架台|機器を支える基礎構造と安定性確保

架台

架台は機械・装置・配管・電気盤などを所定の高さと位置に保持し、荷重を基礎へ安全に伝達するための支持構造である。設備レイアウトの自由度を高め、振動・騒音・メンテナンス性・据付精度を総合的に満たすことが要求される。工場、発電所、上下水道、化学プラント、食品・医薬ラインなど幅広い産業分野で用いられる。

役割と機能

主機の自重・内容物・付帯品の荷重を支持し、外力(地震・風・衝撃)に耐えることが基本機能である。加えて、芯出しと水平度を確保し、運転時の微小振動を許容範囲に収める減衰・遮断機能が求められる。保全ではアクセス経路、点検口、持上げ点の配置が重要となり、据付・撤去の作業性にも配慮する。

設計要件(荷重・剛性・振動)

  • 荷重条件:静荷重、操作荷重、内容物の満減、地震・風、輸送時の慣性を整理する。
  • 許容応力度:材料規格に基づき、部材・接合の安全率を設定する。
  • 剛性:水平・ねじれ剛性を確保し、たわみ・据付沈下を許容量内に制御する。
  • 固有振動数:励振周波数と離調させ、共振を回避する。必要に応じ防振ゴムや慣性体を併用する。
  • 座屈・座屈後強度:細長部材やスリム化設計では座屈検討を欠かさない。
  • 耐疲労:繰返し荷重部は応力集中の低減と溶接止端仕上げで寿命を延ばす。

材料と構造形式

一般に鋼構造が主流で、H形鋼・溝形鋼・角形鋼管を組み合わせる。接合は溶接ボルト締結の併用が多く、製作性・現場調整性・分解搬入の要件で比重を最適化する。腐食環境では溶融亜鉛めっきや重防食塗装を選択し、食品・薬品分野ではステンレスや被覆鋼を用いる。

固定方法と基礎

ベースプレートとアンカーによる固定が一般的である。グラウトで不陸を吸収し面圧を均一化、長穴で芯出し余裕を確保する。高振動機器では防振支持・慣性ブロックを併用し、基礎剛性を含めた系全体の共振回避を図る。屋外では耐風安定性と排水勾配、凍害・塩害対策を考慮する。

設計手順

①要求整理(荷重・精度・環境)→②配置検討(重心・配管干渉・保全動線)→③荷重算定と断面計算(必要ならFEM)→④接合設計(摩擦・支圧・溶接長)→⑤振動評価(固有値・応答)→⑥製作図・部品表作成→⑦据付要領と検査計画策定、の順で進める。設計変更時は影響範囲を系統的に再評価する。

製作・施工と品質

切断・開先・組立の治具管理で精度を担保し、溶接後の歪取・仮付け位置の管理を徹底する。機器座の基準面は機械加工で平面度を確保すると芯出しが容易になる。検査は寸法・外観に加え必要に応じPT/MT等の非破壊検査を実施し、塗装前に表面清浄度を確認する。

保全・改修

定期点検では締結部の緩み・すべり痕、塗膜欠損や腐食、グラウトのひび割れを確認する。締付トルク管理と再塗装、腐食源の排除で長寿命化できる。ライン改造では荷重増加と重心移動を再評価し、補強リブ・ブレース追加やベース拡幅で対応する。移設時は支持脚のレベルやアンカー再利用可否を判断する。

用語の使い分け(ベースフレーム/スキッド)

ベースフレームは据付のための基台を指すことが多い。スキッドは配管・計装・電装を搭載したユニット化構造を意味し、工場出荷時に試運転できる点が特徴である。搬入経路に合わせた分割と再組立性、吊り点・フォークリフト差込口の設計が鍵となる。

よくある不具合と対策

共振によるボルト緩み、片持ち部の座屈、グラウト欠陥による局部面圧、基礎との不整合などが典型である。励振源との離調、補剛と断面再配分、施工手順の是正、締結再設計で根治を図る。配管反力や熱伸びを想定したフレキシビリティ確保も有効である。