の要因である。
- 昇圧・保持・後処理:校正済みポンプと圧力計で段階昇圧し、規定時間保持。圧力降下や滲みを確認後、徐圧し排水・乾燥・防錆を行う。
判定基準と測定
判定は圧力降下量、漏えいの有無(気圧方式では石けん水やリークディテクタ併用)、永久ひずみの有無で行う。記録には試験圧力・保持時間・媒体温度・計器校正情報を含め、耐圧試験の再現性とトレーサビリティを確保する。
安全衛生とリスク管理
気圧方式は破裂時の飛散エネルギーが大きいため、遮へいと立入禁止、遠隔昇圧、リリーフ弁やバーストディスクを用いる。静水圧でも低温脆性や材料欠陥に注意し、JSA、PPE、温度安定化を徹底する。
簡単な計算例
外径100 mm、肉厚5 mmの薄肉円筒を設計圧力1.0 MPaとし、静水圧の耐圧試験を1.5 MPaで行うとする。フープ応力σ=P·r/t=1.5×106×0.05/0.005=15 MPa。鋼材の降伏強さが≥250 MPaなら弾性域内で余裕がある。
よくある不具合と対策
- 微小漏えい:ねじシールやガスケット座面の傷。再締結、表面修正、ガスケット交換で対処。
- 圧力降下:温度変化や残留気泡の影響。温度平衡化と入念な脱気を行う。
- 計器誤差:未校正や読み遅れ。基準器照合とデータロガ併用で改善。
関連規格の例
適用例として、JIS B 8265(圧力容器)、JIS B 8267(配管)、ASME BPVC、ISO 4126、APIがある。適切な規格を選び、倍率・保持時間・記録様式を統一して運用する。