ロールフォーミング機|長尺材を連続ロールで高精度成形

ロールフォーミング機

ロールフォーミング機」は、金属帯板(コイル材)を多数段のロールで連続的に曲げ、U形・C形・Z形などの定断面形材を高能率に製造する成形設備である。プレス曲げやブレーキ曲げと異なり、微小な角度変化を段階的に与えることで塑性ひずみを均一化し、反りや割れを抑えつつ高速連続生産を実現する。ラインはアンコイラ、レベラ、シャー、フォーミングスタンド、切断機、スタッカなどで構成され、住宅用軽量形鋼、建材、家電筐体部材、自動車の補強材、物流ラック、太陽光架台など幅広い用途に用いられる。

概要

本設備は連続加工に最適化された塑性加工機であり、板厚0.3〜6.0mm程度までの冷延鋼板やメッキ鋼板、アルミ、ステンレスに対応する。ロール列で段階的に曲げ半径を小さくし、最終段で所定断面に整える。必要に応じて成形前後で穴あけやスリット、ノッチ、エンボスなどの前後加工をインラインで統合できる。

構造

主要構成はフレーム、スピンドルとベアリング、成形ロール、スタンド間の送り機構、駆動系、ガイド・サイドロール、潤滑・冷却装置、切断ユニット、制御装置(PLC)である。ロールは高周波焼入れした工具鋼が一般的で、表面粗さと真円度が断面品質に直結する。駆動は各スタンド独立駆動またはシャフト一括駆動があり、段間速度差の最小化が耳波や板幅縮みの抑制に有効である。

成形原理

成形原理は、曲げを分割して累積することで繰返し塑性を与え、弾性復元(スプリングバック)を見越してオーバーベンド量を配分する点にある。板繊維の伸び分布を均すことで縦曲がり(ボーイング)やねじれ(ツイスト)を防ぎ、ロールエッジでの線接触を避けるクラウニングやリリーフ形状で線圧を最適化する。

主な工程とライン構成

一般的なラインフローは、①アンコイラでのコイル展開と端部矯正、②レベラでの残留応力低減、③必要に応じたプレス・タレットでのプレパンチ、④サイドガイドでの基準出し、⑤フォーミングスタンドでの段曲げ、⑥フライングソーまたは油圧シャーでの長さ切断、⑦測長・積載である。

材料と適用範囲

材料特性は成形性を大きく左右する。降伏応力、n値、r値、板厚公差、メッキ層の潤滑性が重要で、高強度鋼では耳波とスプリングバックが増大するため、段数増設やロール角の微調整、成形温度の管理が必要となる。アルミは擦傷に注意し、樹脂被覆材はロール表面処理で傷を防ぐ。

設計・調整要素

ロール設計では、断面形状の分解(フラワーパターン作成)、各段のベンド角、局所ひずみ、幅縮み量の予測が要点である。経験式や2D展開に加え、3D-CADとFEMでの非線形解析が活用される。実機ではパスライン高さ、ロールギャップ、サイドロール位置を調整し、首振りや段間オフセットで蛇行を抑える。

品質管理と測定

品質管理では、断面寸法、公差、平直度、ねじれ角、表面欠陥を管理特性とし、抜き取り測定に加え画像計測で全数監視を行う。プロセス能力指数Cpkを監視し、SPCで傾向管理を行う。測長誤差は加減速時に増えるため、フライングカッタの速度追従と材料伸び補正が重要である。測定系の校正も不可欠で、定期点検は必須である。

メリット・デメリット

  • 長所:1)高い生産性、2)長尺でも寸法再現性が高い、3)インライン複合加工で工程短縮、4)金型費が比較的低い。
  • 短所:1)断面変化が少ない形状に限定、2)小半径では割れやすい、3)ロール設計に熟練を要する、4)材料ロット差の影響を受けやすい。

安全対策と保全

安全対策として、コイル端部のはね出し防止ガード、非常停止、巻締め・送りロールの挟み込み対策、切断部のカバー、油霧対策、耳だまり除去、残材排出の安全導線を設ける。予防保全では、スピンドルの振れ・バックラッシ、ベアリング給脂、ロールの摩耗・打痕、基準ガイドの直角度を定期点検する。

スプリングバック補正

スプリングバック補正では、最終段のみで無理に角度を出すより、前段から適正にオーバーベンドを配分する方が表面傷を抑えやすい。端部開きが問題ならサイドロールの押し込みとクラウニング量を見直す。

潤滑と油剤選定

潤滑は微量塗布(ミスト・ローラー)で十分な場合が多いが、高張力鋼や厚板では粘度の高い油剤が必要となる。残油は洗浄・塗装性に影響するため、後工程の要求に合わせて選定する。

代表的な用途

代表製品は、軽量形鋼、シャッター用スラット、ケーブルダクト、配管支持金具、ドア枠、家電フレーム、トラック用補強、ソーラーパネル架台などである。平直度が厳しい場合はライン後に矯正機を併設する。

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