研削盤|精密加工を可能にする高精度工作機械

研削盤

研削盤とは、砥石車(研削砥石)を高速回転させて研削を行う工作機械で、砥石を用いて素材の表面を削り、精密な形状や高い表面精度を実現するための工作機械である。主に金属、セラミック、ガラスなどの硬い素材の仕上げや微細な形状調整に使用され、円筒研削盤、内面研削盤、平面研削盤、万能研削盤、心なし円筒研削盤、心なし内面研削盤がある。加工する形状や目的に応じて多くの種類が存在する。研削盤は、自動車部品や航空機部品、精密機器などの高精度加工が求められる分野で重要な役割を果たしている。

研削盤の種類

研削盤には、用途や加工形状に応じてさまざまな種類がある。代表的なものとして、「平面研削盤」は平らな表面の加工に、「円筒研削盤」は円柱形状の外周研削に、「内面研削盤」は円筒内側の研削に適している。さらに、「センターレス研削盤」は素材を固定せずに研削できるため、連続加工に適しており、大量生産が必要な場合に使用される。これらの研削盤は、振動を防ぐような丈夫な構造となっており、駆動部は継目なしベルト伝動や油圧運転によって行なわれる。

平面研削盤

円筒研削盤

内面研削盤

センターレス研削盤

研削盤の構造と動作原理

研削盤は、主に高速回転する砥石と、加工対象物を固定するテーブルから構成される。砥石は数千回転で回転し、回転に伴う摩擦力で素材を少しずつ削り取る。テーブルは自動または手動で動かせるようになっており、砥石とテーブルの位置を精密に調整することで、寸法精度の高い加工が実現される。多くの研削盤には冷却装置が備わっており、加工時に発生する熱を冷却液で抑え、素材の歪みを防止する。

構成の各部の役割

主軸:砥石を取り付ける部分で、モーターで回転させる。
テーブル:素材を固定する部分で、左右や前後に動かすことができる。
ベッド:主軸やテーブルなどを支える部分で、研削盤の土台となる。
刃物台:刃物を取り付ける部分で、素材に合わせて動かすことができる。

砥石車の3要素

砥石車は、砥粒と結合剤、気孔を合わせた3要素から構成されている。JISでは、砥粒の粗さや砥石の硬さを表す結合度や、砥石車の組織(単位容積中に占める砥粒の割合)などを数値や記号で示して分類している。

砥粒

砥粒は、アルミナや炭化ケイ素などの一般砥粒と、ダイヤモンドとホウ素、窒素から人工的につくられたダイヤモンドの立方晶窒化ホウ素(CBN:Cubic boron nitride)などの超砥粒に大別される。一般的な鉄鋼材料には、アルミナが用いられ、アルミニウムなどの非鉄金属材料には炭化ケイ素が用いられる。ダイヤモンドはセラミックスや石材、非鉄金属などに用いられる。研削中に鉄とダイヤモンドが反応するため、鉄鋼材料には適していません。

結合剤

結合剤は、砥粒と砥粒を結びつけるもので、その種類はセラミックスや樹脂、ゴム、金属などがある。結合の原理はいずれも化学反応ではなく、物理的な接触力である。

気孔

気孔は砥粒と結合剤の間にある空間のことで、切りくずの逃げ場として重要な役割を果たす。

研削盤の特徴

研削盤は、高精度な表面仕上げや寸法精度が求められる加工に適している点が特徴である。切削加工に比べ、少量の素材を精密に削り取るため、ミクロン単位の寸法制御が可能である。また、砥石を細かく調整することで、硬度の高い素材に対しても精度の高い加工が実現されるため、自動車や航空機、電子部品などの製造で広く利用されている。

メンテナンスと安全性

研削盤は、高速回転する砥石と強い摩擦力を使用するため、定期的なメンテナンスが欠かせない。砥石の摩耗やバランスの調整を行い、適切に取り扱うことで精度を保つことができる。また、安全面では、防護カバーの使用や加工中の飛散物への対策が重要である。さらに、冷却液の適切な管理も素材の歪み防止や加工品質の安定に寄与する。

課題と最新技術

研削盤には、加工中に発生する熱や摩耗による砥石の消耗が課題とされている。これらの課題に対処するため、冷却システムの改善や摩耗に強い砥石の開発が進められている。また、最新の研削盤には数値制御(NC)やコンピュータ数値制御(CNC)が導入され、ミクロン単位の精度管理が可能になり、さらに自動化・無人化も進んでいる。