三現主義|現場、現物、現実

三現主義

三現主義とは、三現である「現場(げんば)」「現物(げんぶつ)」「現実(げんじつ)」の三つの要素を重視することで、思い付き・勘や経験則に頼らず、現実・事実に基づく判断を重視する思想である。「現場、現物、現実」をよく観察して、何が起きているの問題の本質を理解し、適切な解決策を導くための効果的な方法として知られている。特に日本の製造業や品質管理の分野で広く採用されている。

現場、現物、現実

三現主義の基本は、現場、現物、現実に着手することである。いずれにしても現場、現物、現実を観察することが重要である。製品のキズや破損が起こったとき、どのようなキズが、どこに発生しているかの観察に基づいて原因を探らなければならない。実物を前に詳細に観察し、キズの数、面積、深さといったデータを収集することで原因を突き詰めていく。

現場

現場(げんば)は、問題が実際に発生している場所や、業務が実際に行われている場所を指す。三現主義の第一の要素であり、問題を解決するためには、まず現場に足を運び、実際の状況を確認することが求められる。現場に赴くことで、机上の論理や仮定に頼らず、実際に起こっていることを直接目の当たりにすることができる。

現物

現物(げんぶつ)は、問題に関連する具体的な物やデータを指す。例えば、製造業においては不良品や欠陥品が現物に該当する。現場で確認した現物を詳細に分析することで、問題の原因を特定し、適切な対策を講じることができる。現物に基づく判断は、理論や推測よりも実践的であり、確実性が高い。

現実

現実(げんじつ)は、現場と現物から得られた情報を基に、実際に何が起こっているのかを正確に理解することを意味する。現実の把握は、問題の真の原因を見極め、効果的な解決策を導き出すための重要なステップである。現実を無視した対策は、一時的な解決にしかならず、根本的な改善には繋がらない。

事実に基づく判断

三現主義は事実に基づく判断を重視する。事実とはデータのことで、データを収集し、それを科学的根拠として判断と行動を行う。使用目的によって、改善データ、保証データ、管理データの3つに分類できる。

改善データ

改善データには、改善を目的としたデータで、現状の把握、問題の原因の追及、対策を決定するのためのデータを指す。

保証データ

保証データとは、いつ、どこで誰が検査したのかといった検査のデータや工程の記録がある。

管理データ

管理データには管理を目的とした工程(プロセス)を管理するためのデータや製造条件の調節のためのデータがある。たとえば、製品の品質を示すデータは、その製品が作られる工程の状態を表しており、そこを疎かにしている場合、再現性が取れない。

三現主義の応用

三現主義は歴史的には製造業から生まれ発展したが、ほかのジャンルに広まっていった。例えば、サービス業やIT業界においても、問題解決やプロジェクトの進捗管理において、現場、現物、現実を重視するアプローチは有効である。誤解や誤った仮定に基づく判断を避け、現実的で実行可能な解決策を見つけることができる。

三現主義の課題

三現主義には、現場への足を運ぶ時間やリソースが必要であるため、迅速な対応が求められる場面では実行が難しい場合がある。特にリモートやテレワークとは三現主義と相性が悪く、写真やカメラで対応するだけでは不十分なことが多い。一方で、現物や現実を過度に重視しすぎるため、全体的な視点を見失うリスクもある。三現主義と、新しいアプローチを組み合わせて相乗効果を期待しなければならない。